マイナス金利と日銀総裁

プーシキン像 Copyright par Duc Matsuocha-gouverneur

申し遅れましたが、最近、松岡総裁秘蔵お隠れ百年に一度の御開帳写真集をお借りして、このブログに掲載させて頂いております。
松岡総裁におかれましては、全く本文と関係ないのにも関わらず、渓流斎の勝手で使わせて頂いていることを改めて感謝申し上げます。

アムール河 Copyright par Duc Matsuocha-gouverneur

さて、今朝の新聞の週刊誌の広告を見て吃驚。日銀の黒田総裁が、あのお年で(大変失礼!)、東京は豪邸街のシンボルである世田谷区の億ションを購入された、と報道されておりました。大体中身は想像つきますので、その週刊誌は買いませんでしたけど(また、失礼!)、今はマイナス金利ですから、住宅ローンの金利も想像を超えるほど異次元のレベルで下がったそうじゃありませんか。

黒田総裁も、この時期を見逃さず、早速、「買い」に入ったということなんでしょうね。

ん?何かおかしいですね。

そもそも、マイナス金利政策を決めたのは、黒田総裁じゃありませんか。マイナス金利になるからそれを見越して買ったわけではなく、マイナス金利にして買ったと疑われても仕方ありませんよね?

アジャパーですよ(古いギャグなので、知らないかもしれませんが)!何か、たとえが悪いですけど、胴元が都合の良いようにルールを変えて賭場を開いたような気がしてしょうがないのです。

 レーニン像 Copyright par Duc Matsuocha-gouverneur

いつぞや、このブログにコメントして下さった金融リテラシーの非常に高い名文家でもある「金満家」さんのお気に入りの経済評論家山崎元さんによりますと、日本の宝くじというものは、世界トップレベルのボッタクリギャンブルなんだそうですね。その理由は、還元率が約45%だから。つまり、宝くじを1万円分ずっと買い続けたら、平均で4500円ぐらいしか戻らない。また、つまりですが、最初から55%の5500円が「胴元」の懐に入る仕組みなんだそうです。

ちなみに、競馬の場合は、還元率は75%で、残りの25%が胴元である運営者側の懐に入る。つまり、馬券をずっと1万円買い続けたとしても、大体払戻金は7500円になる。損する分は、2500円ということになります。

宝くじの損失(5500円)と比べれば安いもんだと、山崎氏は言います。ちなみに、宝くじで損する部分は「無知の税金」と呼ばれるそうです。正しい知識があれば、失うことがないお金だからです。そもそも、まともな人なら宝くじは、買わないということです。

 アムール河 Copyright par Duc Matsuocha-gouverneur

そう言いながらも、山崎氏は競馬だけはやるそうです。その理由は、競馬は2500円で熱狂できる「教養娯楽費」だからだそうです。くだらない映画を観るより全然いい、と山崎氏は断言されていました。

でも、映画好きの私は、2500円があれば、映画を2本見ますね。

そりゃあ、くだらない映画も沢山ありますが、正直、私自身にギャンブル運があまりない、という理由(せい)かもしれません(苦笑)

【追記】今月の「新潮45」で、作家の加藤廣氏が連載中の「昭和からの伝言(9) 『角さん』との出会い」の中で、皆様御存知のTタイムズのGさんが「名編集者」として一番に清々しく登場しておりまする。ご興味のある方は是非。

長期金利が史上初のマイナス!?

 糠平温泉ホテル

長期金利全体の指標(ベンチマーク)となる「新発10年物国債」の利回りが昨日、終値でマイナス0.025%まで大幅に下落して、深刻な状況です。

このトバッチリを受けて、急激な円高株安となり、一時、1ドル=114円台となり、1年3カ月ぶりの円高ドル安水準。日経平均も、前日よりも918円86銭(5.40%)も安い1万6085円まで下落してしまいました。

ここで、聞き捨てならないことは、銀行が今、せっせと価格が安い(金利が高い)国債を買い漁っていることです。日銀が有利な条件で国債を買い取ってくれることを見越しているからだそうです。

しかし、将来的には、これが日銀の損失となり、回りまわって、庶民の負担になるリスクもあるというのです。えーー!?ですよね。元々、日銀は、企業の設備投資拡大、消費向上、「預金から個人投資へ」を狙ってマイナス金利政策を導入するという「弁明」でした。これでは、真逆のマイナス効果です。

