8日のパキスタン北東部地震の被害状況がようやく伝わってきました。当初発表されたマグニチュード(M)7.6ではなくて、M7.7。死者も3万人を超えるという情報もあります。
長男輝(ひかる)ちゃん(2歳)とともに、邦人の被害者となった国際協力機構(JICA)派遣専門家の楢原覚(さとる)さん(36)は、10年前の阪神・淡路大震災(1995年1月17日、M7.3。死者約6400人)にも遭遇し、人生観が変わって、勤務先の神戸製鋼を辞めて、「国際貢献」の仕事に転職した人だったという話を読んで、思わず、もらい泣きしてしまいました。
昨年12月26日のインドネシア・スマトラ島沖地震はM9.0で、津波被害とあわせ、死者・行方不明者約30万人。最近、米国を襲ったハリケーン「カトリーナ」「リタ」の死者・行方不明者は約2000人。「天災は忘れた頃にやって来る」(寺田寅彦)どころか、天災は忘れた頃ではなくても、やってきます。
1923年の関東大震災からもう82年も経ち、誰もが「もうそろそろ」と感じているのに、皆「自分だけは死なないで、助かる」とでも思っているのかしら。大都会の消費者は、夜間も煌煌とライトを付けて、欲望を満たすために、エネルギーを無駄遣いしています。私なんか、そんな東京にはもう住みたくないなあ、と考えてしまいます。
こう災害が度重なると「地球が怒っている」と思わざるをえません。楢原さんの訃報に接して、「この世に神も仏もないのではないか」と疑ってしまいました。それとも、地球は怒っているのではなく、無知で傲慢な人間に対して、悲しんでいるのかもしれません。