業態を変えるのか新聞業界?=ジャーナリズムのレベルが民度のレベルでは?

beautiful Mt. Fuji Copyright par Duc de Matsuoqua

 最近ご無沙汰している日本新聞協会がネットで公開しているデータによると、2000年に約5370万部あった全国の新聞発行部数が、2020年には約3509万部に落ち込んだといいます。つまり、この20年間で、1861万部も激減したことになります。いわば20万部の地方紙が90紙も廃刊したことになります。

 内訳を見ると、一般紙が4740万部から3245万部へと1495万部減、スポーツ紙が630万部から263万部へ367万部減と惨憺たるものです。大雑把ですが、天下の読売新聞も1000万部から700万部、朝日は700万から400万部、毎日に至っては、400万から200万部へと、全国紙と呼ぶには「危険水域」です。

 書籍と雑誌の売上も1997年の2兆4790億円をピークに、2012年になると、その半分以下の1兆2080億円にまで激減しています(経済産業省・商業統計)。

◇スマホが要因?

 「若者の活字離れ」とか、「駅のキオスク店の廃業」などが原因と言われていますが、紙媒体の減少に拍車を掛けた最大の要因はスマートフォンの普及のようですね。総務省によると、スマホの世帯保有率が2010年末にわずか9.7%だったのが、2015年末には72.0%と、この5年間で急速に普及したといいます。

その店は築地の奥深い路地にあります

 その5年間に何があったかと言いますと、日本でアップルのiPhoneが発売されたのは2008年ですが、2010年からスマホは3Gから4Gとなったことが大きかったようです。これにより、データ量が大幅に増量し、文字情報だけでなく、動画もスムーズに観ることができるなど、まさにスマホは、日常生活で手離せないツールになったわけです。

◇ネットに負けた紙媒体

 その中で、ネットサイトの最大の「売り」のコンテンツがニュースだったのですが、1990年代の既成マスコミ経営者は、これほどネット企業が成長するとは夢にも思わず、ほぼタダ同然で、ドル箱のニュース商品をネット企業に渡してしまったことが後を引くことになります。(日本最大のヤフージャパンは、2000年の時価総額が50億円だったのが、20年後には3兆円にまで成長しています。月間250億ページヴューPVにも上るとか)

知る人ぞ知る築地「多け乃」 結構狭いお店と厨房の中に、スタッフが6人もいらっしゃって吃驚

 勿論、既成の紙媒体も指を咥えてこの動向を見ていたわけではありません。2011年から有料の電子版を発行した米ニューヨークタイムズは、コロナ禍の巣ごもりで購読者が増えて、2020年12月末の時点で500万件を超えたといいます(アプリと紙媒体を合わせると750万部)。NYTは、クオリティー・ペイパーと言われていますが、1990年代の発行部数は確か30万部程度の「ローカル紙」でした。また、19世紀から続く英老舗経済誌「エコノミスト」も電子化に成功し、紙で10万部そこそこだったのが、2020年の電子版は102万部に上ったといいます。

◇頑張っている十勝毎日新聞

 日本では、私も帯広時代に大変お世話になった十勝毎日新聞が、いまや1万人もの電子版の有料会員(本紙8万部余)を獲得していると聞きます。私が通信社の支局長として帯広に赴任していたのは2003年~2006年でしたが、当時の十勝管区の人口は36万人、帯広市の人口は16万人で、十勝毎日新聞の発行部数は9万部だったと覚えています。北海道といえば、北海道新聞の独壇場なのですが、十勝と苫小牧ぐらいが地元の新聞が頑張って部数で道新を凌駕していました。

結構、テレビの取材が入る有名店で、この日はカレイ煮魚定食 1500円 に挑戦。味は見た目よりも薄味でした

 ということで、数字ばかり並べて読みにく文章だったかもしれませんが、私自身、長年、新聞業界でお世話になってきたので、最近、「売れる情報」とは何かということばかり考えています。

 このブログも関係しているのですが、俗な書き方をすれば、「お金を出してでも欲しい情報」とは何かです。それは、生死に関わる情報かもしれません。その筆頭が戦争で、新聞は戦争で部数を伸ばした歴史があります。

 平和になっても、日本は災害大国ですから、地震や津波、洪水、地滑りなどの災害情報は欠かせません。

 結局、突き詰めて考えてみると、「医食住」に関わる情報が多くの人が有料でも手に入れたいと思うかもしれません。だから、グルメ情報もバカに出来ませんよ(笑)。

◇官報は無味乾燥

 今では、官公庁や役所、役場などがサイトで情報公開してますが、失礼ながら「官報」は、素材ですから、味気も素っ気もなく面白くありません。第一、素材を読んだだけでは、情報の裏にある背景や本当の真意も、よほどの通でなければ分かりません。

 となると、既成新聞は、これまで以上に、情報の解説や分析、歴史的背景、将来予想、そして何よりも政財官界の汚職追及と社会不正糾弾などで生き延びていくしかないかもしれません。新聞社は都心に多くの不動産を持っていて、「貸しビル業」で存命を図っているようですが、原点に帰ってニュースで勝負してほしいものです。

ジャーナリズムのレベルがその国民のレベルなのですから。

 

 

マイナンバーカードが危ない=日本人の個人情報が中国に流出?

