長期金利が史上初のマイナス!?

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長期金利全体の指標(ベンチマーク)となる「新発10年物国債」の利回りが昨日、終値でマイナス0.025%まで大幅に下落して、深刻な状況です。

このトバッチリを受けて、急激な円高株安となり、一時、1ドル=114円台となり、1年3カ月ぶりの円高ドル安水準。日経平均も、前日よりも918円86銭(5.40%)も安い1万6085円まで下落してしまいました。

ここで、聞き捨てならないことは、銀行が今、せっせと価格が安い(金利が高い)国債を買い漁っていることです。日銀が有利な条件で国債を買い取ってくれることを見越しているからだそうです。

しかし、将来的には、これが日銀の損失となり、回りまわって、庶民の負担になるリスクもあるというのです。えーー!?ですよね。元々、日銀は、企業の設備投資拡大、消費向上、「預金から個人投資へ」を狙ってマイナス金利政策を導入するという「弁明」でした。これでは、真逆のマイナス効果です。

原油安、米国景気の先行き懸念、中国の低迷などグローバリズムの跋扈で、世界経済の影響の波を日本がモロに被ってしまっているのが今の状況です。

特に、原油安は深刻で、その背景には米国の「シェール革命」があることは皆さんご存知の通りです。このおかげで。米国が輸出できるほど石油が量産されたため、原油価格が下がったというのが通説ですが、何で、日本が開発したシェールガスばかり、失敗するのか不思議でした。

例えば、住友商事は2015年3月期に、シェールオイル開発に失敗して総額2400億円という巨額の損失を計上しています。日系企業に関しては、その他、三井物産や大阪ガスなどの損失例もあり、「何で日本ばかりが…」と納得がいかなかったものです。

しかし、これだけ長く原油安が続くと、足元にも火がつくのですね。米シェールガス大手のチュサピーク・エナジーが破産法の適用申請の準備を始めたと報道されて、NYのダウ工業株平均が一時、400ドル超も値を下げたそうです。

何か、ブーメラン現象のようです。シェールガス革命のお蔭で、景気が向上するかと思ったら、原油安と景気懸念のダブルパンチです。

日銀も、「よかれ」と思って放った「黒田バズーカ砲(マイナス金利政策)」は、地球を1周して、日銀の円形の建物に当たるような気がします。

もちろん、そのツケは、銀行や財務省が払うのではなく、庶民が払うことになるだろう、ということは前に書いた通りです。