原油安、米国景気の先行き懸念、中国の低迷などグローバリズムの跋扈で、世界経済の影響の波を日本がモロに被ってしまっているのが今の状況です。

特に、原油安は深刻で、その背景には米国の「シェール革命」があることは皆さんご存知の通りです。このおかげで。米国が輸出できるほど石油が量産されたため、原油価格が下がったというのが通説ですが、何で、日本が開発したシェールガスばかり、失敗するのか不思議でした。

例えば、住友商事は2015年3月期に、シェールオイル開発に失敗して総額2400億円という巨額の損失を計上しています。日系企業に関しては、その他、三井物産や大阪ガスなどの損失例もあり、「何で日本ばかりが…」と納得がいかなかったものです。

しかし、これだけ長く原油安が続くと、足元にも火がつくのですね。米シェールガス大手のチュサピーク・エナジーが破産法の適用申請の準備を始めたと報道されて、NYのダウ工業株平均が一時、400ドル超も値を下げたそうです。

何か、ブーメラン現象のようです。シェールガス革命のお蔭で、景気が向上するかと思ったら、原油安と景気懸念のダブルパンチです。

日銀も、「よかれ」と思って放った「黒田バズーカ砲(マイナス金利政策)」は、地球を1周して、日銀の円形の建物に当たるような気がします。

もちろん、そのツケは、銀行や財務省が払うのではなく、庶民が払うことになるだろう、ということは前に書いた通りです。

金融リテラシーは必要十分条件

 My Deer

16日から始まる日銀による「マイナス金利」政策の庶民への影響が徐々に見られ始めました。銀行の普通預金も定期預金も利下げの発表がされ、真綿で首を絞められるように、もしくは、ボディブローのように、ジワジワと効いてくるでしょう。

取り敢えず、庶民としての防衛策は、騙されないように理論武装するしかありません。そうでなくても、私は日頃から「金融リテラシーがない」と批判されておりますので、今、一生懸命に勉強(笑)しています。

先日読んだ小口幸伸著「2時間で分かる外国為替」(朝日新書=2012年8月1日初版)で、生まれて初めて外為の概要をつかめたといった感じです。著者の小口氏は、実際にシティバンクなどで為替ディーラーを務めていたので、学者やエコノミストが書くものと違って、体験に基づき実践的で、説得力がありました。

今は、最新の知識(とはいっても初版が2015年2月16日ですが)を得ようと、上野泰也編著「金融の授業」(かんき出版)を読んでいます。いわゆる一つの「入門書」ではありますが、この本を読むと、自分の金融知識は、何十年も昔の高校生レベル以下かなあ、と思ってしまいました(苦笑)。

何しろ、昔習った「マネーサプライ」も「公定歩合」も今は使わないんですってね。つまり「死語」扱いですよ。

愛読者の皆々様方は、知的レベルが高い方ばかりですので、付け加える必要はないと思いますが、敢えて屋上屋を架してみますと、「マネーサプライ」は、今は「マネーストック」に名称変更されたそうですね。2008年からですが、私もボヤボヤしていたものです。

「公定歩合」も2006年から「基準割引率および基準貸付利率」と名称変更されています。もう10年前ですね。今でも、たまに、新聞などで公定歩合の名称が使われているので、変更されていたとは知りませんでした。

この本には、「ABS」だの「TDB市場」だの、「レポ」「スプレッド」など専門用語がたくさん出てきて、ページを捲るとすぐ忘れてしまいます(笑)。

とはいえ、何しろ、今は、「量的・質的緩和」プラス「マイナス金利」の時代ですからね。将来どうなってしまうのか、1000兆円に上る財政赤字を含めて、実に心配です。

ですから、少なくとも、「今、現時点で何が起きているのか」ぐらい知っておくべきではないか、と慣れない専門用語と格闘しています。

◆過去3週間の閲覧数・訪問者数とランキング(週別)

日付             閲覧数    訪問者数   ランキング
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2016.01.24 ~ 2016.01.30   1934 PV   871 IP    10432 位 / 2382273ブログ
2016.01.17 ~ 2016.01.23   1855 PV   756 IP    9111 位 / 2375503ブログ

成果主義の時代

arrondissement

今や何処の企業でも、メーカーからマスコミに至るまで、「成果報酬」なる妖怪が歩き回っています。

デパート大手の三越伊勢丹も4月から販売員にこの「成果報酬」を導入するようですね。最大年100万円ほど上乗せされるそうです。コンビニのせいか、百貨店も、「衰退産業」と最近言われるようになり、インセンティブを導入することになったのでしょう。

