環境ジャーナリスト村田さんの話を聞く

 

昨日は、プレスセンターで開催された「おつな寿司セミナー」に参加しました。ゲストは、環境ジャーナリストの村田佳壽子さん。

色々お話をうかがっていると、結局、環境問題は、人間問題に行き着いて、人間が生きている限り、食物を動植物から搾取し、空気を吐いて、大気に二酸化炭素を撒き散らすわけですから、どんな奇麗事を言っても、始まらないという感想を持ってしまいました。

「不都合な真実」でアカデミー賞とノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア元米副大統領だって、大変大変、高邁な精神をお持ちながら、ご自宅の大豪邸では、年間3万ドル(350万円)もの電気・ガス代を消費していたことが判明したように、人間さまは、皆さん「自分だけは特別」だと思っていますからね。

ですから、このまま、人類は破滅に向かっていくのでしょうか?

村田さんのお話によると、今、盛んに話題になっている「地球温暖化」の問題より以上に、「人口問題」や「食料・水問題」「エネルギー問題」の方がもっと深刻だということです。

1985年に全世界の食糧生産高がピークに達し、年々減少し、現在の食糧生産では57億人分しか養うことができない。現在の世界の人口は68億人ですから、11億人が餓死するという計算になるそうです。お金があっても、食糧が買えない時代になるというのです。

世界の68億人の人口のうち、28億人が先進国に暮らしていますが、世界の80%が途上国に暮らし、絶対貧困と言われる1日百円以下で暮らしている人が世界に8億人から10億人いるということです。世界人口が「静止人口」と言われる80億人を突破すると、人類は破滅すると言うのです。2050年には、世界の人口は90億人に達するという予測もあります。

皆さんは生きているので大変ですね。

日本は、現在食糧自給率は39%と言われています。つまり、70%以上、食糧は輸入に依存しているのです。

それなのに、全体の40%を賞味期限切れや売れ残りなどを理由に廃棄されているというのです。

資源についても、石油の場合、1990年と比べ、消費伸び率が0%なら645年、2%なら133年、5%なら70年持つと言われていたのですが、現在、中国だけで11%の伸びなのだそうです。そうなると、あと10年、いや5年ぐらいしか持たないのかもしれません。それ以前に2015年になると、石油価格は高騰して、もう使えないという専門家の予測もあります。何しろ、デビアスのダイヤモンド鉱山は、今年2008年いっぱいで掘りつくしてしまうという予測もあるくらいですから。

うーん、何か絶望的な話ばかりですね。村田さんの話ですと、もっと、市民が意識を持って、環境問題に取り組む代表を政界に送り込んで、改革しなければならないということになります。政治に無関心で現状の30%ぐらいしか投票率がないと現状の大企業などをバックにした既成の政党出身の代表しか政治家になれないというのです。

個人個人でできることは、なるべく車を使わず、エレベーターやエスカレーターにも乗らず、レジ袋を断って「マイバッグ」を用意し、とにかく省エネに配慮するということなのですが、もし、日本人100万人が実行するとCO2を6%削減できるそうです。

結局、環境問題ではなく、人間問題、もっと言えば、「人間、いかに生きるべきか」という哲学問題に行き着くのではないでしょうか。そういう思いを強くしました。