 「マイナンバーカードの個人情報なんて中国に漏れているよ」といった噂をかつて耳にしたことがありましたが、それは単なる噂ではなく、事実のようですね。例えば、2018年分のある年金受給者の名前、生年月日、電話番号、配偶者の年収、マイナンバーなどが、中国のネット上で晒されていたようです。(2月17日、長妻昭衆院議員=立民=による国会予算委員会での質問)

 今朝(2月19日付)の東京新聞の【こちら特報部】が「やっぱり怖いマイナンバー」「ずさん再委託 中国へ流出疑惑」「あらゆる個人情報『ひも付け』」「丸ごと不正利用の恐れ」「自治体のデータ管理も甘々」などと大きな見出しの活字で大々的に報じています。

 この見出しだけで、大体の内容が推測できると思いますが、もう一つ、重大な見出しがあります。それは「年金機構 再調査を拒否」です。

 どゆこと?

 この記事の最後に「デスクメモ」がありますが、「桜を見る会の名簿は個人情報だからと素早く消去され(中略)、一方、国民の個人情報がつまったマイナンバーが、国外へ不正流出した恐れがあるのに調査には消極的」と批判しています。

銀座「みちのく」 海鮮丼ランチ 1300円

 同感ですね。同感。それに、こうして東京新聞が大々的に報じてくれなかったら、「国外不正流出の恐れ」なんか、ほとんどの国民は知らなかったわけですから。

 それにしても酷い話だなあ。私自身は、青色確定申告をするため、仕方なく、マイナンバーカードを更新しました。私が住む所では、実際、2019年にデータ入力業務を委託した業者が、許可を得ずに再委託した事件があった、とこの記事には書かれていますが、その再委託先がどこなのか詳しく書かれていません。もしかしたら、国外かも知れず、私の個人情報も中国に漏洩している可能性もあります。想像するだに怖ろしかぁ(何で急に九州弁?)。

 冗談じゃないよお。日本国民の個人情報は国家機密ではありませんか?至急、原因究明と再発防止策を図ってほしいです。でも、原因は、日本の業者が、データ入力みたいな面倒臭いことを気位が高い日本人がやりたがらず、低賃金の中国に丸投げした、ということが分かっていますし、再発防止と言っても、罰則がなければ、業者は今後も丸投げし続けることでしょう。

 これは、まさに政治とメディアの報道に無関心だと、為政者と悪代官によってに好き勝手にされる、という見本ですね。

 なんばしょっとね!

懐かしい「イージー・ライダー」を、知らないとは…

 私の義理の息子は、アメリカ人なので、会った時に、覚えたばかりの英語のフレーズを試す「実験台」になってもらっています(笑)。

先日も会った時に、

 I gave the last full measure of devotion. 知ってるかい?

 と、試してみたら、

「リンカーンのゲティスバーグ演説ですね。さすが、お義父さん」と褒められてしまいました。

 「なーんだ、自慢話かあ」で終わりたくないので、この後、深刻な続きがあります(笑)。

 (↑ 試訳は「私は死力を尽くして献身した」)

銀座「たか」焼き魚定食1200円 近くの大手出版社の編集者が通い詰める店らしく、さすがに美味。

「じゃあ、映画The Last Full Measure(『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』)(2019年)は観た?ベトナム戦争の話だけど、タイトルは、そのリンカーンの演説から取られた。ピーター・フォンダの最期の出演作になったやつ…」と私。

 「観てませんけど…。ピーター・フォンダ?」

 「えっ?ピーター・フォンダ知らないの?『イージー・ライダー』の」

  ちなみに、彼はロサンゼルス出身で、ハリウッドに近い所で育ち、映画通でもあります。

 私は「えーー、それは驚き。ピーター・フォンダのお姉さんはジェーン・フォンダで、お父さんも有名なヘンリー・フォンダで、ノーベル文学賞を受賞したスタインベックの『怒りの葡萄』(ジョン・フォード監督、1940年)にも出ていた…」と一気にまくしたてました。

 「うーん、ジェーン・フォンダは聞いたことあるけど…。スタインベックは学校で習った気がするけど…。うーん、チェック!」と、いつものように、彼はスマホを取り出して、検索し始めました。

