友人讃歌

エゾリス(北海道音更町)

貯金も年金も全くなく、目下、無職で、明日はどうやって食べていこうかという余裕もないのに、なけなしのお金を貧しい人に渡してしまう友人がいます。

その一方で、父親の作った会社を継いで、年収が5000万円もあるというのに、寄付どころか、友人に奢ってあげようなどという殊勝(?)な気持ちもなく、年間1000円の会費も惜しんで、逃げ隠れてしまう友人もいます。

そのお金持ちの友人と3年ぶりに会ったのですが、彼と初めて会った高校生の時と比べて、その性格、人生に対する態度、他人に対する接し方などを含めて、全く変わっていないということに気が付きました。

世に「三つ子の魂百まで」と言われますが、その通りなのですね。

3歳といえば、大袈裟ですが、私自身も高校生の頃から、気持ちや趣味や人生観やらは、何ら、あまり、それほど、ほとんど、恐らく全く、変わっていないことを薄々感じています。(この文章の書き方は私の特許です)

例えば、中学、高校生の頃に聴いた音楽などは、骨身に染みていて、それらを聴くと本当に、芯から心が温まる感じがするのです。

例えば、アメリカの「ヴェンチュラ・ハイウエイー」、例えば、ブレッドの「イフ」、そして、ニッティー・グリティー・ダートバンド、ローラ・ニーロ、ロギンズ&メッシーナー、テンイヤーズアフター…まあ、知る人ぞ知る人たちで、恐らく、もうほとんどの人は知らないでしょうが。

年齢(とし)がばるれ話でした。

電車の中の光景

公開日時: 2006年11月26日 @ 19:59

ポータブルのテレビゲームに夢中になって、電車の中で、二人分の席に陣取っていた若者がいました。若者といっても、30歳くらいかもしれません。いわゆるアキバ系です。周囲のことにはまるで眼中にない様子で、ゲームに没頭していました。

昼過ぎの空いた電車の中で、化粧をしている若い女性がいました。この時間ですから、寝坊してしまって、学校か会社かバイト先に遅刻しそうなので、仕方なく、化粧しているとは思えませんでした。彼氏とデートする直前なのかもしれません。

でも、分かりました。要するに見せびらかしたかっただけなのでしょう。

夕方の電車の中で、少し、混んできたというのに、折りたたみ式のベビーカーをそのまま車内に放置して涼しい顔をしているいわゆるヤンキーママがいました。

子供を土足の靴のまま、座席に立たせているママもいました。

そういえば、少し前ですが、コンビニで買ったらしい、スパゲティーを両腕を広げて、大口をあけて、食べていた30代後半くらいの女性もいました。隠れてコソコソ、おにぎりかサンドイッチを食べている女性を見たことはありましたが、この女性の全く悪びれた所がない堂々とした所作は、本当に驚きました。今でも思い出すたびに、目が点になってしまいます。

 

またも石原都知事が…

ヴェニス

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061125-00000073-sph-soci

石原延啓(40)という「偉大な」芸術家を知っていますか?

石原慎太郎都知事(74)によると「余人をもって替えがたかった」そうです。

問題となっているのは、その延啓氏が慎太郎氏の四男であること。その息子のために、といわれても仕方がないような、若手芸術家の育成を目的とした現代芸術振興事業「トーキョーワンダーサイト(TWS)」を自ら発案し、2003年3月、延啓氏をTWSのアドバイザリー委員として渡欧させて、その旅費や宿泊費など、約55万円は公費から支出させたということです。

「公私混同ではないか」と批判されても仕方がないでしょう。

延啓氏が、本当に余人をもって替えがたい偉大な芸術家なら誰でも納得できるでしょうが…。

でも、誰も知らないでしょう?

慎太郎氏は、やっぱりおかしい。「裸の王様」になっています。誰か彼に教えてあげなければなりません。だから、3選を阻止するしかありません。

日刊ゲンダイにも興味深い記事が出てました。

東京都が「経営」するお茶の水にある美術ギャラリー「ワンダーサイト」のステンドクラスはこの延啓氏の「作品」だそうで、、都が300万円で購入したのです。このワンダーサイトというのも、何か怪しいギャラリーで都内に3館あり、年間経費が5億円。石原ファミリーと親しい建築家の今村有策氏が館長、その夫人の佳代子氏が副館長なんだそうです。延啓氏の「作品」を購入することを決めたのも、今村氏らしいのですが、都議会関係者は「石原知事は都民にも議会にもこの事実を隠している」とのこと。

慎太郎さん、あなたの息子さんが、それほど余人に替えがたいのだったら、正々堂々と事実を公表したらどうですか?

