なんで株は10月に暴落するのか?

スペイン南部ミハス

秋も深まり、気温が下がってくると、株も下がってきますね。他人事ならいいんですが、そうもいかないところが人生の機微というものです。

株式が大暴落した「暗黒の木曜日」(1929年10月24日)も「ブラックマンデー」(1987年10月19日)も、不思議にも10月が多いのは、何か歴史的法則でもあるんでしょうか。

スペイン南部ミハス

本日10月23日の日経平均は、「一時2万2000円割れ」という憂いの多いシナリオで、終値は、前日比604円安の2万2010円となりました。10月上旬から下落傾向が続いております。

株式評論家やジャーナリストの分析は、いつでも、いつの世でも、「後講釈」ばかりが多いのが定番です。

曰く、

本日の日経平均の大幅下落は、22日のニューヨーク・ダウ工業平均株価が、前週末終値比126.93ドル安の2万5317.41ドルに終わったことを受けたもの。

そして、肝心のNY株が何故下げたのかといいますと、「サウジ記者死亡事件を受けた中東情勢の悪化懸念のほか、イタリアの財政悪化に対する不安の高まりで、エネルギーや金融関連株が売られたから」と、株式アナリストは、丁寧に説明してくれますが、何か、鶏が先か、卵が先かみたいな話ですね。

意地悪な言い方をすれば、理由や説明なら、素人の私でさえ誤魔化せるものです。終わった話の背景は、「こういうことがあったんだよ」と毎日のニュースを追っていれば、それぐらい誰にでもできるというものです。

例えば、先日取り上げました、サウジアラビアに約10兆円も投資しているソフトバンクは、9月28日に年初来高値の1万1500円をつけたというのに、サウジ記者殺害疑惑事件が報じられた10月上旬から急に株価が下がり始め、23日は約20%も下落しました。日経平均全体の下落率が約10%なので、かなり抜きん出ておりますー。てな調子です。

中国の株(上海株式指数)も年初来下落傾向が続き、トランプ米大統領による中国からの輸入関税引き上げがボディーブローのように効いてます。

投資家心理を反映した「恐怖指数」とかいうものがあるそうですから、このまま不安が広がれば、世界同時株安に繋がる可能性もあります。

逆に、今の株価は、実体経済を反映しておらず、かなり割安だという心理が高まれば、株が買われ、株価は急上昇することでしょう。仕手筋が株を下げて、下がり切ったところを買い占めるという観測もあり、案外、手垢のついた手法で、単純な話なのかもしれません。

スペイン南部ミハス

最初に書いたように、10月と株価暴落との関係や歴史的法則を知りたくて、今、古典的名著と言われる林敏彦著「大恐慌のアメリカ」(岩波新書、1988年9月20日初版)を読んでいます。

後半は、素人には難しい経済理論ですが、前半のエピソードはかなり面白かったのでまたの機会に取り上げたいと存じます。