 「あの歴史に残る名作『イージー・ライダー』(1969年)だよ! 本当に観てないの?」

 「うん、ノーーー」

 スマホ画面を睨みながら、「全く、何を言っているのか、訳が分からない」といった表情を彼は浮かべるのでした。

これに対して、私は I’m taken aback.とか、 astonishedとか、 shocked とか、あらゆる「驚愕」の言葉を並べました。

◇世代間ギャップ

 しかし、冷静になって考えてみると、それは「世代間ギャップ」ではないかと思いました。私の世代で、「イージー・ライダー」やピーター・フォンダを知らない人はまずいない。常識だと思われます。でも、そんな常識も、哲学的に考察すると、世代が変わると全く通じなくなってしまうということです。

 あんなに人気があって、有名で、一世を風靡しても、30年も経てば、すっかり忘れ去られてしまうという事実に、遅まきながら気が付いたわけです。同時に、自分が常識だと思っていることなど、年が経てば風化して、通用しなくなることも身に染みて分かりました。

 「常識を疑え」ではなく、「常識は時代によって変化する」です。平たく言えば、「おっさん、もう古いよ」ということになるんでしょうが、仕方ないですね。私はもう新しいモノは受け付けられない年になってしまいました。

 「イージー・ライダー」には、デニス・ホッパーとジャック・ニコルソンも出ていました。ステッペンウルフのテーマ曲「ワイルドでいこう!」も大ヒットしたんだけどなあ…。

 「世代間ギャップ」と言えば、父親と子との葛藤を描いた映画「エデンの東」(1955年、エリア・カザン監督)を思い出します。ジェームス・ディーン主演の名作です。テーマ曲も素晴らしい。

 そう言えば、「エデンの東」も原作者は、ジョン・スタインベックでしたねえ。

 繋がりました。

 お後が宜しいようで。

変なマネーゲームはやめてほしい=昨今の株価急騰に思ふ

銀座「笑笑庵」

 昨日15日に日経平均株価が、1990年8月以来30年半ぶりに3万円の大台を回復し、フロックかと思ったら、今日16日も一時600円も値上がり、383円高の3万0467円で終わりました。

 一体、何が起きているんでしょうか?

 何しろ、内閣府が15日に発表した2020年の1年間のGDPの実質伸び率が前年比マイナス4.8%。リーマン・ショックが起きた翌年の2009年以来、11年ぶりのマイナスでしたからね。新型コロナ感染拡大で飲食店、アパレル、運輸航空、観光業界を中心に倒産したり、低迷しているところが多く、巷の景気観測も良いわけがなく、実体経済と乖離しているわけですから。

 新聞(特に日経、毎日、読売)の解説記事を読めば、分かりやすく書かれています。大きな要因となる背景は、新型コロナ対策としての各国の中央銀行による大規模な金融緩和があるようです。これによって、富裕層だけでしょうけど、金があり余り、株式投資や仮想通貨などに向かったというのです。野村証券によると、2020年3月から21年1月中旬まで。日米欧の中銀が市場に流した「緩和マネー」は計約752兆円にも上ったそうです。

 この流れで日本の株価が高騰した担い手として、大きく二つありました。外国人投資家と日銀です。1989年、東証での株式売買金額に占める外国人投資家の割合は、たった約1割に過ぎなかったのに、2020年には約7割まで上昇したというのです。日本株のほとんどをあのウォーレン・バフェットさん始め、外国人が買っているわけですねえ。また、株式全体に占める個人投資家の保有比率は2割に満たず、日本の家計資産に占める株と投信の割合は13%に過ぎないため、株を持っていない多くの国民にとって、株高の恩恵は単なる他人事に映るというのです。

 もう一つの要因は、日銀による上場投資信託(ETF)の購入拡大です。20年に初めて7兆円台に達し、日銀保有のETFは昨年末で46.6兆円。年金の基金であるGPIF45.3兆円を超えて、日本株の実質的な筆頭株主になったというのです。

 今後、日経平均は、世界的な緩和マネーによって、「3万4000円程度まで上がる」と言うストラテジストもいれば、「2021年末に金融引き締めの議論が起きて株価も2万5000円前後に下落するのでは」と予想するストラテジストもおります。真逆ですね。

 私自身は、今の株価は、今の日本の実体経済を全く反映していないので、「バブル」だと思っていますし、いずれ弾けるんじゃないかと予想しています。

 大変失礼ながら、皆さんも含めて、ほとんどの国民は株を保有していないので、「他人事」に過ぎないかもしれませんが、年金基金が株で運用しているわけですから、株が暴落すれば、年金の減額なんてのもあるかもしれないし、「持たざる者」の庶民にも大きな影響が出るわけです。

  今や、株式投資もまさに投機化しており、変なマネーゲームもいい加減にやめてもらいたいものです。というのが私の意見ですが、このまままっしぐらに奈落の底に突進していくかもしれませんぜよ。

 

実に久し振りの六本木=サントリー美術館「美を結ぶ。ひらく。」展

 新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言が発令されている最中、国禁を犯して、東京・六本木の東京ミッドタウン3階・サントリー美術館で開催中の「美を結ぶ。ひらく。」展に行って参りました。