 

マイクロソフトの陰謀か?

ヴェニス

私物をほとんど持っていないT君に自分の古いパソコンをあげることにしました。

マイクロソフト98のVAIOです。もうほとんど使っていないので、何かと困っている彼に譲ることにしたのですが、結構大変でした。メールにはぎっしり私信が溜まっていたし、写真や画像もふんだんに残っていました。いちいち処分したり、大切なものはメールで添付送信するしかありませんでした。結構、時間がかかりました。

そういえば、マイクロソフトは今度、「ヴィスタ」とやらを華々しく発売するようですね。そして、「既成路線」通り、現在の主流の「XP」のバックアップも3年後には打ち切るそうですね。「98」はもう既に打ち切ったのでしょうか?

これは、MS社の陰謀ではないでしょうか?3年おきに新製品を買わせるための。

リナックスにしたいなあ、と思っているのですが、パソコンや機械音痴の私にはとても自信がありません。

今使っている「XP」にも、私信や画像がふんだんに詰まっています。人はいつか死んで「永遠」とか「永久保存」などというものは、言葉の綾で、ないものなのですが、今から戦々恐々としています。

と同時に「人生観」も変わりました。手紙がメールに変わっても、物を所有するということは、本当に大変なものです。

この世は、仮の姿と認識するしかないようです。

英語でもこんな諺があります。

You can’t take it with you.

直訳すれば、「あなたと一緒にそれを持っていくことができない」ですが、これだけで、

「死んだら何も持っていけないよ」という戒めの言葉だそうです。

北海道会

ヴェニス

4,5日前に関東地方でも急に寒くなったおかげで、油断していたら風邪気味になってしまいました。

北海道では、マイナス20度の極寒の冬を3回過したので、すっかり体が北海道仕様になったのに、関東地方での寒さにまだ体が慣れていないようです。

昨晩は、銀座コリドー街の「十勝屋」で「北海道会」。北海道を経験した中村さん(札幌)、西村さん(釧路)、杉本君(札幌)、前田君(札幌)、私の5人が集まりました。十勝屋は、帯広の北海道ホテルのシェフをそのまま連れてきたらしいので、味は満点。ほんのちょっと値段が張りますが、店内は満員でした。口コミで知ったのか、若い美しい女性が多いのには驚きました。

話の内容は忘れてしまいました。いいことです。覚えていないということは。ただ、2次会で杉本君が何か気に触らないことがあって、途中で退席してしまいました。

2次会でワインのボトルを2本も空けたせいか、すっかり泥酔してしまい、最終電車で寝過ごして、帰りは大変な目に遭ってしまいました。

 

困った問題ーカルト集団「顕正会」

ヴェニス

公開日時: 2006年11月22日 @ 16:05

友人のT君が、変な新興宗教集団に入信してしまいました。心の隙をつかれて、しつこい勧誘に根負けしていつのまにか洗脳されて、入信書にサインしてしまったようです。

そもそもT君は、塾の講師の職を求めて、面接に行っただけでした。それが、奴らの隠れ蓑だったのです。団体本部に連れて行かれ、まるで、暴力団事務所のようなところで、心理的圧迫を加えられて、入信させられたのです。塾という教育機関の背後に、如何わしいカルト集団があるなどと、誰が想像がつくでしょうか。

特に、T君は普段、テレビも新聞も見ない「世間知らず」の人間なのです。そのカルト集団が、度重なる恐喝まがいの勧誘と傷害事件や、多額のお金を寄付させて信者を自殺に追い込む事件などを起こして新聞沙汰になっていることを彼は知らなかったようです。

はっきり書きます。

その塾は、さいたま市大宮区にある「フェニックスアカデミー」です。

カルト集団は、その、さいたま市大宮区に本部を置く「顕正会」です。もちろん北海道などを除く全国津々浦々に「支部」があります。公称会員は100万人ですが、実態はその1割も満たないと言われています。

