上から目線の人々

スペイン・ラマンチャ地方

何処の会社もそうかもしれませんが、オフィスビルに入居している場合、階によって、部署が異なり、地位や待遇も違うことでしょう。

例えば、ドラマの「ショムニ」(古い!)の庶務2課は地下2階のような薄暗い所にあり、一番偉い会長さんは、日当たりと見晴らしが良い最上階といったケースが多いのではないでしょうか。

スペイン・ラマンチャ地方

出勤した今朝のこと。会社のエレベーターで、後輩で、特に仕事もできないくせに、べんちゃらとゴマスリだけで、出世街道まっしぐらに進んだ社長室総務部長の成田君(仮名)と、先月まで大阪支店にいた彼の同期の羽田君(仮名)が後から乗り込んできました。

彼らは久しぶりに顔を合わせたらしく、会話が弾んでいました。自然と漏れ聞こえてきます。

羽田君 お、お前、6階だっけ?

成田君 馬鹿野郎。。。そんな下層階級なわけないだろ。

羽田君 そだよな。8階か。

成田君 10階だよ!

2人は、後ろに私が乗っていることに気がつかなかったのでしょう。

なぜなら、私こそ、成田君が「下層階級」と呼ぶ6階の部署で仕事をしているからでした。。。

今日はここまでにしとこか。チェスト!気張れ!

スペイン・ラマンチャ地方

7900兆円が世界を回っている

スペイン・コルドバ

個人的なことながら、私の情報収集の80%は新聞からです。残りの20%が、テレビ、ネット、雑誌といったところでしょうか。

特に経済情報は圧倒的に新聞からです。経済の歴史や理論は単行本で仕入れることができますが、動きが速い経済情報はすぐ古びてしまいます。最新情報となると新聞が最適です。

新聞のおかげで、かなりの知識を得ることができました。その最大の収穫は、アナリストや評論家や学者の予想や知識が100%正しいわけでもなく、当たるわけではないということでした。

「天気予報のようなもの」と言えば、あらゆる関係筋から抗議が殺到することでしょうが、どうかお目こぼしを(笑)。とにかく、経済は、理論や法則通りになるわけではなく、例えば、株式ならその時の国際情勢から機関投資家の不安心理に至るまで、複雑な要素がドロドロとからみ、ピタリと的中させること自体がおかしいのです。

あのゴーン容疑者が、リーマン・ショックで17億円も損失して日産に肩代わりさせたという疑惑があります。カリスマ経営者でさえ失敗するのです。逆に、ど素人の中で、リーマンで大儲けした人がいたかもしれません。そういう人は絶対名乗りませんが(笑)、これこそが不可知な経済の面白いところです。

スペイン・コルドバ

さて、最近勉強になったことを羅列します。

かつて、日本の広告代理店電通は、「世界の電通」と言われた通り、売上高世界最高で、世界一の会社でした。しかし、今では世界5位(売上高7500億円)に落ちていました。知りませんでしたねえ。で、どこが、ナンバーになっていたかという英国のWPPという会社です。売上高は2兆3000億円(2015年)と電通の何と3倍強。でも、御存知でしたか?もともと、WPPは、Wire Plastic Productsの頭文字を取った会社で、ワイヤー製の買い物籠をつくっていた会社でした。それをユダヤ人のマーティン・ソレル氏が買収して、業態を広告代理店へと全く変えて、豪腕手腕で世界一に躍り出たというのです。

ソレルCEOは、今年4月に会社の資産を私的流用した疑惑(金融取引に失敗したらしい)で、CEOを引責辞任して、同社の株価が27%も下落したということですね。

会社資産の私的流用といえば、日産のゴーン容疑者にも嫌疑が掛けられ、株価も急落していますから、何か、「偶然の一致」を感じてしまったわけです。

スペイン・コルドバ

もう一つ。個人的ながら、私が少年の頃に、「3億円事件」がありました。(1968年12月10日ですから、あれからもうすぐ半世紀!)この時、親父さんが「3億円もあれば、何もしないでも一生喰っていけるよ」と言ったことを今でも忘れません。おかげで、私の頭の中の最高額は3億円です。それ以上の金額は、あるとしても想像つきませんでした(笑)。

