名古屋城にて
昨日は、 全米で、地方テレビ局を運営する保守系の放送大手シンクレアが、時と文言を一致させて、一斉に「フェイクニュース批判」のキャンペーンを繰り広げて、日本のメディアでも大々的に取り上げられました。この件については、トランプ大統領もツイッターで加勢したので、同大統領の差し金ではないかという疑惑も浮上してます。
このシンクレアって何なんでしょう? これは、どうやら米国で最も多くの地方局を傘下に持つ業界最大手の放送局らしいですね。昨年は、規制撤廃のおかげで、トリビューン・メディアを39億ドルで買収したとか。
私自身は、米国のテレビ事情はそう詳しくないのですが、以前は、1980年代頃は、ABC、NBC、CBSが「三大ネットワーク」と言って揺るぎない感じだったのですが、90年代辺りから24時間テレビのCNNが隆盛になり、最近では、保守系のFOXが四大ネットワークのトップを走っているんだとか。
FOXは、言わずと知れたあのメディア王ルパート・マードックが社主で、保守・共和党寄りです。
いずれにせよ、彼の国では、保守系メディア花盛りです。(日本も同じかも)テレビの影響力はとてもなく膨大でありますから、これで米国の気の良い大衆は「アメリカ・ファースト」と「保護主義」と「偉大なアメリカ」思想に染まるわけです。
名古屋城
シンクレアについては、まだ日本語では詳しい情報がないようですが、英語で書かれたネット情報がありました。創業者は、電気技師のジュリアン・シンクレア・スミス(1921~93)という人で、現在その息子のデビッド・デニストン・スミス氏(1950~)が会長(社主)を務めています。(1990~2017年は社長)この方、1970年代に米メリーランド州ボルティモアでポルノビデオ販売から仕事のキャリアを開始したようです。
1996年には、売春のおとり捜査で倒錯変態性行為のカドで逮捕され、当時は放送局の社長さんでしたから、シンクレア・ネットワークで薬物カウンセリングを扱ったドキュメンタリーを放送するという「社会奉仕活動」をせよとの有罪判決を受けたそうです。
英語版ウイイペディアには、シンクレアは、社主の政治思想に沿った番組を放送しなければならないとも書かれていますね。最近では放送業界の規制撤廃を求めてトランプ政権に擦り寄っていたと批判されているようです。
なるほどね。そういうことでしたか。
名古屋城
要するに、メディアと社主との関係は切っても切れない関係なんでしょうね。
だからでしょうか、トランプ大統領は先週、ダウ平均株価が一時750ドルも急落するほど、アマゾンに対して課税強化すると脅し、批判しました。
アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が、トランプ政権に批判的なワシントン・ポストの社主であることから、(ただし、買収は2013年)、米国では、その意趣返しではないかと巷間言われているそうです。
メディアとは所詮、善悪ではなくて、宣撫活動媒体ってことなんでしょうね。どっちが、錦の御旗を奪って、官軍になるか、反乱軍になるかの違いということなのでしょう。
民主主義社会の場合、「民意」が大いに反映されますから、政治家は、どうしもメディアを制そうとするのでしょうね。