カルト集団と呼ぶのも「顕正会被害者の会」のホームページのアドレス

http://www.higaisyanokai.jp/

を見てください。higaisyanokai(被害者の会)で通用するのですよ。世の中に数多のカルト集団がある中、higaisyanokaiのアドレスだけで、通用するとは、その被害の多さと大きさが容易に想像できるのではないでしょうか。

彼らは、まず「あなたの幸せを願っています」とか何とか甘い言葉で近づいてきます。そのうち「敵が日本を攻めてくる」など、「入信しなければ、地獄に落ちる」など「あなたは破滅する」など、「前世の報いがある」など様々な手を使って、人の不安心理に追い込んでいきます。

信者に対する強制的な寄付と会合出席によって、職場をやめざるをえなかったり、家庭が崩壊したりする事例は、枚挙に暇がありません。

それにしても、学歴のある分別のある大の大人がコロリと騙されてしまうものなのですね。

T君はとても純粋な人なので、断りきれなかったのでしょう。

人の弱みに付け込む悪徳集団には、本当に憤りを感じています。私は断固として戦います。

新聞読者ネット会員になってしまいました

ミラノ・スカラ座

某新聞社の読者ネット会員に、とうとうなってしまいました。ネット会員は、新聞社の「囲い込み」に利用され、世論調査のダシに使われるので、あまり気が進まなかったのですが、「プレゼント」に応募したかったので、つい入ってしまいました。

我ながらセコイと思います。

でも、便利ですよね。本来ならプレゼントに応募しようとしたら、いちいち葉書を買ってきて、住所、氏名など色々と書いて、郵便ポストまで出しに行かなければならないのに、会員になれば、ネットを2,3回クリックすれば、応募は終了してしまいます。

最近、可分所得がめっきり減ってきたので、映画のチケットなど「一攫千金」(セコイ!)を狙って、応募してみようと思います。競争率が上がるから、皆さん、真似しないでください、とは言いません。どうぞ、真似してください。

私も当たったら、このブログで披露しますから、皆さんも当たったら、コメントしてください。どれくらいの確率で当たるのか知りたいのです。

松坂60億円とアメリカ社会

ミラノ

公開日時: 2006年11月20日 @ 09:51

旧聞に属しますが、西武ライオンズの松坂投手の米大リーグへの移籍金が60億円というニュースには大変驚かされました。交渉権を獲得したのは、ボストン・レッドソックス。この60億円は、どこから出てくるのでしょうかね。松坂のキャラクターグッズやユニフォームや、日本人観戦客など「ジャパンマネー」を期待しているようですが、それにしても、その財力には魂げてしまいました。

イチロー、城島が所属するシアトル・マリナーズのオーナーは日本の任天堂、セントルイス・カージナルスのオーナーは、バドワイザー・ビールなどで知られるアンホイザー・ブシュ、テキサス・レンジャーズのオーナーは、ブッシュ米大統領もかつて名を連ねたこともあるテキサスのオイル会社の共同体…であることは有名な話ですが、さて、レッドソックスは誰なのかなあ、と思ったら、ジョン・ヘンリーという投資家でした。この人は、一介の農民から身を起こして巨万の富を築き上げた人です。相場の大きな流れをじっと忍耐強く分析して投資する「トレンドフォロー」を実践した人としても知られています。

さて、今、私が言いたいのは、球の投げ打ち遊びのために、60億円もの巨万の資金を投入できるアメリカ社会は、現在、戦争中であるという事実です。日本では、とても考えられないことです。先の大戦中は、国家総動員法が導入され、資源のない日本では、お寺の鐘から個人のご先祖様のお宝まで、国に強制的に拠出させられました。

懐の深いアメリカでは、そんなことはないようです。戦争資金の捻出のために、教会の鐘を売ったなどという話はきいたことはありません。

それは、思うに、今のイラク戦争は、アメリカ国民にとっても他人事だからではないでしょうか。現在、イラク戦争に行っている若者の大半は、学歴のない貧困層か、大学に行く奨学金を得るために仕方なく軍隊に志願した貧困層であることが統計で明らかになっています。そして、その殆どが、アフリカ系やアジア系などの有色人種の若者です。フリードマンによる「格差社会」で生み出された若者たちです。

「金持ち喧嘩せず」で、大半のアメリカ人にとって戦争は、他人事の話なのでしょう。だから、戦争中だというのに、球遊びのために60億円もの大金を払うことが出来るのです。私はそう思います。