 いつぞやも、このブログでも書きましたが、雑誌「歴史人」(KKベストセラーズ)の読者プレゼントでこの展覧会のチケット2枚(3000円相当)が当たり、捨てるのも「如何なものか」と思い、1枚は会社の後輩にあげて、もう1枚は、御自ら捕縛覚悟で国禁を犯して出馬したわけです。

東京ミッドタウン

 六本木は本当に久しぶりでした。何年振りか覚えていないくらいです。六本木交差点にあった書店もドラッグストアになってしまっていましたし、女優の倍賞千恵子さんか倍賞美津子さんがオーナーだったという噂の「ばいしょう」という焼き鳥屋さんなど、若い頃にあったお店はもうほとんど姿を消しておりました。(いまだに健在は、喫茶店の「アマンド」と「おつな寿司」とイタリア料理「シシリア」とロアビルぐらいでした)

 思い出すのは、学生の頃に通った「クレイジーホース」というディスコです。酔っ払って友人たちと行ったことぐらいしか覚えていませんが、まあ、当時は最先端の遊びでした。

 ディスコなんて言っても、今の若い人はさっぱり分からないでしょう。

六本木交差点付近

 もう40年以上も昔の話です。そんなことを考えながら、六本木の街を歩いていたら、すれ違う人の大半は、40歳以下の中年と若者たちでした。「そうかあ、彼らは、40年前は生まれてもいなくて、影も形もなかったんだなあ」と思うと何か不思議な感じがしました。同時に、当時出会った60代だった人たちは今、ほとんどこの世から姿を消してしまったんだなあ、と思うと感慨深いものがありました。

古伊万里 色絵菊桔梗文瓶(左)と色絵花鳥文六角壺

 そうそう、肝心の展覧会でした(笑)。自ら進んで、どうしても観たいという展覧会ではなかったので、正直、身が入りませんでしたが、やはり、観ているうちに引き込まれました。(会場は空いていて、作品撮影は自由でした)

 私はかなりの俗人、俗物なものですから、リニューアル・オープンしたサントリー美術館の展示品を観ながら、「あ、これは(サントリー創業者の)鳥井信治郎(1879~1962)の収集品かなあ、こっちは(鳥井信治郎の二男で二代目社長の)佐治敬三(1919~99年)のコレクションだったのかなあ?」などと想像しながら観ていました。

 単なる想像ですが。

エミール・ガレ

 こうして、大実業家たちが集めた(と思われる)目が飛び出るくらい高価な美術品を拝見させて頂く機会に恵まれて、本当に有難いことだと思いました。

 正直に言えば、庶民が「おこぼれに預かった」ということになるんでしょうけど、最近のIT成金の某氏が、「お金の使い方が分からなくて困っている」といった趣旨の手記を月刊誌に書いていたので、こんな美術館でも建てたらどうかなあ、などと私なんか思ってしまいました。

 某氏は、自ら創業したIT企業をソフトバンクグループに売却して2000億円もの個人資産があるらしいのですが、ツイッターで「100万円プレゼント」などと無作為にお金をばらまいたりして、どうも成金趣味の域を出ない気がしています。

 そういうことをするなら、病院を建てたり、感染症研究やワクチン開発の資金を提供したり、他に出来ることがいっぱいあるのになあ、と思ってしまいます。 

歌川国貞「両国夕すずみの光景」文化文政期

 いやはや、こんなこと書いても、単なる「持たざる者」の愚痴に過ぎないでしょうけど…。俗人なもので、つい書いてしまいました。

【追記】

 明治政府による「廃仏毀釈」で、荒廃した寺院から貴重な日本美術品が海外に流出しました。そんな中、日本美術の真の価値を知っていたのが、外国人お抱え教師のフェノロサでした。彼が雇われた当時の帝国大学の月給は、現代に換算すると1500万円だったそうです。毎月1500万円ですよ! そのお金で、フェノロサは、せっせと国宝級の日本美術品を買い集めたのでした。

 尾形光琳「松島図屏風」、狩野元信「白衣観音像」などですが、彼のコレクションは、米ボストン美術館に寄贈されたので、アメリカにまで行かなければ観ることができませんよお。

「不買革命」を怖れた資本家階級=東京五輪組織委 森喜朗会長辞任で考えたこと

◇誰が森喜朗会長を引きずり降ろしたのか?

