核実験と阿漕な商売

 UFO発見(建物頭上の白い円盤のような物体)!

 北朝鮮が、とうとう「水爆実験成功」との「特別重大報道」をしました。水爆は、原爆と比べて数十倍から数千倍。しかも小型化でミサイルに搭載しやすいと聞きます。

 水爆は、「核分裂」でつくった原爆を爆発させたエネルギーで、重水素や三重水素などを「核融合」させて爆発させるらしく、その破壊規模は甚大過ぎて、「人類滅亡」の危機になりかねないでしょう。今回は「水爆ではないのではないか」という各国の飛来放射線の分析がありますが、4度目の核実験を実施したのは事実のようです。

 今回の実験は、友好国であり、援助国であり、後ろ盾になっている中国にさえ、事前通告しなかったようで、中国の報道官も怒りを顕わにしていましたね。

 「拉致者」を人質にとられている日本は、聊かやりにくい面が多々ありますが、やはり、断固たる制裁措置を国際社会と協力して、取り組むしかないでしょう。

 何か、評論家気取りのような言辞ばかり、並べていますが、あの独特の刈上げヘアをした王朝三代目の若き第一書記が、年明け早々、何を目論んでいるのか不気味だ、というのが正直な感想です。

 ◇阿漕な商売

 ところで、私の嫌いなソフトバンクが月額5000円を切るスマホの新プランを発表しました。「凄い」と思って、記事をよくよく読んだところ、データ通信量がわずか、1GBだとは!

 あのですね。私の経験から言いますとね。自分のスマホの契約3GBでしたが、最近は18日ぐらいで、3GBをすぐオーバーしてしまいました。モバイルWiFiも使っていますが、「OCNモバイルOne」と最初は3GBで契約したら足りなくて、5GBプランに変更し、それでも足りず、今では10GBに大幅にアップしました。(毎月変更できるのです。余った分は翌月に回せます)

 つまり何を言いたいのかと言いますと、月1GBでは使い物にならないのです。余程、利用しない人は別ですが、せめて、3GBか5GBは欲しいところです。勿論、ソフトバンクは、データ通信の追加コースも設定しています。すると、元の木阿弥で、追加料金を払えば、以前と変わらないんじゃないでしょうか。

 「月額4900円」という数字のマジックに騙されてはいけません。やはり、阿漕な商売をするものですねえ。

「味好堂」の瓦煎餅

Monouquenochara

うまいめんこい村の白羽へこ作村長です。

先日、渓流斎が、中山神社で厄払いを敢行した話をしたことを、賢明なる読者諸兄諸姉の皆々様方は、覚えていらっしゃることでしょう。

その帰りに、豪華なお土産、ではありませんね。何と言ったら宜しいのか分かりませんが、御神札や破魔矢などが入った「お返し」を頂いたことを書きました。この中には、焼き菓子なるものが入っていたことも併せて書きました。

この焼き菓子が、瓦煎餅で、見るからに、硬そうで、不味そう。2~3日放ったらかしておいて、昨日嫌々挑戦してみたら、これは驚き!美味いの何のって、見かけほど硬くなく、腰を抜かすほどの美味さでした!嘘じゃありません。

鎌倉の有名な鳩サブレーよりも美味しいぐらい。いや、はっきり書きましょう。鳩サブレーよりも美味い❗️

もっと食べたくて、注文しようかと思ったら、ネット販売は、何処もやっていないようですね。直接、買いに行くしかないようです。画像を見ると、小さな店で、細々と家内制手工業でやっている感じです。

埼玉県の春日部市にありますから、遠いし、交通費も掛かります。それでも、渓流斎、じゃなかった、うまいめんこい村の白羽村長を信じて試してみようかという方は、是非、春日部市に行ってみて下さい。決して後悔しないと思いますよ。

春日部市は、確か、「クレヨン信ちゃん」で、有名になった街でしたね。

お店の名前は「味好堂」です。ちなみに、私は、宣伝費は一切もらっていませんからねー(笑)

あまりにも美味しかったので、写真は、空袋しか残っていません。悪しからず(苦笑)。

人を見たら詐欺師と思え?

 何か?