格差社会の現実

ミラノ

 

今日は、父親の1周忌でした。早いものであれから1年過ぎました。月並みですが、あっと言うまでした。

 

所沢聖地霊園で法事を執り行いました。出席者は、母と兄嫁夫婦と甥と姪、姉夫婦と姪、弟夫婦の10人。姉夫婦の甥と弟夫婦の二人の娘は欠席しました。

 

昨日の規制緩和の話の続きです。

 

規制緩和というと、戦後の官僚支配を打破する特効薬と錯覚され、一部の諮問委員の口当たりのいい言葉に惑わされて、バラ色の未来が到来すると多くの日本人は誤解してしまいました。丁度、10年前は旧大蔵省の破廉恥な不祥事が大々的にマスコミで取り上げられて、「こんな奴らに国を任せていては駄目になる」という風潮ができあがったのです。

 

しかし、この規制緩和によって生み出されたものは、過度のコスト競争による賃金・労働条件の悪化、コスト削減による安全性の低下、そして利益優先による公共性の喪失という問題でした。

 

 例えば、所得階層の上位20%と下位20%を比較すると、1970年代はその差は約10倍でした。それが、2002年はその貧富の差は168倍にも広がったのです。 

 

 また、日本の一世帯当たりの年間所得の中央値は476万円なのですが、その半分の238万円以下の所得で生活する貧困層が6・5世帯に1世帯もあるのです。

 

 タクシーの運転手の場合、年収の全国平均は、1992年に378万円でしたのが、2004年には276万円にまで大幅に下がったのです。

 

 最新の統計によりますと、極端なリストラが進んだこの10年で460万人の正社員が失われ、代わって663万人ものパートやアルバイトが増加しました。正社員の平均年収が454万円なので、派遣社員(平均年収204万円)ならその半分、パート(同111万円)ならその4分の1の賃金で労働力が確保できるため、非正社員化に拍車がかかったわけなのです

 

 恐ろしい「格差社会」、貧民と富者との極端な差別化が始まったのです。一度ドロップアウトすると、這い上がることはできません。

まさしく、弱肉強食のジャングルの世界です。

フリードマンの(功)罪

レオナル・ド・ダヴインチ像(ミラノ)

ノーベル経済学者のフリードマン氏が16日に亡くなりました。94歳。新聞各紙は、彼の業績を讃える文言ばかり並べています。

何しろ、彼は、今の「世の中」を作った神のような人だからです。

 

http://news.goo.ne.jp/topstories/world/20061117/910a81d95d53a4805185d679c394066b.html

 

シカゴ学派の重鎮、フリードマン氏は、ひと言で言うと、市場原理主義者です。「競争市場は常に公平だ」という確信の下、政府などの介入や規制を極力排除して、自由市場経済を提唱した人です。

 

「自由」や「規制撤廃」などというのは、一見、素晴らしい思想に見えます。しかし、内実は「努力しないものはドロップアウトしろ」「儲けられる時に儲けるのがジェントルマンだ」といった弱肉強食の極端なエリート主義だったのです。

 

彼の主張には「食品や医療品に対する安全規制は技術進歩を遅らせることによって社会に弊害をもたらす」

 

「最低賃金法が雇用を阻害する」といったものがあります。彼の思想の正体がこれでわかるでしょう。

 

実際、彼は1965年にポンドの空売りをしようと目論みましたが、シカゴ大学のメインバンクである「コンチネンタル・イリノイ銀行」から「銀行は投機という反社会的な行動、あるいはそういうプロジェクトに貸付をしない」といった理由で断られています。

 

先物による商品や通貨の取引を全面的に自由化して、逸早く情報を得た者だけがその利益に預かるというのが彼の思想だったのです。

 

その後、彼の弟子である「シカゴ学派」の若き経済学者を政策委員に採用したチリやアルゼンチンの国家経済がどんなに混沌とした「対外債務危機」の悪循環を踏んできたか、歴史をみれば明らかです。

 

フリードマン氏が後世に与えた影響は神のように絶大です。世界経済で最も影響力を持つFRB前議長のグリーンスパン氏も現議長のバーナンキ氏も彼の申し子です。

 

ですからフリードマン氏を勇気を持って批判した内橋克人氏の「悪夢のサイクル」(文藝春秋)を読んだ時は、本当に驚き、かつ感心したのでした。