  「女性蔑視発言」をした東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は、大方の予想通り辞任を余儀なくされました。後任の会長ポストに就任予定の川淵三郎(84)日本サッカー協会相談役については、「また、男の老人では何も変わらない」とか、「知られていないが、実は彼は百田尚樹氏の『日本国記』を絶賛する極右の超国家主義者だ」とか仰る方もいらっしゃいますが、思想信条の自由がありますし、私自身は、「へー、そうだったのか」と会得するだけです。

 それ以上に興味があるのは、誰が森喜朗氏を会長の座から引きずり降ろしたのか?ーです。女性蔑視発言したことは自業自得なので、当然の結末とはいえ、実はかなりの確率で「続投」も可能だったからです。

 潮目が変わったのは2月9日です。国際オリンピック委員会(IOC)が「森会長の発言は極めて不適切で、IOCが取り組む改革や決意と矛盾する」との声明を発表したことで一気に流れが変わりました。IOCは、2月4日の森会長の謝罪会見後に「森会長は発言について謝罪した。これで、IOCはこの問題は終了と考えている」と宣言していたので、恐ろしいほどの豹変ぶりです。ということは、2月4日から9日の間に何かがあった、ということになります。

 想定されるのは、莫大な放送権料を支払う米NBCから、IOCに対して「如何なものか」とクレームが付けられたことです。しかし、NBCは、米三大ネットワークとはいえ、単なる(失礼!)メディアに過ぎません。恐らく、広告代理店を通じて、スポンサーがNBCに圧力を掛けたのではないかと容易に想像されます。

 米国の大手スポンサーは、日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、半導体大手インテル、民泊仲介エアビーアンドビー、飲料大手コカ・コーラなどです。いずれも、世界の人口の半分を占める女性の消費者を抱えている大企業で、多国籍企業です。女性たちから反旗を翻されて「不買運動」に走られたらたまったものじゃない、女性蔑視の会長では駄目だという公算が大きく働いたのでしょう。決して、スポンサーは、公共のため、無償のボランティアでやってるわけではないからです。

 それは、東京五輪の日本のスポンサーも同じことです。森会長の謝罪会見の後、早々にトヨタ自動車を始め、アサヒビール、日本生命などが相次いで「遺憾である」「不適切である」といった声明を「発砲」しました。

 勘繰れば庶民による不買運動、いや「不買革命」を怖れたのでしょう。

◇オリンピックはサーカスか?

 これで、若者を走らせて、放送権料と五輪キャラクター売買で商売をしている貴族集団のIOCというものは、絶えず、スポンサーの顔色を窺って、発言をコロコロと変える、節操のない権益団体に過ぎないということがはっきり分かります。

 批判覚悟で敢て暴言を吐けば、オリンッピクとは、スポンサーの、スポンサーのための、スポンサーによる大会と言えます。

 19世紀的用語を使えば、五輪とは、資本家階級の、資本家階級のための、資本家階級によるサーカスだと言えます。

 近代オリンピックの創始者クーベルタン男爵も、女性蔑視者とは言えませんが、時代的束縛があったにせよ、女性がマラソンを走ることなどもってのほかで、決して、積極的な男女平等主義者ではなかったと言われてますからね。

 こんなことを私が敢て書いたのは、今回の「森事件」に関して、特に民放テレビは実に皮相的で表面的な報道ばかりで、何処も批判したり、裏のカラクリを説明したりしないからです。でも、あっそかぁ、民放テレビも、スポンサーの、スポンサーのための、スポンサーによるメディアでしたね。批判できるわけがない!

 五輪憲章が、いかに崇高で高邁な精神であろうと、実態を知らない人が多過ぎます。

【追記】

 2月11日に五輪組織委会長に川淵三郎氏に決定したと思ったら、「密室譲渡」「不透明」などと批判され、政府筋による拒絶で、わずか「一日天下」で白紙に。すったもんだの挙句、結局、2月18日になって、橋本聖子五輪相が、大臣を辞めて会長に就任することで決着しました。

 スケートと自転車で五輪に7回も出場した橋本氏は、週刊誌で「五輪オタク」とか「セクハラ疑惑」とか、、叩かれたことがありましたが、森喜朗元首相に認められて政界に転身したわけですから、まさしく、森さんの子飼いで、彼のマリオネットになることは見えていますね。

 個人的に、私自身は、橋本聖子さんが、駒大苫小牧高校の頃、スピードスケートのインターハイで3連覇をした頃に取材して、話を聞いたりしていたので、どうも、彼女の高校生の頃のイメージが抜けません。

 こんなこと、後記として、書くのも、辻褄を合わすためで、本心は「実に面倒臭い」。

ビートルズ「ペニー・レイン」にはエッチな歌詞も?

 銀座「大海」 大分鳥てん定食 880円

◇「世界ふれあい街歩き」

 NHKの「世界ふれあい街歩き」という番組は、とっても面白い番組なので結構見ています。歩く旅人の目線になるよう特殊なカメラで撮影してくれるので、自分もその街に実際に行った気分になれます。コロナ禍で海外旅行に行けない今、ピッタリの番組ではないかと思います。

 先月は、英国のリヴァプールをやっていました。リヴァプールと言えば、ビートルズの故郷です。見逃すわけにはいきませんでした。この他、リヴァプールはサッカーの聖地でもあり、リヴァプールFCとエヴァートンFCと、二つもプレミアリーグ所属の強豪チームがあり、前者はRED(赤)、後者はBLUE(青)と、ユニフォーム・カラーの俗称で呼ばれ、街中でも”Red or Blue?” お前はどっちのファンなんだ?といった会話が交わされることもやってました。