確かに、日本の雇用形態は、一昔前と比べてすっかり様変わりしました。私が就職した頃は、「終身雇用」「年功序列」がほぼ当たり前で、社畜じゃなかった、社員は一生、身を粉にして会社に精神精励尽くすというのが基本でした。もっとも、当時は定年は55歳で、年金もたんまり出た頃でしたが。

それが、今では、グローバリズムとやらで、「終身雇用」も「年功序列」も崩れ、ポストに給料を支払う時代になってきました。例えば、「部長」というポストに賃金を与えているだけであって、その部長が30歳だろうが、50歳だろうが、関係ない。もしかして、人格も教養も品格も関係ないかも(笑)。

基準は「成果」のみ。30歳で部長になっても、営業成績が落ちれば、ウカウカしていられません。50歳代ともなれば、子供に教育費が幾何学級数的に増大する頃。ヒラのまんまでは、子供に大学進学を諦めてもらうしかないかもしれません。

昨日もご紹介した小口幸伸著「2時間で分かる外国為替」(朝日新書)には、こんな面白い記述がありました(換骨奪胎)。

…私の経験では、収益力のある為替ディーラー(全体の1割程度でしたね)は、ほぼ例外なく寡黙か、饒舌のどちらか。饒舌なら非論理的で支離滅裂です。その一方、収益力のないディーラー(全体の約2割)ほど、論理的でしかも明解で分かりやすい。私はその理由について考えたところ、相場の肝は、ギリギリの場面では判断力がモノを言い、決め手になるが、その場合、いくつかの要素がせめぎ合っているため、論理的に語れない。それに対して、収益力のないディーラーは、そこを素通りにして明解な世界でしか勝負していないから判断が遅くなるのではないか…

これは、どんな仕事にも通用するような示唆に富んだ言葉ですね。

私の考えは、「終身雇用」「年功序列」のようなシステムの方が、日本人に合っていると思います。「成果主義」は、上司のさじ加減でどうにでもなりますから、まるで戦国時代みたいなもんです。非論理的な、つまり今で言う反知性主義で、ヒラメのように寡黙か、声がでかい奴の勝ち(笑)。

「日本式では、国際競争に乗り遅れる」と、社内公用語に英語を導入した企業もあるようですが、笑止千万。「滅私奉公」も「刻苦精励」も読めない、意味も分からない日本人を増やすだけです。

今メディアに盛んに出てくるグローバル社長は、儲かれば何をしてもいい。手段を選ばない我利我利亡者みたいに見えてきてしまいます。

確固とした経営哲学を持っていた松下幸之助や本田宗一郎らとえらい違いです。

マイナス金利って!?

馬鈴薯留多

日銀が1月29日の金融政策決定会合で、「マイナス金利」の史上初めての導入を決定をしました。(2月16日から)

こんな重要な決定が、わずか9人の多数決で決まるとは知りませんでした。しかも、5対4の超僅差での可決です。

ちなみに賛成したのは、黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁、原田泰審議委員、布野幸利審議委員の5人。
反対したのは、白井さゆり審議委員、石田浩二審議委員、佐藤健裕審議委員、木内登英審議委員の4人。

マイナス金利政策は、既に、ECB(欧州中央銀行)などで導入されていますが、何しろ、日本では見たことも聞いたこともない。

マイナス金利ですから、市中銀行が日銀に預け入れると、利子が付くどころか、保管料みたいに、金利を獲られてしまう。仕方がないので、銀行は損しないように、企業や個人に借りてもらうしかない。

一般の消費者から見ると、住宅ローンなど借りている人にとっては、金利が下がって得をするかもしれませんが、預貯金や運用商品の金利が下がって、確実に損することになります。

昨日は、マイナス金利に関する新聞記事は、隅から隅まで読みましたが、何しろ「未知の領域」なので、「先行きどうなるか分からない」ということが分かりました。誰も予測もつかないことが起きるかもしれません。

デンマークでは、このマイナス金利の影響で、お金を地元の銀行から借りたおばちゃん、いや失礼、淑女が利息をもらった、という「逆転現象」が起きたと、英フィナンシャルタイムズが紹介しています。