年末年始、あまりというか、ほとんどテレビは見なかったのですが、たまたま見ていた画面に釘付けになってしまいました。

途中から見たので、何放送か、タイトルも分かりませんが、(後で調べたら、テレ朝系の「しくじり先生」でした)、往年の人気歌手・女優の辺見マリさんが、泣きながら、自分の非常に過酷な体験を告白していたのです。

辺見マリは、私の世代は、絶好調の美人歌手として超有名でしたが、今の若い人は分からないかもしれません。辺見えみりのお母さん、と言えば分かるかもしれません。お父さんは離婚しましたが、歌手俳優の西郷輝彦です。…蛇足でしたか(笑)。

その辺見マリさんが、自称「拝み屋」なる40代の女性に騙されて、1988年から13年間も「洗脳」されて、5億円も貢いでしまったという壮絶な話でした。実は、これは、昨年2015年9月14日に放送されたもので、「しくじり先生」の年間最優秀賞に選ばれたので、それを再放送していたらしいです。

ですから、既に観た方は、よく知っている話で、「今さら何だ」ということになりますが、あまりにも壮絶すぎて、2~3日、私はこの事件のことばかり考えていましたので、このブログにも書くことにしました。

何しろ、5億円ですよ。家族の弱みにつけこんで、「ああしなければ、親が認知症になる」とか、「200万円持って来なければ、子供がぐれる」とか何とか、言いくるめて、「犯人」は、ほとんどの金を、マカオ辺りでギャンブルで使い果たしたようです。

辺見マリはスターでしたから、資産はあったでしょう。それでも、お金が足りませんから、友人知人に借りたり、自宅を売却して賃貸にしたり、ついには、15歳でタレントになった娘のえみりのギャラにまで手を出してしまったそうです。ヌード写真集を出したのも、この拝み屋に貢ぐためだったと聞いて、驚いてしまいましたね。彼女は最初、食事を多く摂らされて、太らせられ、その後、「仕事しろ」と言われて、ダイエットし、成功します。

そして、今度は「ダイエット教室」を開きますが、入会金が1人100万円と高額。それなのに、辺見マリを信じて多くの人が参加してくれました。ところが、その拝み屋が、入会金2000万円を持ち逃げしてしまったのです。

この時初めて、辺見マリさんは「洗脳」が溶けます。これまで、借金にしろ、自分で工面したお金を貢いできたのですが、今回は他人様から預かったお金を持って行かれたので、やっと目が覚めたそうです。

華やかな世界で、順風満帆にいってそうにみえても、地獄の苦しみを味わっていたのですね。本当にかわいそうになりました。

この話が世間に公にされて、半年経つのに、「犯人」が捕まったとか、賠償されたとか、という話は聞かないので、そのまんまなのかもしれません。

騙された世間知らずの芸能人の話といえば、それまでですが、あまりにも金額が多すぎて、騙す方の計略の緻密さには実に恐怖さえ感じてしまいました。

厄払い初体験記

Kyafutaeaux

今年は、年男、申年です。48歳、いやマチガイ。36歳、もちょっと…。この辺でやめておきます。

ということで、「厄払い」のために中山神社まで行って参りました。「初穂料5000円から」でしたが、私は二つの願い事をしましたので、1万円収めました。

そしたら、帰りに、厄払いの御神札をはじめ、破魔矢、焼き菓子、お神酒、カレンダーなどまで「豪華セット」を持たせてもらいました(笑)。

神道にあまり詳しくないので、うまくお伝えできないのですが、厄払いは、あの紙のヒラヒラした払い棒のほかに、鈴でもお祓いするんですね。もちろん、初めての体験ですから、全く知りませんでしたが…。

とにかく、宮司さんには届け出た住所と私の名前まで呼んで、祈祷してくださり、終わった後、何かすっきりした感じがしました。

前回の厄年では、厄払いをしなかったせいか、生まれて初めて「ギックリ腰」になって、歩けなくなり、会社を休んだほどでしたから、今回は必ず受けてみようと思っていました。

勿論、「迷信」と小馬鹿にして、大笑いする人も多いことでしょうが、個人的には、安寧が得られるので、他人様からどう言われようと、満足しております。星の王子さまではありませんが、「大切なものは目に見えない」ものですから、信心する気持ちが大切だと思っています。

細腕繁盛記、実は格闘記

rue de l’oise par AN

今日から、お仕事の方も多くいらっしゃると思います。

今年は、カレンダーの関係で、休みが少ないのが残念ですね。

小生は、ここ2~3日、例のiPhoneと格闘しておりました。いや、現在進行形です。長年使っていたAndroidのスマホとは、かなり微妙に操作が違うので、まさに悪戦苦闘です。

