如是我聞①怖れ

私は斯くの如く聞きました。

怖れとは、幻です。

怖れとは、勝手に自分で作っているものなのです。
「こうなったら、こうなる」「こうすれば、こうなる」と自分がこれまで捉われていた過去の体験を反映しているのです。
つまり、過去に執着しているだけなのです。
怖れとは、過去、もしくは未来に捉われている時のものであって、人は皆、今、茲に、生きていさえすれば、愛され、許され、導かれているのです。

今しかない、と言われれば、人は必ず幸せになれるのです。
つまり、怖れとは、まだ手放していない過去の体験にすぎないのです。
過去の体験の中で悲しかったことを感じきっていないから、また、怖れとしてやってくる。怖れを引き寄せてしまうのです。その繰り返しです。
それは、中途半端に、怖れや悲しみを「感じない」ことによって、自分を守り、壁を作ってきたのです。
しかし、もう、その繰り返しは止めた方がいいのです。

いつまでたっても、怖れは消えません。

だから、怖れは幻であると認識して、そこから逃げようとはしないで、怖れを感じきって、突き抜けるのです。そしたら、怖れは、雲のような幻だと気づいて、消えていきます。

人は、今を生き切れば、怖れている暇もないはずです。