さすがに私も今、一生懸命に金融について勉強しています。ビッドとオファー、オプションのコールとプット、TTS、TTBなど、慣れない専門用語を覚えて、金融リテラシーを高めています(笑)。

例えば、小口幸伸著「2時間で分かる外国為替」(朝日新書)によりますと、先物レートを知らずに外貨預金をすることは、ブレーキの操作を知らないで運転するようなもの。とにかく、無謀だ、といいます。やはり、金融リテラシーが必要です。

それでも、この本によりますと、成功している為替ディーラーはわずか1割程度なんだそうです。プロでさえ、この有様ですから、素人が生半可な金融知識で、相場に手を入れると危険でしょう。しかも、著者の小口さんは、「どうしたらうまくやれるのか」との質問に応えて、16条の項目を挙げ、第1条が「金融機関の営業を信じるな」、第2条「エコノミストを信じるな」、第3条「銀行ディーラーを信じるな」、第4条「ハウツー本を信じるな」、第5条「信頼できる人を探せ」…と力説しているのです。

いやあ、この本を読むのに2時間どころか、20時間もかかりましたが、実に為になりました。

昔は、本といえば、フィクションかノンフィクションばかり読んでいたので、こんなに経済もんを読むようになるとは思ってもみませんでしたけど(笑)。

彼の昨年のユーフォリアからルインまでの波乱万丈は、全てはトマ・ピケティのせいですかね?(笑)

山崎元著「投資バカにつける薬」

 Nouchavilla

1月13日に書いた渓流斎ブログ「人間にはひねくれた性質があるらしい」に「金満家」さんから貴重なコメントを頂きました。

あのコメントを読んで、私も発奮しましたよ。何しろ、私は自他ともに認める金融リテラシーが大幅に欠けた人間ですからね(笑)。

難しいことは分からないので、やさしそうなものを片っ端から読んでみました。例えば、小宮一慶著「現金は24日におろせ!」(KKベストセラーズ)、同著「お金を知る技術 殖やす技術」(朝日新書)、澤上篤人著「10年先を読む長期投資」(朝日新書)等々です。

なるほど、世の中、こういう金融システムで動いているのか、と入門書としてなかなか勉強できました。

ただ、一番ショックを受けたのが、例のコメントをして下さった「金満家」さんが名前を挙げた山崎元氏の著書でした。「投資バカにつける薬」(講談社)という本です。

実は、まだ途中なのですが、目下、「金融リテラシー界」(そんなもんないですか=笑)で広まっている「常識」に果敢に挑戦し、「こんなことを暴いたら、金融界のボスから暗殺されるのではないか」と思わされるぐらい、著者は、金融界の内幕を暴露しています。

これまでの社会通念といいますか、「常識」への問いかけとその反論で、この本は成り立っています。

例えば、「いま投資すれば、確実に儲けることができます」と言われたら…。「だったら、何故自分で投資しないのですか?」と問え、というのです。要するに販売する証券会社も銀行なども、客(業界ではドブと言っているらしい)の販売手数料さえ取れれば「営業成績」になっていいだけの話で、自分たちは損すると考えているから投資なんかしない、というわけです。

澤上篤人さんの「10年先を読む長期投資」を読んで、「そっかあー、投資は、長期でするものなんだなあ」と感心していたら、山崎さんは「投資に『短期は不利』『長期は有利』という法則は当てはまらない」と、バッサリと袈裟懸けに斬りまくります。

「はじめに」で山崎さんは、「本書の内容は、売り手(銀行、証券会社など)にとって不都合な話ばかりです。こういうことばかり言っていると、私もそのうち売り手に嫌われてしまうかもしれません。(中略)いずれにせよ、個人投資家は自ら理論武装し、正確な知識を身に着けて『投資バカ』を治療し、自分で考えて投資を行えるようにならなければなりません」と明快に書いています。

その上で、「運用商品のほとんどが投資に値しない」「セールスマンの『相場観』は当てにならない」「『売り手の儲けは借りての損』―これはすべての金融商品に当てはまる法則だ」と明記しています。

これからも、世知辛い世の中が続くと思います。既に、変なものに投資してしまった人は、大いに反省して、「理論武装」するしかありませんね。まあ、これだけのことを書いても、著者の山崎さんは、干されたりされないで、今でもご活躍中ですから、彼の「理論」に、皆さんも一度接近してみたらいいかもしれませんね。