でも、今では、つまり、50年も年月が経てば、3億円といっても一生喰っていけるかどうか分からず、映画1本もつくることさえできず、ゴーンさんのように100億円も200億円もの役員報酬を貰っても、人間は強欲で不安になるものなんですね。

スペイン・コルドバ

そこで、日々、新聞を読みながら、金融情報に注目してみました。

今、ちょっと株価急落で落ち込んでおりますが、世界一の時価総額を誇る会社は米アップルで10月初旬の段階で約127兆円です。もうここまで高額となると、全く分かりませんね(笑)。ちなみに、日産の時価総額は4兆2500億円だとか。

でも、上には上があるもので、全世界の運用会社の運用残高は、7900兆円(2017年末)もあるというのです。これは、08年のリーマン・ショックの頃の3900兆円の約2倍です。

この内訳として、運用資産の第一位は、米ブラックロックの691兆円です。日本の最高は、三井住友信託グループの24位で、85兆円です。

残念ながら、皆様には全く関係ない話でしたねえ。失礼致しました(笑)。

ちなみに覚えておくと便利な数字は、日本の昨年のGDPは550兆円だということです。日本は中国に抜かれて世界第3位になりましたが、今ではその中国のGDPは日本の2倍強の1300兆円にもなっているのです。

もちろん、GDPの第1位は米国で、2000兆円です。こんな国に、どこの国が逆立ちしても勝てるわけありませんよね?(笑)。

ただ、その米国GDPの4倍近いおカネが、世界中を回っているという事実を知っていても損がないかもしれません。得もしませんが(笑)。

スペイン・コルドバ

仏マルセイユ、「ここは全てが腐ってる」

昨晩の11月27日、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案が、衆院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決して、参院に送付されました。

私はこの法案には断固として反対で、賛成した議員には、今後起きかねない末代に渡る日本人の生活と文化への影響と激変、治安に関わる問題について想像力のかけらすらないと思っているのですが、私ごとき人間が何を言っても始まらないでしょう。

パリ

そんな折、日本の近未来を予想させるような記事を昨日読みました。27日付ニューヨーク・タイムズの記事で、タイトルは「ここでは全てが腐ってる」という衝撃なものです。

舞台はフランス南部の港湾都市マルセイユ。何とフランス第2の大都市だそうです(私は浅はかにもリヨンかと思ってました。調べたら、人口ではマルセイユがパリに次ぎ2位。経済力ではリヨンが2位でした)。マルセイユと言えば、私の世代はジーン・ハックマン主演の映画「フレンチ・コレクション」を思い出します。日本では1972年公開なので、還暦過ぎた人でないと知らないかもしれませんね(笑)。ハックマン演じる「ポパイ」ことニューヨーク市警のドイル刑事が、麻薬取引密売の黒幕をマルセイユで追い詰めるといった話でした。活気がある港街でした。

◇市民の4分の1が貧民

そのマルセイユが今、どうなっているかというと、すっかり寂れて、市民の4分の1以上は貧困状態で、住宅、雇用、教育、犯罪等の様々な問題を抱えているというのです。

特に、11月5日に、貧困層が多く住むノアイユ地区で、老朽化した5階建てのアパートが崩壊して、建物の下敷きになった住民が8人も犠牲になり、市当局の安全管理の怠慢を訴えて、大掛かりなデモが行われたことを、先ほどのニューヨーク・タイムズ紙のアダム・ノシテール記者が報じています。

犠牲になった人のほとんどがアフリカからの移民で、学生や塗装工のほか、失業者などでした。

デモ行進する1万人が槍玉にあげているのが、市内の複数の老朽化ビルを放置しているジャン=クロード・ゴーダン市長です。これに対して、ゴーダン市長は「我々が責められるような特別な過失は一つもない」と地元メディアに応えています。

