函館
防衛庁が、いよいよ防衛省に「昇格」されるようですね。靖国問題では、あれほどピリピリしていた「戦勝国」中国が、黙認するようですから、何ら問題なく、国際社会でも承認されることでしょう。
でも、何か、きな臭い感じがします。教育基本法も改正して、お国のために忠誠を尽くす若者たちを沢山育てあげることになるでしょうから、遅かれ早かれ、自衛隊は自衛軍となり、志願制から徴兵制になることも絵空事ではなく現実として充分考えられます。
太平洋戦争であれだけ近隣諸国に迷惑をかけ、自国でも甚大な被害を蒙ったというのに、人間、喉下過ぎれば、熱さを忘れてしまうものです。実際の戦争体験者も高齢となり、亡くなりつつあります。
もう15年も昔の話ですが、当時、自費出版ブームで、自費出版社の編集者に話を聞きに行ったことがあります。当時、激戦の真っ只中で闘って、生き残った軍隊体験者は60歳代後半から70歳代でしたので、余力を振り絞って、自分の悲惨な戦争体験を自費出版の形にして残す人が多かったようです。その時、話を聞きに行った編集者、名前は忘れましたが、50歳代の男性でしたが、その方から信じられない言葉が発せられました。
「他人が戦争で亡くなろうが、どこで亡くなろうが関係ないから、こんな戦争体験記なんて誰も読まないでしょう。だから自費出版になるのです」
私は、唖然として言葉が出ませんでした。しかし、15年経ってもこうして彼が言ったことは、耳元に残っています。15年前ですらこういう状況でしたから、現代の状況は想像に難くありません。