人間にはひねくれた性質があるらしい

  Hiquafo

最近、すっかり格言に凝ってしまいました。

とはいえ、日本の格言や諺には、まるっきり正反対を言うことがあります。

例えば、「先んずれば人を制す」と言いながら、「急がばまわれ」「慌てる乞食はもらいが少ない」などと言ったりしますね。

どっちが良い悪いではなく、両方とも真理なんでしょうね。

ですから、私のようなひねくれ者なんかは「今日できることは、明日に延ばそう」とか、「柳の下には泥鰌が二匹も三匹もいる」なんて、御ふざけの言葉の方が面白くて、楽しいのです。

さて、今、私は、世界第2位の大金持ちと言われている史上最強の投資家、ウォーレン・バフェットの義理の娘メアリー・バフェットとジャーナリストのデビッド・クラーク著、峯村利哉訳の「バフェットの教訓」(2008年初版=徳間書店)が、名著だということで読んでいます。

別に、株や投資に関心がなくても、お金がなくてできない人でも(笑)、人間の心理・哲学を味わう意味でも、なかなか奥深いです。

例えば、「髪を切りたいなら、床屋のところへは行くな」の章では…(換骨奪胎)

・何か問題はないかとアドバイザーに相談すれば、アドバイザーは必ず問題を探し出してくる。全く問題がなくても!!ウォーレンが喝破したように、証券マン、コンサルタント、弁護士などにも同じ傾向がみられる。問題解決を生業にしている人々は、何としてでも問題を穿り出してくる。問題が存在しなければ、商売あがったりだからだ。

うーん、凄い洞察力ですよね?

また、「人間には簡単なことを難しくしたがるひねくれた性質があるらしい」では…

・極言すれば、あらゆる職業は素人をだますことで成立している。(中略)株式ブローカーが株のプロを自任するなら、自分の金で勝手に儲ければよさそうだが、不思議なことに、この疑問を口にする顧客は誰もいない。ひょっとして、ブローカーが顧客の金を必要とするのは、投資が利殖につながらないことを分かっているからではないのか?顧客に次々と投資先を乗り換えさせて、手数料収入で儲けるつもりではないのか?

いやあ、これは、瞠目すべき事実かもしれませんね。感服しながら、ページをめくっています。

日本も財政危機?

銀座・てんぷら「阿部」 ランチかき揚げ丼 1000円=主人は「なだ万」仕込み 旨くて安い

米国が、というより、中央銀行に当たるFRBが、政策金利を9年半ぶりに引き上げましたね。いわゆる「ゼロ金利」が解除されて、金利が年0.25~0.50%に上がるというわけです。

経済大国、世界一のアメリカが世界に与える影響は、甚大(笑)なものがあります。「アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪をひく」といったことわざ(?)がある通りです。2008年のリーマン・ショックと呼ばれた金融危機から7年たって、ようやく危機を脱したということなのでしょうね。利上げについては、昨年から盛んにアドバルーンが上がっていたので、市場関係者も冷静だったようです。

しかし、新聞や雑誌を見てみると、アナリストとか評論家とか学者とか称する人たちの意見が、何かバラバラで何を信じたらいいのか、さっぱり分かりませんね。

ある人は、「このまま、日本の株は上昇し、2万円回復は確実。3万円も圏内」と言えば、ある人は「日経平均は1万5000円にまで落ち込むのではないか」と指摘する人もいます。

ラジオを聴いていたら、ある評論家が「米金利上昇によって、ブラジルに投資していたアメリカのファンドが引き上げて、ブラジルの経済が混乱するのではないか」と予想していました。

ブラジルといえば、来年、リオデジャネイロでオリンピックを開く国でしょ?財政破綻したら、五輪開催できるのでしょうか。そうでなくても、競技場施設の工事が遅れている噂が飛び交っているというのに…。

しかし、この話、決して他人事ではありません。

ある週刊誌を読んでいたら、某作家が「このまま、少子高齢化が続けば、日本は2020年以降に財政破綻する」とのご託宣を自信満々に語っておりました。国債や借入金を併せた国の「借金」が1000兆円を超える中、消費税を欧州並みに20%~30%ぐらいに上げなければ日本は破産するといった趣旨でした。

2020年といえば、まさに東京オリンピックが開催される年じゃあーりませんか。

ブラジルの災難を他人事のように見ていたら、確実に火の粉が日本に襲ってくるという予言なんでしょうか?