いわゆるバッタ屋(失礼!)で「一括0円」で手に入れたために、初期設定から何もかも自分でやらなければなりません。

私は、iPhoneは、初めてですが、iPodは使っており、マニュアルが充実していないAppleの「不親切さ」には慣れているので、それほど驚きはしませんでしたが、やはり、うまくいかず、かなりの労力と時間を潰してしまいました。

「電話帳」の移行など、早ければ、5分~10分で簡単にできてしまうのですが、バックアップと復元の途中で、何度も「エラー」表示などが出てきて、何度も何度も、また、アプリをアンインストールして、やり直し。それらを5、6回やると、軽く5~6時間掛かってしまいました。

しかも、画像だと、バイト数が多くて、移行復元ができず、かなり断捨離して、枚数を絞って、やっと実現に成功しました。

こうやって、別々にこまめに仕分けて、移行復元していると、軽く2~3日、時間が掛かってしまったのです。

嗚呼、もったいない。

国際情勢を見てみると、サウジアラビアがイランとの国交を断絶したそうで、同じイスラム教徒(スンニー派とシーア派)が、争っています。

2016年も何かありそうで、嫌な予感がします。

辺野古事業、防衛省の天下り先が8割も受注とは

Vietnam

今朝1月3日付の朝日新聞朝刊のスクープ記事だと思いますが、「辺野古事業 天下り先が8割」の見出しで、移設事業の8割が、防衛省や自衛隊の「天下り」先業者が加わる共同事業体(JV)が受注を勝ち取っていたというのです。

「辺野古事業、防衛省の天下り先が8割受注 730億円分」 ←詳細

それによると、埋め立て用のコンクリート新設工事を受注した「五洋建設」、「清水建設」、「みらい建設工業」のJVに、航空自衛隊幹部学校副校長様らが天下り。陸上警備の「綜合警備保障」には、警務隊長様らが天下り。水域生物等調査の「いであ」には、南関東防衛局部長様らが天下り。

これに対して、防衛省の公式コメントがふるっています。

「建設工事の契約手続きについては、、関係規則にのっとり適正に行われているものと認識しており、防衛省職員の再就職と普天間飛行場代替施設建設事業にかかる入札の落札率との間に因果関係があるとは考えていない」

そうですか…。誰も声を上げなければ、渓流斎が言いましょう。

「因果関係はあるんでなえかえ!?」

官僚と芸能の狭間で

Achodatee

 お正月の楽しみの一つは、年賀状です。友人に高齢者が多くなり、「安否確認」を兼ねてくれます(笑)。

 今年はまだ2日ですが、最も印象に残る年賀状の文面は、ジャーナリストのAさんからです。

 彼は、几帳面な性格で、裏も表も全部手書きです!印刷は、今年の干支の申の判子だけです。一体、何人の方にお出しになったか知りませんが、一人一人に気持ちを込めて、手で書くなんてかなりの重労働です。(そういう私も結構手書きですが=笑)

 私宛には、こう書かれていました。

 …総務省の事務次官になったX氏を中心にした「官・放送・電波・芸能」の構造分析を誰もやろうとしません。X氏の息子は勿論、アイドルグループのメンバーです。「かんぽ生命」-「アフラック」-「X事務次官のアイドル息子のCM出演」も、何かありそうです。この「華麗なる一族」のような構造組織は、メディアの連中は、知っていても誰も書こうとはしません。おかしいと思いませんか?…

 うーん、確かに、確かに…。頭をハンマーでガーンと殴られたようなインパクトがありました。

 要するに、ちょっと、例が悪いですが(笑)、賭博場で、ある客が、覇権争いで「胴元」に昇格し、客のサクラに自分の息子をはべらしているようなものかもしれません。

 言うまでもなく、総務事務次官は、放送・電波行政のトップですから、何でも…あ、これ以上書くのはやめておきましょう。皆様の方がよくご存知でしょうから、コメントで補ってください。

 (注=実際のA氏の文面は固有名詞で書かれていましたが、検索で楽々と引掛からないように、勝手ながら、文体を曖昧にしました)

転向宣言

EastKouroume
2016年、明けましておめでとう御座います。

本年も御愛顧の程、宜しくお願い申し上げまする。

お正月も、何の徳(得?=笑)にもならないのに、ブログ書きとは、渓流斎も大した魂消た!

