安倍さんの辞め方について…

 鹿さんシリーズの始まり

安倍首相が突如辞任しましたね。世界中の何百万というブログがこの話題に触れるでしょう。私は天邪鬼ですから、あまり取り上げたくなかったのですが、安倍さんの辞め方があまりにも不自然というか異様なので、思わずキイボードの前に座ってしまいました。

第一は、その時機です。所信表明をして、いざこれから代表質問に入るぞ、という直前の辞め方です。前代未聞というか、こんな「敵前逃亡」みたいな首相は日本の憲政史上いなかったのではないでしょうか。参院選敗北の時に辞めていれば、再起のチャンスはあったでしょうが、安倍さんの政治生命は終わったも同然です。本人も、もう総裁選に立候補しないだろうし、誰も選ばないでしょう。

第二は、その辞任の理由です。「テロとの戦いを中断することがあってはならない。中断しないために一身を投げ打つ覚悟で、全力で努力するべきだと考えてきた」と言うのですから、当然、このあとに、「だから、職をまっとうするつもりだ」という言葉が続くのが、日本語の文法として正しい。それなのに、安倍さんは「私が辞することで局面を転換した方がいいと判断した」と突拍子もない論理を展開してしまうのです。

第三に、果たして、今の日本国民の圧倒的大多数が、年金問題や老後の不安や生活の安定以上にテロとの戦いに関心を持っているかどうか、ということです。先の選挙で「国民の生活重視」を掲げた民主党が大勝したぐらいですから、安倍さんは、やっぱり、ブッシュさんに何か言われたのではないか、と勘ぐりたくなります。

国民と国益を守るべき一国の総理大臣が唐変木なわけがありません。よっぽど、脅迫めいたことを言われたに違いないと私はにらんでいます。