慈善団体のからくり

 ロンドン

私は絶対にやらない(笑)「フェイスブック」の創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が、保有する自社株の99%を「社会貢献活動」のために寄付するという美談が話題になりました。何しろ時価総額約450億ドル(約5兆5000億円)ですからね。見上げたものです。

米国では、このような「寄付」行為は、富裕層の間では当り前のようにみなされています。一番有名なのは、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が設立した「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」で約5兆円の基金を集め、世界100カ国以上で感染症撲滅や教育資金に使われているそうです。

あのウォーレン・バフェト氏も社会貢献活動に寄付する運動をはじめ、マイケル・ブルームバーグ前NY市長らも賛同しているそうです。

とても、素晴らしい美談です。あまり寄付行為をしたがらない日本の大金持ちの人々には見習ってもらいたい、と思っていました。

と、「過去形」で書きました。

ザッカーバーグ氏の美談を聞いて、私は最初から「何か、胡散臭いなあ」と、確信していたのです。一般紙の報道では、「米国では寄付行為は税控除などの優遇措置がある」という背景を簡単に触れていましたが、これだけでは足りない。何かもっと詳しいことを知りたいな、と思ったところ、ありました、ありました。

あの超有名な長谷川豊氏のブログ記事「Facebook創業者のM・ザッカーバーグ氏の寄付は「いい話」でもなんでもないという現実 」です。

なるほど、この記事によると、(あの苫米地氏の説ですが)米国では相続税が40%も取られるため、もし、仮に万が一のことが起きたとき、生まれたばかりの娘さんは2兆円の相続税を払わなければならない。しかし、「慈善団体」を設立して、夫妻や娘がその団体の理事なり、役員になれば、5.5兆円まるまる自分たちのままにはならないが、運用次第では、年間たとえば2%の利益が出れば、それだけで、毎年1000億円以上の大金が転がり込んでくるというのです。

ま、そういう「からくり」だったということですね。大金持ちがそんなに気前がいいわけありませんよね。

でも、普通なら、年間1000億円も使いきれませんよね?

いずれにせよ、「慈善活動」「社会貢献」といっても、「節税対策」だったとは…。この説には十分納得してしまいました。

元が主要通貨に


大連

中国の人民元が「主要通貨」に決定したそうですね。来年10月からだそうですが、11月30日の国際通貨基金(IMF)理事会で決まりました。

気になりますね。「何で気になるの?」と詰問されても、SDRも知らなかった私に聴かれても、ちょっと困りますが、1971年のドル・ショックと同じくらい気になります。

SDR(特別引き出し権)というのは、IMFが加盟国に配分している仮想通貨らしく、今まで、ドル、ユーロ、ポンド、円だったのが、元が追加されて5通貨になります。実際の換算比重では、元はドル、ユーロに次ぐ3番目で国際経済に大変な影響力を持つことになります。ちなみに、円は4番目。

しかし、驚いていてもしょうがないでしょう。既に、ドイツの大手自動車会社が日本の部品メーカーに対して「元決済」で要求するようになったらしいのです。これは、中国市場で莫大な利益を得たこのメーカーが、ユーロなどに換算して為替差損を受けるより、そのまま元で支払った方が得だと考えたからのようです。

今年末に経済統合する東南アジア諸国連合(ASEAN)では、もう何年も前から、元決済が行われており、領土、領海問題を抱えても、先のマレーシアの会議で中国を批判するような共同声明を発表できなかったのは、中国経済に頼り切っているからでしょう。

インドネシアが、「新幹線」を日本製より中国製を採用したのがその一番の例です。そもそも、新幹線の技術は、日本から中国に伝えられ、「外国に新幹線の技術を売ってはいけない」という契約条項があったのに、中国は違反した、という噂を聞いたことがありますが、やはり、噂に過ぎないのでしょうか?

米国のパワーが停滞し、2030年には中国が米国を抜いて世界一の経済大国になるという予想もありますね。

昨年、私も中国に旅行に行き、「新幹線」に乗り、そのスピードに圧倒されました。大連では14車線もある大道路を見て、「アメリカより凄い」と思ったものです。走っている車は、大半がドイツ車でした。

でも、中国経済の失速で、元が暴落するという噂もあり、主要通貨になったといっても、素人が元建て預金などに手を出すと危ないかもしれませんよ。

以上、単なる経済音痴の戯言ですから、お気になさらないように…。