本文と全く合っていない!(笑) ビートルズの写真にしたいのですが、他の多くの人のような著作権の違反はできませんからね(皮肉)

 そして、ビートルズでした。私が好きな彼らの曲の中でベスト5に入る曲に「ペニー・レイン」があります。リヴァプールにある通りの名前で、ジョン・レノンが少年時代に住んでいたメンローヴ・アヴェニューの家から近い所にあります。私も、リヴァプールには2度ほど訪れているので、勿論、ペニー・レインにも行ったことがあります。(ジョン・レノン自身は、労働者階級を強調していましたが、ジョンが住んだ家は中産階級が住むような住宅で、日本で言えば高級住宅街ですよ)

 番組の中でもペニー・レインは取り上げられ、そこで「出演」した市民が、「歌詞にはリヴァプール人しか分からない言葉が出てくるんだよ」と意味深なことを言っていたので、気になっていました(番組ではその答えを教えてくれませんでした)

◇奇妙な歌詞「ペニー・レイン」

 そこで、調べてみました。私も高校時代から訳してみたりしましたが、どうしても分からない単語が出てきました。例えば、Mack は、今でこそ、アップルのコンピュータか、マクドナルドかな、と想像してしまいますが、これはMackintosh のことで、Mack といえば、マッキントッシュのレインコートのことでした。当時の辞書には載っていなかったので、これが分かった時は目から鱗が落ちました。

 もう一つは、 roundabout で、これも当時の辞書にはなく、今では「ロータリー」だということがすぐ分かります。Behind the shelter in the middle of a roundabout となると、ロータリーの真ん中にある待合所ということになり、「世界ふれあい街歩き」のHPのサイトにはその写真が載っています。

 とにかく「ペニー・レイン」は奇妙な歌詞です。リヴァプール人しか分からないスラングとは、多分、 Full of fish and finger pies in summer 辺りだと思われます。ネットのサイトの中にはFour of fish and finger pies と表記して翻訳しているものがあり、このFour とは「4ペニー分の」という意味だと解説しているものもありましたが、私は一応、Full ofとします。

 直訳すると、「夏のたくさんの魚とフィンガーパイ」で、何のことかよく分かりません。それが、色んなサイトを読むと、fish とは、あの英国の定番食のフィッシュ・アンド・チップスのことであるらしい。そして、肝心なのが、finger piesで、これはリヴァプール人しか分からない俗語らしく、食べ物ではなく、女の子のprivate part を愛撫すること、または、万引きすること、なんてのもありました。これでは、米国人でも分からないでしょうね。

 でも、今はネットが発達してとても便利ですね。この曲は、メインヴォーカルのポール・マッカートニーが作詞作曲したと思われますが、ジョンも少し手伝っているかもしれません。さっきの問題個所のFull of fish and finger pies in summer ですが、Full of fish and finger piesまでは、ジョンとポール(そしてジョージも?)がコーラスでハモってますが、 in summer はジョンだけの声に私は聴こえます。「あの夏にやっちゃったんだよ」という雰囲気がよく出ています(笑)。そんな名曲を作ったポールは当時、24歳か25歳。ジョンは26歳か27歳の若さです。

◇「ノルウェーの森」は「ノルウェー製家具」

 昔はとんでもない、誤訳が多かったものです。以前にもこのブログで書いたことがありますが、例えば、ビートルズのNorwegian woodは「ノルウェーの森」と訳されてましたが、本来なら「ノルウェー製の家具」が正しい。ジョン・レノンのCold Turkey は、「冷たい七面鳥」のタイトルでシングルが発売されましたが、これは、麻薬の禁断症状のことで、今では大変な誤訳だったことが分かります。

 「ペニー・レイン」は1967年発売。私は当時小学生でしたが、ラジオで同時代で聴いてました。(その後、レコード、CDを買い、何百回聴いたことか!)でも、歌詞の意味が分かったのは、やっと54年も経ってからでした(笑)。

【関連記事】

2022年2月27日付「A four of fish に新たな解釈!=ビートルズ『ペニー・レイン』の歌詞」も合わせてお読みください。

人類の叡智で地球環境問題を解決できるか=「LIFE SPAN 老いなき世界」

東京・銀座の高級鰻店で

◇断スマホのすすめ

 ここ数年の「スマホ中毒」のお蔭で、視界がボヤけて、目の奥がズキズキ痛む眼痛がいつまで経っても治りません。「誰か止めてくれい」と叫びたくなるほど、まさに「中毒」です。通勤電車の中でも、7人掛けに座っている7人中5人はスマホとにらめっこしています。立っている人のほとんどもそうです。