倒壊したアパートの近くのビルの一角で小さな雑貨店を営むバントゥー・シセさんは、いつも店の外で立っています。「だって、このビルだって、いつ倒壊するか分からないじゃないの。怖いわよ。ここは全てが腐ってるわ。もうスラムね」と頭を抱えています。

◇マルセイユは「フランスのデトロイト」

社会学者のミシェル・ペラルディ氏は「マルセイユは、今や、フランスのデトロイトですね」と指摘します。その原因について、アルジェリアやモロッコなど北アフリカからの移民が多いマルセイユは、脱・植民地主義から回復せず、旧式の産業に固執してハイテク産業などを育成してこなかったからではないかと分析しています。失業率は、全仏平均より50%近くも高いと言われてます。

雇用がなければ、貧困に陥り、教育も受けられず、そのまま社会で出ても失業という悪循環が続き、市税収も途絶え、インフラ整備もされず、最悪、犯罪に走る者も続出して、治安の悪化につながります。

いつも、華やかなパリのニュースばかり接していたのですが、これが、先進国フランスの実態だったのですね。知らなかったので、大変な驚きでした。

来年1月から東博で開催される「顔真卿展」は見ものです

スペイン・コルドバ

 こんにちは、奈良の西大寺先生です。今発売中の「芸術新潮」誌12月号を読まれましたか?

来年2019年に開催される美術展を同誌が推薦しています。このうち、新年、第一の見ものは、1月16日から上野の東京国立博物館で開催される「顔真卿展」だ、としています。

台湾の「国立故宮博物」に出かけても見られない、という秘宝が、東博に「出開帳」されるわけですね(笑)。

東博の展覧会の案内は、以下の通りになっております。

「中国の歴史上、東晋時代(317–420)と唐時代(618–907)は書法が最高潮に到達しました。書聖・王羲之(おうぎし303–361)が活躍した東晋時代に続いて、唐時代には虞世南(ぐせいなん)、欧陽詢(おうようじゅん)、褚遂良(ちょすいりょう)ら初唐の三大家が楷書の典型を完成させました。そして顔真卿(がんしんけい、709–785)は三大家の伝統を継承しながら、顔法と称される特異な筆法を創出します。王羲之や初唐の三大家とは異なる美意識のもとにつちかわれた顔真卿の書は、後世にきわめて大きな影響を与えました。


本展は、書の普遍的な美しさを法則化した唐時代に焦点をあて、顔真卿の人物や書の本質に迫ります。また、後世や日本に与えた影響にも目を向け、唐時代の書の果たした役割を検証します。」(以上、東博のホームページより)

どうですか。新年、必見の展覧会ですね。貴人も覗かれるとよいでしょう。

また、「芸術新潮」12月号には、2017年10月から今年10月の一年間の展覧会の入場者の多かった「美術展」も載せています。

一位は、貴人も行かれた京都国立博物館で開催された「国宝」展で62万4493人だそうです。これに次いで60万人を超えた美術展は、森美術館での「アンドロ・エルリッヒ」展の61万4411人。続いて東京国立博物館の「運慶展」の60万439人です。詳しくは、同誌をご覧になるとよいでしょう。

「藝術新潮」は毎号、目を通さないと駄目だめですよ。

スペイン・コルドバ

えっ?何? 私が新潮社の回し者ですって?

いやいや、最近、極左老人向けの「新潮65」が廃刊したばかりですから、少しぐらい新潮社を応援してあげたっていいじゃないですか。

許してたもれ。

月産ガーン会長逮捕で、江戸の長屋でも噂話に花が咲く

スペイン・コルドバ

タイムマシンに乗って、江戸は八丁堀の長屋に、最新鋭の盗聴器を仕掛けて、住人の世間話を盗み聞きしてきました。

スペイン・コルドバ

熊さん おい、聞いたか。月産自動車の64歳のカロルス・ガーン会長が、5年間で50億円もの役員報酬を誤魔化したとかで、小伝馬町の牢屋に入れられちまったらしいじゃねえか。