ところで、昨日は、大晦日だというのに、飛び込みで、ショップに突入して、あれよあれよと言う間に、iPhoneを購入してしまったのです。

はい、アンドロイドからの転向宣言です(笑)。人生(長い・短い)ですから、一生に一度ぐらいiPhoneを使ってみたかったのです。

このブログで、散々悪口を書いたソフトバンクでも、docomoでもありません。残るauです。

しかも、一括0円です。つまり、タダ!これなら、docomoに、途中解約の違約金を払ってもお釣りがきます。

何でタダなのか?それは、型落ちだからです。今の最新機種の一代前の世代のiPhone6です。でも、64GBもあります。これは、つい半年前は、8万円から9万円もしたのです。それがタダ(しつこいですねえ)。しかも、最新機種のiPhone6sとそれほど機能的にハンディはない!

私も、清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入しましたよ。今春には、この「一括0円」制度が廃止されるのではないかという憶測が広まったことも、この覚悟の背景にありました。

ということで、私が今まで使っていたdocomoのメールは、今月いっぱいで使えなくなります。既に、例の接頭辞に@ezweb.ne.jpとなります。

gmailは、そのまま使えます。LINEは、電話番号が変わります。
携帯電話番号は、NMPを利用したので、変わりません!

以上、宜しくお願い申し上げます。

良い初夢を!

良いお年を!格安スマホのことなど

When I was fab.

今日は、大晦日。2015年も今日で終わりです。1年間、というべきでしょうが、小生、諸般の事情で、まるまる半年間を潰してしまいましたので、皆様におかれましては、数カ月間のご愛読有難う御座いました。

くどいようですが、300万件のアクセスを目指していたブログ「渓流斎日乗」は、本人の手違いで雲散霧消してしまいました。新しい、サイトに引っ越したのですが、まだ、このサイトに辿りつけない旧愛読者の皆さんもいらしゃるかもしれません。ま、そのうち、気がついて、再び、アクセスしてくださることでしょう。

何と言っても、こちらが気軽(?)に書いていることでも、真剣に読んでくださり、専門知識を駆使して、渓流斎ブログ以上に立派なコメントを寄せて下さる皆様には特に感謝申し上げます。どなた様か分かりませんが、コメントは、しっかり、読んでおりますよ。

さて、今年、何が一番怒りに駆られたのは何かと、申しますと、WiFiの解約とスマホの料金の高さでした。これは、以前にも何回か書きましたので、ウンザリしている方は、この先はお読みにならないで結構です(笑)。

深い事情や背景については、このブログでは書けませんが、この4月に、初めてモバイルのWiFiの契約をソフトバンク系の「Y!モバイル」としたのですが、丸々、3カ月間は、全く使っていないのに、毎月4319円取られる。そして、精確な判断力もないまま、解約したところ、解約手数料とルーター代を含めて、4万6075円も請求されたのです。

「Y!モバイル」データ通信契約は解約したので、そのまま、同じルーターを使って、SIMカードだけ換えて使おうとしたら、「そういう契約はできません。また、最初からルーターの購入契約もしてください」と、ピシャリと拒否。仕方ないので、友人のアドバイスで、新しいWiFiルーターをアマゾンで検索したところ、SIM付きのNECのルーターが、わずか1万9872円で買えたのすよ!しかも、4万6075円も取られた「Y!モバイル」のルーターよりも性能がいい。
データ通信は、OCNと契約して、5GBでも月間わずか、1566円です。(しかも、毎月コースを変更できます。最低税抜き900円ですよ。)「Y!モバイル」だと、月4GBで4319円ですからね。これで、随分阿漕な商売をするソフトバンクの正体が分かり、孫正義社長も大嫌いになりましたね(苦笑)。

「宣伝に踊らされて、ソフトバンクと契約したお前が悪い」と言われれば、それまでですから、これに懲りて「知的武装」することにして、色んな雑誌を買って、勉強することにしました。

来春、やっと「2年縛り」が切れるので、スマホを買い替えるつもりですが、「実質0円」と「一括0円」の意味が全く違うことも初めて知りました。

SIMフリーの格安スマホと契約すると、キャリー会社の半額の月額で3000~5000円で済みそうですが、何処も通話代が1分間40円と異様に高い。通話が嵩めば、月1万円を超えてしまうかもしれない。しかも、格安スマホは保証の面で不安なところがあります。

