ドイツ国際平和村

 テロ特措法の延長問題で、国会が俄然、緊張度を増してきました。ぬるま湯に浸かってきた日本人ですから、いいことだと思います。国民が選んだ国会議員で、密室ではなく、国会という公の場で、正々堂々と論争してほしいものです。

 

問題は、インド洋で、海上自衛隊が燃料をただでアメリカやパキスタンなどの外国艦船に補給するかどうかという点です。安倍さんなどは「国際公約」とまでのたまっておられ、今後「国会承認なし」でも延長できる新法を提出する考えのようですが、これは、明らかにシビリアンコントロールに反することです。私は断固として反対です。

 

民主党はこの燃料補給について、「アフガニスタンの戦争という名目なのに、アメリカ艦船は、イラク作戦にも借り出されている疑いがある」と指摘し、国政調査権を発動して、その実態を調べるとまで言っています。

 

いずれにせよ、平和な日本に住んでいると、現在、イラクにしろ、アフガニスタンにしろ、実際に戦争が行われ、いつも、無辜の市民が殺害されている事実を忘れがちだということです。日本では、その実態がほとんど報道されないからです。

 

ベトナム戦争の頃は、地雷を踏んで、首から下がバラバラになったベトコンと思われる若い兵士の死体を手で持ち上げる米軍の兵士の写真が公開されたり、戦争の残虐さが日本人の一般市民にも目が触れる機会があったのですが、現在は、ハイテク戦争のせいなのか、個人情報保護法の見地なのか、分かりませんが、あまり見られません。

 

そういった中、今朝、NHKのラジオを聴いていたら、「ドイツ国際平和村」でボランティアとして活動するアキヤマさんという女性が出演していました。私は全く知りませんでしたが、この団体はドイツ市民によって1967年に設立されたもので、戦争などで、傷ついた子供たちを治療したり、紛争地帯に行って医療活動をする団体です。

 

アキヤマさんは、ボランティアとして渡独したのは2002年1月から5月までで、丁度、「9・11」後の「犯人探し」のためのアフガン戦争が勃発した頃でした。平和村には、次々と負傷者がかつぎこまれ、アキヤマさんは、ヌルム・マハド君という当時、7歳か8歳のアフガニスタンの男の子のことが忘れられないと話していました。

 

その子は、不発弾を触ってしまったのか、右は肩から根こそぎ無くなり、左も腕から下を失い、両目は失明。平和村に担ぎ込まれた時は、ある程度の治療は済み、リハビリの状態でしたが、3日間、ずっと泣きっぱなしだったといいます。アキヤマさんは、なす術も知らず、呆然とするだけでしたが、4日目にやっと、黙って抱きしめてあげたら、やっと、話をしてくれるようになったと言います。

 

アキヤマさんは、涙をこらえて、そんなエピソードを話してくれました。

 

国会議員の皆さんにも聞いてほしかったです。

 

なお、ドイツ国際平和村のホームページもありますので、ご興味のある方はご覧ください。