八つあん 聞いたよ、聞いた。でも、本人は「そんなこと、してねえ」と否認してるらしいじゃねえか。

 ああ、一緒にとっ捕まったケロッグ・カリーとかいう62歳の代表取締役も「不正はしてねえ」と突っ張ってるらしいな。もっとも、このおっさん、本職は、メリケンの牧場主らしく、月産自動車には年に数回しか出社してなかったらしい。単なるガーンの代理人のコメツキバッタってとこさ。

 でも、暴かれた悪行は、ひんむけば、出てくるわ、出てくるわ。誤魔化した金は、50億円じゃなくて、80億円とも100億円とも言われてる。それに、江戸だけじゃなく、ニューヨーク、アムステルダム、ベイルート、リオデジャネイロ、パリにも豪邸を構え、ぜーんぶ、月産自動車に肩代わりさせたらしいじゃねえか。

 ああ、特に、パリは、月産自動車の親会社のルノーの本丸だからな。月産社員も「何で、ルノーがあるのに、月産がパリまで肩代わりしなきゃなんないんだ」と嘆いていたよ。まあ、ルノーにとって、月産は、鵜飼の鵜みたいなもんだから、どんどん稼いで、貢いでもらわなきゃならねえから、絶対、手放したりしねえよ。何しろ、ルノーはフランス政府が15%出資する国策会社だからな。

スペイン・コルドバ

 いや、俺が一番驚いたのは、ガーン容疑者が、自分の姉を社内で実体のない口利き業かなんかに雇う格好にして、年間1200万円もくれてやっていたことだよ。役員報酬や世界各地の豪邸と比べりゃあ、大した金額じゃねえかもしれんけど、これが一番許せねえなあ。俺の給金は、毎月10万円、年収120万しかねえからな。一番身近に感じるよ。(これ、本当の話です←渓流斎)

 ハハハハ、だから、庶民は貧乏臭くって嫌なんだよ。そんなチンケな金、家族愛なんだよ。

 そんなら、ガーンは100億円も200億円も貰ってるんだから、自分の姉さんなら、自分で払ってやりゃあ、いいじゃねえか。

 だから、それが素人の赤坂の夜はふけて、と昔から言われてるんだよ。もともと、ガーンは強欲だから、税金なんて、ビタ一文、最初から払う気なんて、さらさらねえんだから。

 ひでえなあ。

 ひでえよ。一番いけねえのは、瓦版連中がガーンのことを、庶民のクビを切っておきながら、「救世主」だのと持ち上げたからよ。あいつ、だから、どんどん、図に乗って、植民地の王さまみたいな気になったのさ。まあ、結局、裸の王さまになっちまったけどな。もっとも、ガーン前会長をちくった犀川社長だって、5億円近く役員報酬貰ってるからなあ。。。サニーの平居会長だって、27億円の役員報酬を貰ってることを堂々と公表してるんだから、ガーン容疑者も最初から20億円貰ってると申告すりゃあ、よかったんだよ。「過少申告は、『貰いすぎ』の批判をかわすため」と、どこの瓦版もシタリ顔で書いてるけど、ただ単に、税金を払いたくなかっただけだよ。どうせ乗っ取った会社だから、貰えるもんは、丸々懐に入れてやろうという魂胆だったのさ。

スペイン・コルドバ

 ところで、さっき言ってた、その家族愛ってのも、よく分かんねえなあ。

 瓦版は、ガーン前会長のことを「有能・剛腕」「名経営者だ」と持ち上げていたけど、人間は国籍、人種を問わず、すべて、肉親、身内がまず最優先で大事なんだよ。グローバリズム万歳、世界的なビジネス展開、企業の透明性? 馬鹿を言っちゃあいけねよ。息子の学費まですべて月産に回すような究極の「社用族」だね。要するに、グローバリズムによる「無国籍人」や国境のない連中にとって、文化や伝統なんてどうでもいい。すべてカネ!カネが頼りの世界なんだよ。信じるものは「家族」と「肉親」だな。それが、破綻すると「大塚家具一族」のような愛憎、対立、憎悪になるわけだ。

