敗者でも被害者でもなく

昭和新山

アメリカのベーカー元国務長官らが率いる超党派組織「イラク研究グループ」が、ブッシュ大統領に対して、イラク政策見直しの報告書を提出しました。それによると、駐留米軍の戦闘部隊を2008年3月までに段階的にイラクから撤退させることを求めています。

遠回しな言い方ですが、米軍のイラク敗戦ということでしょうか。イラク戦争では、11月末の時点で、米軍は第2次世界大戦で戦った3年8ヶ月を越え、死者も2900人を超えています。一説では、アフガン、イラク戦争で、身体的に精神的に負傷、障害を蒙った米兵は15万人以上と言われています。

米国の独立戦争が6年9ヶ月、南北戦争が4年、ヴェトナム戦争が8年5ヶ月続いたそうです。3年9ヶ月はこれに迫る期間の長さです。

第2次大戦の米軍の死者は約40万人、ヴェトナム戦争では約5万6千人、朝鮮戦争では約3万3千人と言われています。

アメリカの威信が失墜しています。中間選挙に敗れたブッシュ大統領は、最近、見るも無残なほど元気がありません。アメリカの傘の中にいる小さな島国が、この先どうなってしまうのか心配です。

ただ言えるの、もう軍事力だけで、他国を支配できる時代は終わったということです。

最近、この小さな島国に住んでいると、世間では「勝った、負けた」「やった、やられた」「いじめた、いじめられた」の二元論のみで思考と行動パターンが施行されているような気がします。

先日、ある人からメールをもらいました。

「あなたは、敗者でも被害者でもない。自分の心に聞いて、良心に恥じない行動をしてください」

この言葉には、ひどく感銘しましたね。

私への個人的な諫言でしたが、世界の指導者にも聞いてほしいくらいです。