 これは、何も日本だけの話ではなく、パリに行った時、メトロで、ロンドンでは、アンダーグラウンドで、そしてニューヨークのサブウエイでも皆、スマホと格闘しています。

 昨年から話題になっているアンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳「スマホ脳」(新潮新書) によると、現代人は、10分に1回はスマホを手に取り、スクリーンタイムの1日平均は4時間。10代の若者ともなると、その2割は、スマホに1日7時間を費やしているといいます。1日2時間超のスクリーンタイムは鬱病のリスクや学習集中力の低下につながるともいわれています。

 スティーブ・ジョブズは自分の子どもにはiPadを触らせなかったらしく、「裏事情を知っている」世界のIT企業長者の多くは、子どもにスマホを与えないらしいですね。IT長者に知り合いがいないので、裏を取っていませんが(苦笑)。

 まあ、断酒じゃありませんが、たまには、1日、スマホを仕舞って、触れない日を作ってもいいのかもしれません。インターネットが出始めた頃は、メールチェックも1週間に1度程度でしたからね。あの時代は随分、牧歌的な時代でした。

銀座「博多のぼせもん」 もつ鍋定食 1000円

 ◇「LIFE SPAN 老いなき世界」

 今、先月末から読み始め、途中で「本能寺の変」関連の本を読んでいたため中断していたデビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント著、梶山あゆみ訳「LIFE SPAN 老いなき世界」(東洋経済新報社)を再び、続けて読んでいます。

 このブログでは、1月28日にご紹介し、「実は、まだ半分ぐらいしか読んでいないのですが、できれば、この本を読むお仲間を増やして語り合いたいと思ったので、早々に御紹介しました。」と書きましたが、どなたか読み始めましたか? えっ? いない? 駄目ですねえ。

 世界的大ベストセラーになったらしく、なかなか良い本ですよ。分子生物学、遺伝学の難解な専門書なので、最初は専門用語に追いつくのが大変でした。しかも、著者の何処か自信満々のペダンチックな書き方が妙に鼻に付きましたが、後半では、わずかながら、挫折めいた感傷的になる記述も見られたため、浅はかな評価をやめました。もう1回ぐらいは再読するつもりですので、名著だと思います。

 前半では、「老化は病気の一種なので、NAD増強分子とメトホルミンや少量のラパマイシンを服用すると若返り、寿命が120歳、150歳になるのは夢ではない」といったバラ色の世界ばかり描かれています。

 これだけだと、単なる能天気な、現実を直視しない夢想家の発想にさえ見えますが、後半になると、著者の筆はちょっとネガティブになります。環境汚染や地球温暖化問題、人口増と食糧問題、そして貧富の格差拡大など統計を駆使して説明します。

 それは、著者が、実の息子から「パパの世代もその前も皆、地球が破壊されるのを黙って見ていたよね。その上、何?今度は人がもっと長生きできるようにしたい?世界をもっと傷つけられるように?」と批判されても、何も答えられなかったからでした。

 著者は、世界的なパンデミックの問題も警告していましたが、この本が出版された後、残念ながら、新型コロナウイルスが蔓延してしまいました。

 過去の歴史を振り返り、例えば、19世紀のロンドンで、3度にわたってコレラが大流行し、3万人もの人が亡くなった話に触れています。当時は、コレラは、沼などから立ち昇る悪い空気などから感染すると固く信じられていましたが、ジョン・スノウという医師が、そうではなく、公衆衛生の設備が整っていないからだということを突き止め、井戸ポンプの取っ手を取り外したり、上下水道を整備、改善することによって感染を収束させたといいます。その後、フランス人のパストゥールらのワクチン接種の研究などで、画期的な成果を挙げていきます。

 このように、著者は、先人たちが苦労したように、人類の叡智によって、地球環境問題にしろ、人口稠密問題にしろ、いつかは解決できると期待を込めているのです。

 やっぱり、難解な書物なので、1回読み終わったら、教科書のようにラインマーカーを引っ張って、再読するつもりです。

願掛けて眼科へ

モンティチェロ Copyright par Duc de Matsuoqua

 また、個人的な話なので、「どーでもいい」お話なのですが、右眼の下にものもらいが出来て、もう1カ月以上苦しんできました。眼痛はひどいし、視界もぼやけてきました。このままでは、ブログさえ書き続けられません。

 以前だったら、2~3週間で治っていたのですが、老人力が付いてきたのか、市販の目薬では全然治りません。溜まりかねて、昼休みに会社の近くにある眼科を調べて飛び込んだら、さすがに満員御礼。仕事が終わった夕方に出直すことにしました。

クレーンで富士山を持ち上げようとしましたが重くて中止になったようです Copyright par Duc de Matsuoqua

 銀座の歌舞伎座の近くにあるTアイクリニックという眼科医院ですが、院長さんは、レーシックの世界的権威らしく、院内には表彰状とか、週刊誌や日刊ゲンダイなどで取り上げられた記事などがベタベタと貼られていました。個人的には、あんまし、こういうのは好きではないし、レーシックなんて、おっとろしくてやる気も起こらず。こっちは、単なる、ものもらいの目薬を処方してもらうために気軽に立ち寄っただけですから、合計約1時間の待ち時間は、ずっと目をつぶって瞑想しておりました。