これでも分かんなきゃ、スポットライトを浴びる芸能人がいい例さ。庶民の多くが憧れ、光輝けば輝くほど、その影は濃いのさ。

 おめえの言ってること、よく分かんねえけど…。

 嗚呼、だから、庶民は嫌だねえ。例えば、あの美空ひばりだって、ヤクザな弟で相当苦労したのは有名な話だろ?江利チエミだって、稼いでも稼いでも、金遣いの荒い実の姉に金をむしり取られて、結局、俺たちのヒーロー高倉健さんと離婚せざるを得なくなっちまったんだよ。

八 へえ、知らなかったね。でも、随分、古い話だなあ。大坂夏の陣の頃か?

 馬鹿野郎!今現役の歌手や芸能人の名前を出してもみろ!そりゃあ、炎上するどころじゃ済まされねえよ。俺は、実の爺さんにたかられている有名歌手や、男に騙されて貢いでいる美人女優なんか、たくさん知ってるけど、そんなこと、言えるかよ。どこに、盗聴器が隠されているか分からねえし、また、《渓流斎日乗》とかいうブログに書かれるとも限らねえしな。

 それもそうだ。お前も随分、賢くなったじゃねえか。

熊 あったぼうよ。棒があれば犬も転ぶ、と昔から言われてるだろ。

 ん?

国史跡 八王子城跡、踏破記

大袈裟なタイトルですが、昨日の勤労感謝の日の祝日は、「山城歩き同好会」に参加させて頂きまして、「国史跡 八王子城跡」を踏破してきました。

かなりきつい「登山」でした。まず、一人だったら、ギブアップして帰ったことでしょう。確信を持って言えます(笑)。

けもの道のような狭い崖プチも歩きましたから、険しくて、「人間が行く所じゃない」(笑)と顎が出ましたが、昔の人は偉いですね。こんな高い所に山城を作ったのですから。

お仲間の皆様がいたおかげで、踏破できました。

集合のJR高尾駅。高尾山には何度か登ったことがありますが、最寄駅は、京王線の高尾山入口でしたから、このJRの駅で降りたのは初めてでした。ここも、東京都です。

八王子城は、小田原に本拠を置いた後北条氏の三代目氏康の三男北条氏照(うじてる=?~1590)が築いた山城でしたが、豊臣秀吉のいわゆる天正18年(1590年)の「小田原攻め」の一環として、この八王子城も前田利家・上杉景勝連合軍によって攻められ、落城します。

城主北条氏照は、小田原城で切腹しますが、その100年後に、奮闘死した家臣の中山勘解由の孫である水戸藩家老中山信治が、追善供養のために、この八王子に、上の写真のような「北条氏照及び家臣墓」を建てたのでした。

八王子城跡は「国史跡」ですから、いわゆる国有地として管理され、かなり発掘も進み、整備されておりました。

上の写真のように、400年以上昔の石垣がそのまま残っていました。城好きにはたまりませんね(笑)。

上の写真は「御主殿跡」といって、城主の北条氏照の居館があった所でした。(「ガイダンス施設」では、居館の想像図のCGも公開されておりました)ここから、陶器のほか、何と、イタリア・ベネチア産のガラス器も出土したそうで、どういう経緯なのか詳しくは分かりませんが、後北条氏は、あの時代で、既に広域な貿易をしていたことになりますね。