私は、今のスマホの機種は、ソニーのエクスペリアを使っていて、まだ2年も経ちませんが、最近、電池の消耗が激しく、すぐなくなってしまいます。専門誌をみてみると、バッテリーの節約方法が載っていて役立ちました。

あと、充電は100%満タンにしてはいけないそうですよ。80%程度でいいそうです。夜寝る前に充電して朝まで充電し続けたりするのは、「充電し過ぎ」で長持ちしないそうです。また、電池はゼロまで使い切らず、せめて20%か、「充電警告」が出てからにした方がいいそうです。

ソフトバンクの悪口を書きましたが、ドコモも酷いですね。あるドコモショップで、「音声専用にガラケー、データ通信にスマホの2台契約すれば、毎月2000円は、安くなります」というので、2台契約しましたが、料金は殆ど変わらない。7月なんかは、1万円を軽く超えてしまいました。しかも、2台だとやはり不便。この話を、他のドコモショップでしたところ、「2台にしても、あまり(料金)は、変わりませんよ。誰がそんなこと言ったんですか?」と、言うじゃありませんか!

あ、この話、前に一度書きましたね。余程、頭にきたんでしょうね(笑)。

ま、不平不満を言わせてもらいましたので、少しすっきりしました。

皆さんも良いお年をお迎えください。

「完全なるチェックメイト」★★★★

 When I was fine.

今年最後の、そして日本アカデミー賞協会会員としては最期の映画を観てきました。

何にしようか、迷いましたが、1972年にチェスの世界チャンピオンになったボビー・フィッシャーの実話を描いた「完全なるチェックメイト」(東京・日比谷シャンテGK)を観ることにしました。

私自身、チェスはやったことがないので、ルールも知らないのですが、そんな細かいルールを知らなくても十分に楽しめる映画でした。チェスって、サイコ・ゲームなんですね。サイコロ・ゲームでも最高ゲームでもありませんよ(笑)。psycho(精神病質的な)ゲームです。

原題は、「Pawn sacrifice」。意味が分からないので調べてみたら、両方ともチェス用語で、Pawnは、将棋の「歩」に当たる駒、 sacrifice は、「捨て駒」のこと。私の知っている範囲の単語力で、「担保の犠牲」かと思ったら、全然違いました(苦笑)。でも、「ポーン・サクリファイス」じゃ邦題にはなりませんよね。チェックメイトならチェスの話だと分かります。

ボビー・フィッシャーを演じたのは、スパイダーマンのトビー・マグワイア。彼は、あまりにも、スパイダーマンのイメージが強すぎて期待していなかったのですが、実は、プロデュ-サーも兼ねて、脚本からキャスティングまで関わったそうなので、この映画に賭ける意気込みもスクリーンに出ていました。

米ソの東西冷戦の最中の1972年のチェスの世界選手権(アイスランドのレイキャビク)で、ソ連の王者のボリス・スパスキーを米国人のボビーが破って世界チャンピオンになる話ですが、結果が分かっていても、手に汗を握るほど、ヒヤヒヤします。ソ連のブレジネフ書記長や米国のニクソン大統領、キッシンジャー国務長官が、直々に電話をかけてくるなど、まるで、国家の威信を賭けた冷戦の「代理戦争」みたいでした。

世界トップのチェス・プレイヤーともなると、芸術家の域に達するのか、我儘で、癇癪持ちで、傲慢で、気分屋。気に入らないと試合を放棄したり、閉じこもったりします。まさしく、天才(ボビーはIQ187もあったらしい)ゆえの、奇人、変人です。

ボビー・フィッシャー(1943~2008)は伝説の人物ですから、1970年代当時から太平洋を渡った島国でも広く知れ渡っていました。一時、日本(東京・鎌田)に住んでいて、国外退去になった話題も私は、ニュースで知っていました。彼は、奇しくも、世界選手権の行われたアイスランドが亡命を受け入れて、レイキャビクで64歳で亡くなります。

彼が、日本に、しかも、渓流斎が生まれた蒲田に住んでいたとは!そのせいか、奇人とはいえ、随分、身近に親しみを持って見ることができました。