 銀座という地価が高い土地柄、院内はとても狭い空間で、患者さんがひしめき、受付と会計には若い女性が5~6人も待機し、「三密」状態でした。

 単なるものもらいなのに、事前に、眼圧を測ったり、視力を測ったりしました。やっと呼ばれた先生は40歳代ぐらいの女医さんでした。瓜実顔で目が横長で、ちょっと、浮世絵に出てくる江戸美人といった感じです。でも、話をすると、とても言葉遣いが丁寧で、非常に頭が切れて賢そうな信頼できる先生でした。

 とはいえ、ものもらいの治療と称して、患部は針でブチューと刺され、膿を出しましたから、痛いの何のって。麻酔液をかけてくれましたが、1分ぐらいでは効き目がなく、先生は「痛いですよーーー」と言ってはくれましたが、本当に痛かった。

 目薬は銀座のマツモトキヨシで処方してもらいました。コロナ禍で、外国人観光客がいないので空いていました。

「現代の城」散策記=戦国時代と変わらぬ要塞も

 私が住んでいる所は、民度が低いのか、日本で一番馬鹿にされている県で、確かに、自己中心的な狼藉者が多く、私も何度かチンピラにからまれたことがあります。

 はっきり言って、嫌いな街です。縁もゆかりもない所でしたが、たまたま集合住宅の一室を買ったら、バブルが崩壊し、価格が暴落して売れに売れず、そのまま仕方なく住んでいる感じです。

石垣もあり、まさに現代のお城じゃあ

 それでも、近所のKという所は、最寄り駅からかなり遠いのに、高級住宅街と呼ばれ、中にはとんでもなく大きな大豪邸もあります。私も東京の田園調布とか、松濤とか、白金とか、釈正道師がお住まいの等々力とか、高級住宅街と呼ばれる所を訳もなく散策したことがありますが、それらの豪邸に引けを取らないぐらいの大豪邸が散見されます。

 何でなんでしょうかねえ?

 ある噂では、もともと、有名大企業の社長さんのお妾さんを住まわすために区画整理されて、住宅街ができた、なんてものもありましたが、都市伝説じゃあるまいし、まさかあ、ですよね?

写真では大きさが分からない…

 そしたら、今では引退されましたが、かつては「芸能界のドン」と呼ばれた広域指定暴力団山口組の武闘派・後藤組の後藤忠政・元組長が書いた「憚りながら」(宝島社)を読んでいたら、愛人がこのKに住んでいた、といった趣旨のことを書かれていたので、本当に腰が抜けるほど吃驚したことがあります。

 噂は本当だったかもしれません。

◇現代の城めぐり

 コロナ禍で緊急事態宣言が発令され、好きな城巡りや寺社仏閣巡りも出来なくなってしまったので、仕方がないので、今は「現代の城」巡りを、この高級住宅街Kでしているわけです。

 でも、実態は単なる散歩で、通り過ぎているだけですが、「こんなデッカイに家に、どんな人が住んでいるんだろう?何をしているんだろう?」と興味津々です。想像するだけで楽しいのです。何しろ、彼らは現代の城主さまですからね。

城主さまをお見掛けしましたが、普通の人でした

 とはいえ、勿論、想像だけで、それ以上は踏み込みません。ですから、プライバシーの問題もありますから、皆様もこの高級住宅街Kが、何処にあるのか、ゆめゆめ詮索も検索もされずに、想像だけでお楽しみください。

 私なんか、最初はその大豪邸の広さと大きさに圧倒されていましたが、その要塞のような外観と規模には思わず笑ってしまいました。その写真の掲載は控えましたが、笑うしかないでしょう。現代の城主は、戦国時代の武将と同じように、日々、周囲の敵と戦っているようにさえ思えてきました。

【追記】

 ここは田舎ですから、江戸時代の庄屋か大地主の子孫と思われる、遥かに広大な敷地の大豪邸が駅の近くなどの住宅街にあります。

 そして思い出したのが、朝日新聞社の社主だった故村山美知子氏の神戸市御影の自宅を見に行ったことでした。敷地は約1万坪で、香雪美術館も併設されていましたから、私が知る限り、個人の住宅では最高の部類でした。御影や芦屋など関西の高級住宅街の方が、関東より格も大きさも上かもしれません。

 ま、ハリウッドの大豪邸とか、故マイケル・ジャクソンのテーマパークのような大豪邸(最近、売りに出されたらしい)とか比べれば、日本はまだまだ後塵を拝すでしょうけど。あ、そう言えば、ロシアのプーチンさまの宮殿も、本人は「俺や親族とは関係ねえ」と仰ってますけど、どでか過ぎる大豪邸でした。