ルネ・クレマン監督の「禁じられた遊び」を見ています。1952年作品なので、もちろんロードショー公開は見ていませんが、テレビや名画座で何度も見ているのですが、こんな作品だとは思いませんでした。すっかり忘れていました。老人力がついたせいでしょうか。
以前は少女ポーレット(ブリジッド・フォッセー)と少年ミシェル(ジョルジュ・プージュリー)の物語だと思っていたのですが、親同士が仲の悪いロミオとジュリエットばりの恋愛物語であり、フランスの片田舎の古き家父長制の物語であり、何よりも反戦映画であり、教会制の批判だったりしていたことが今日見て今更思ったのです。
子供たちの禁じられた遊びとは、十字架集めであり、その十字架は、ポーレットの身代わりになって死んだ子犬のためでした。十字架の重さを知らない異教徒の子供が見てもさして内容が分からず、それほど感動しなかったのですが、今の年になって見ると、十字架を盗んだ子供を殴る親の気持ちが分かってしまうのです。
これは、すべてに当てはまるかもしれません。若い頃は「理由なき反抗」を見ても、ジェームス・ディーンに思い入れたっぷりで、親の苦労などさっぱり分かろうとしませんでした。
しかし、今では親の気持ちの方がよくわかります。
人間って勝手なものなのでしょう。