フィンテックと世界の自動車界 second edition

長春・賭けマージャン?Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 新生活が始まって、なかなかブログを書く時間と言いますか、余裕がなくなってきました。仕事で一日中会社のパソコン画面を見ていると、家に帰ってまた見る気にはなりませんからね。

 個人的なことながら、昨年のほとんどは、黄泉の国を彷徨っていましたから、新聞もテレビもあまり見ることはありませんでした。

 昨年は、「敗戦70年」「安保法案」と戦後重要な節目となる企画やテーゼがたくさんあったのに、この世の人ではなかった私は、ほとんど接することができませんでした。ジョーンKです。自称近現代史研究家はもう失格で肩書は返上しなければならないと思っております(笑)。

 長春・賭けマージャン?Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur 

 扨て、新生活が始まって、色んな情報が入ってきて、しかもそれらを理解することができるようになると、恐らく、昨年辺りから出てきたと思われる、私にとっては耳慣れない、あまり意味が分からない言葉が、新聞などで多く見かけるようになりました。
 例えば、「SEALDs」とか、「トリプルスリー」とかいった新語です。

 最近よく出てくるのは、「IoT」とかいうIT用語です。Internet of Things の略語で、「モノのインターネット」という意味です。日経なんかは「あらゆるモノをインターネットでつなげる」と、前振りで説明してくれるので、意味が分かりますが、何処もかしこも「IoT」という言葉で溢れています。どうせ、米国からの受け折りなんでしょうけどね。
 
 IoTは、例えば、監視カメラとか家電などに接続して、ユビキタスに、つまり、いつでも何処にいても、手元のスマホなどで監視できたりする大変便利なツールですが、これもパソコンやスマホと同じで、絶えず新しいソフトやアプリを更新しなければならず、バグができたり、ウイルスに感染したりする危険があるそうです。

 そうです。便利には何かの犠牲と失うものがあるということなんですね。

 もう一つ、気になる新語は「フィンテック」です。フィンテックとは、金融(finance)と技術(technology)を組み合わせたまたまた米国発祥の造語らしいですが、今、「フィンテック革命」と言われるぐらい、お零れに与ろうと、様々な人間が蟻のように、壇蜜さんじゃなかった、蜜に群がっているそうです。

 私にはよく分かりませんが、どうやら、今はやりのAI(人工知能)を使って資産運用して、ぼろ儲けする目論みがその一つにあるらしく、機を見て敏な、目ざとい賢しい某出版社が、フィンテック関連雑誌を年間購読料48万円で発行すると、噂になっています。「年間48万円は高いかもしれませんが、フィンテックを使えば、それぐらいすぐ取り戻せますよ」とその雑誌の編集長さんは豪語するぐらいですから、フィンテックって、よほど凄いんでしょうね。

 長春街頭の野菜売り Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 まあ、世の中、金、金、なんでしょうか。

 もう皆さんは既にお忘れでしょうが、日産自動車のカルロス・ゴーン社長(62)の2014年度の役員報酬が10億3500万円だと昨年、大騒ぎしておりました。恐らく、一応日本の会社の経営者としては最高額ではないでしょうか。ゴーン氏は、まだ45歳だった1999年から親会社の仏ルノー(現在、ルノーは日産株の43.4%取得して事実上傘下に収めている)から派遣されて、最高執行責任者(COO)に就任しておりますから、その16年間の総額は庶民では想像もできませんね。

 ゴーン氏の現在の肩書は、ルノー会長兼CEOと日産の社長兼CEOを兼ねていますが、日本の同業他社と比べて、役員報酬があまりにも「破格」だったので、これだけ話題になっていたのでしょう。

 ちょっと古いですが、2013年度の比較がありました。

 日産ゴーン社長  役員報酬9億9500万円  純利益3890億円
 トヨタ豊田社長    報酬2億3000万円  純利益1兆8232億円
 ホンダ伊東社長    報酬1億5000万円  純利益5741億円

 つまり、日産は、トヨタやホンダほど純利益を挙げていないのに、同業他社の日本人社長よりも多くもらい過ぎではないかという批判があったわけです。

 これに対して、ゴーン社長の反論は「世界の自動車メーカーのCEOと比べれば遜色はなく、むしろ少ない方だ」というものです。そこで、同年の世界のメーカーのCEOの報酬を見てみますと…。

 ・伊フィアット・グループ(伊フィアット、伊アルファロメオ、伊フェラーリ、伊マセラッティ)CEO 報酬額31億2000万円 純利益2800億円
 ・米フォード・グループ(米フォード、英アストンマーティンなど)CEO 報酬額23億6000万円 純利益7510億円
 ・独フォルクスワーゲン・グループ(独フォルクスワーゲン、独アウディ、チェコ・ショコダ、独ポルシェ、伊ランボルギーニ、英ベントレー、仏ブガッティ=最高速度400キロで世界一速い車とギネス認定。車体価格は約2億円で、ビートたけし様御愛用)会長 報酬額21億3000万円 純利益1兆2960億円
 ・米GMのCEO 報酬額14億7000万円 純利益3960億円
 ・独ダイムラー(独メルセデス・ベンツ)会長 報酬額11億5000万円 純利益9400億円

 他に独BMWグループ(独BMW、英ロールスロイス、英ミニ)、仏PSA(仏プジョー、仏シトロエン)などがありますが、残念ながら、数字が分かりません。(ご存知の方教えてください)

 いやあ、ここまで書いてみて、他人の懐を詮索することが如何に空しいか、よく分かりました(苦笑)。ただ、世界の自動車のメーカーが、ここまで弱肉強食の論理でM&Aで再編されていたとは思いも寄りませんでした。