アマゾンは消費税分を払っていない?

スペイン・グラナダ

昨晩は、東京・南麻布の日本料理店「有栖川清水」に行きたいと思いつつ、先立つものがないため、日暮里の安居酒屋「やじろう」で我慢して、久しぶりに増本君と懇談しました。

増本君は出版社の経営者ですが、実態は、社員一人の零細出版社のたこ社長です(笑)。それでも、トーハン、日販という大手取次ぎ店と契約できている数少ない出版社の経営者です。それは、全国で1000社ほどしかないそうです。

誰でも簡単に出版社をつくることができますが、大手取次ぎと契約するには、それなりの準備金とか支度金のほか、厳しい出版計画や口座管理などが必要とされ、なかなか許可が下りないそうです。大手取次ぎと契約できれば、出版した本は全国の書店に梱包して流通してもらえるのです。(昨晩は「口座貸し」という業界用語を初めて知りました)

でも、1000社のうちの大半は、社員数人から十人程度の零細企業が多いということでした。

その増本君が怒りをぶちまけていたのが、世界一の通販アマゾンです。「あいつら消費税払わないんだからなあ…」というわけです。

「えっ!?」。私は耳を疑いました。

スペイン・アルハンブラ宮殿

増本君によると、日本の出版社がアマゾンと電子書籍で契約すると、アマゾンの日本法人ではなく、米国かどこかタックスヘイブン国の本社と契約させられるため、日本の消費税は曖昧になるというか、結局払わず仕舞いだというのです。

しかも、無謀にも、アマゾンは出版社からの卸値を定価の60%にまでダンピングを要求するというのです。

ここで、本の価格の仕組みを簡単に説明しますと、定価1000円の本があったとしますと、そのうちの20%が小売店、つまり本屋さんに入るようになっています。本屋さんはこの20%で従業員に給料を払ったり、光熱費、家賃を払ったりするわけです。

流通卸のトーハンや日販には定価の67%で引き取ってもらいます。しかし、新刊は、5%の歩戻しが取られ、実質62%でしか引き取ってもらえないこともあるようです。

そこに割り込んできたのが通販最大手のアマゾンです。通常60%のところ、2年前に期間限定で66%にするキャンペーンを張り、KADOKAWAなどの大手出版社が契約を結びました。

が、内部機密契約ですから、正確な実態は分かりません。

出版不況と言われて久しく、街の本屋さんが次々と閉店に追い込まれる中、通販だけは元気です。小売りの書店はいらないので、ネット環境と倉庫と物流さえ抑えておけば、1冊に付き、執筆も製本もしないのに、定価のまるまる40%もの売上高を確保することができるからでしょう。

しかし、アマゾンは、電子書籍とはいえ、日本語の本を扱っておきながら、そして、購買者から消費税を取っておきながら、消費税分を申告しないというのは、もし、それが事実なら如何なものか、ですよね?

国税庁の佐川長官、あ、お辞めになりましたか、今は藤井長官ですか、いずれにせよ、長官直々に陣頭指揮を執って調べてもらいたいものです。来年は消費税10%に増税されますからね。

今日、東銀座で500円ランチ!20分は並びましたが、並び甲斐ありました

【追記】

タイムリーにも、2018年10月12日(金)付読売新聞朝刊は、公正取引委員会が「プラットフォーマー」と呼ばれるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)など巨大IT企業を、独占禁止法40条に基づく強制調査を検討している、と報じておりました。

アプリを販売する条件として、売り上げの30%という高い手数料を取るケースもあるらしいのです。

吉報ではないでしょうか。