私の立ち位置

 

再び、Cahier(覚書)…

 

●今、見たい映画。コーエン兄弟監督作品「ノーカントリー」(アカデミー賞作品賞、監督賞など主要4部門受賞)。若松孝二監督作品「実録・連合赤軍」(ベルリン国際映画祭・最優秀アジア映画賞)。李纓(りいん)監督「靖国 YASUKUNI」。

 

●最近、佐藤優氏の著作を続けざまに3冊も読んだ。「国家の謀略」(小学館)、「日米開戦の真実」(小学館)、「国家論」(NHKブックス)…。

「右翼・保守派」を公言する著者だけに、「国体護持」を骨格とした国家論は実に明解で、物の考え方に影響を与える力を持つ。私自身は、非常に新鮮に感じた。別に「左翼・革新派」を気取っているわけではない。自分の「立ち位置」が未だに政治的イデオロギーに反発を感じるせいかもしれない。私自身は、所詮、単なるディレッタントなのだろう。

本の要約をここでまとめるのは困難だ。ただ「国家論」の中にあったフレーズを抜書きしてみる。

 

・要するに、思想というのは究極的には生き死にの問題になる。人を殺す思想こそが、ある意味で本物の思想なのです。(同書15ページ)

・国家というと抽象的な存在のように聞こえますが、国家の実体は、税金を取り立てることによって生活している官僚です。(同51ページ)

…非常に分かりやすく、ドキッとする言葉だ。

 

●「返事がないのはいい便り」と、昔から言われてきたが、そうだろうか。非礼のような気がする。「返事をしない」ことが回答なら、相手に不愉快感を味わわさせる魂胆なのかもしれないが、それは見事に成功する。返事がないということは、究極的には「不作為」ということになる。不作為とは、あえて積極的な行為をしないこと。今流行りの言葉でいえば、「ニグレクト」になる。返事がないことは、ニグレクト行為と解釈するしかない。

 

●It doesn’t matter if people don’t like our records,  our looks or what we say.  They’re entitled to not like us and we’re entitled not to have anything to do with them. We’ve all got our rights, you know.

 

僕らのレコードや見かけや発言が嫌いならそれでも構わないよ。彼らにはそういう権利があるからね。それなら、僕たちだって彼らと関わらない権利だってあるはずだ。我々皆、そういう権利があるんだよ。

 

ー「今やキリストよりビートルズの方が人気がある」との発言が問題視されたジョン・レノンの回答(1966年)