この写真は「御主殿の滝」と言われてますが、探すのに大変苦労しました。

落城の際に、武将やその婦女子らが自害してこの滝に身を投じたらしく、その血で城山川が三日三晩赤く染まったと言われてます。

現在は、城山川も干上がって、滝もこのような調子でした。

八王子城本丸に行くには、八王子神社を経由して、このような急こう配の山道を登って行かなければなりませんでした。

ぼやぼや登っていたら、八王子神社の天狗さまが現れて「しっかりしろ」と怒られてしまいました。

やっと本丸跡に着きましたが、「猫の額」ほどの狭さには吃驚。標高は約446メートルでしたが、登りが大変きつくて、そんな低さには感じられませんでした。

敷地が狭いので、天守はなかったようですが、平屋の城ぐらいはあったかもしれません。

ここでお昼休憩。同好会の女性陣と男性陣から「おやつ」の差し入れがありまして、頂きました。やはり、甘いものが食べたくなります。どうも有難う御座いました。

本丸で、「山城歩き同好会」の男性陣と女性陣は分かれて、男性陣4人のみで、標高約547メートルの富士見台を目指しました。

女性陣はそのまま下山して、「ガイダンス施設」で待機することになりましたが、その方が正解でしたね。

富士見台まで本丸からわずか1.2キロ、100メートル登るだけでしたが、何と、山道のきついこと。登っても、登っても、なかなか、着きません。

ほとんど「けもの道」のような狭い道で、「ありえない」感じでした。

しかも、「富士見台」ということで、快晴に恵まれたので、富士山の展望を期待したのですが、山林に囲まれて、全く見えませんでした。

がっくりでした。

でも、昔の人は健脚で、本当に偉かったんですね。

行く前は、二次元の地図を見ていただけでしたので、「楽勝」なんて思っていたんですが、なかなかの難所急こう配で、帰り道も難儀しました。

でも、山城好きにはとてもたまらない充実した日を過ごすことができました。

天候に恵まれ、森林浴ができたことが何よりです。

万全の準備をして頂いた幹事長さまを始め、同行の皆様、有難う御座いました。

嗚呼、あの森林浴は本当に気持ち良かった。こんな風に、喫茶店に籠って、パソコンでブログを打っているなんて、最悪ですよ…(苦笑)。

「人生100年時代」のウソ

スペイン・コルドバ

今日の午前中は病院通い。事前に予約したのに待たされましたね。

待合室には、何処からお見えになったのか、多くの患者で溢れ返っておりました。

今、新聞読んでも、テレビを見ても、やたらと「人生100年時代」「人生100年、どう生きるか」などという言葉が目に付き、やたらと、何かの魂胆か、広告なのか、ウルサイのですが、百歳の長寿を得られる人はほんのわずかですよ。しかも、100歳で「健康寿命」でいられる人は、もっとわずかでしょう。

病院に行かないで済む人は、果たしてどれくらいいるのでしょうか?

スペイン・コルドバ

数年前に一人でパリに遊びに行って、精密な20区が網羅された「パリ市内地図」を買ってきたことがあります。

そこには、「H」のマークと赤く色づけされた建物が多かったので、「さすが、世界有数の観光都市。随分、やたらとホテルの数が多いなあ」と思ったものでした。

ところが、よく見てみると、この「H」はHôtel (ホテル)の「H」ではなく、Hôpital(病院) の「H」だったのです。

つまり、パリ市内にはやたらと病院があるといいますか、病院だらけだったんですね。

東京もそうなのかもしれませんが、それが現実です。

ゴーン容疑者を持ち上げたのはマスコミではないか?

昨日の日産の「ゴーン会長」から、東京拘置所に勾留された「ゴーン容疑者」になった人の話の続きですが、早速、新聞各紙は、ゴーン容疑者の「罪状」の連載を今朝の朝刊から始めました。

とはいえ、ゴーン容疑者のことを「V字回復の立役者」だの、「救世主」だのと持ち上げてヒーロー扱いしたのは、新聞や経済誌などのマスコミだったんじゃないでしょうか。

◇クビになった工場労働者の怨霊か

今回の「入り口」の事件容疑は、本当は役員報酬を20億円も貰っていたのに、「高額」との批判を避けるために、10億円と過少申告していたということになります。一番ざんねんな人たちは、「コストカッター」の名の下で、クビを切られた何千、何万人にも及ぶ日産の工場労働者たちでしょう。当然、彼らは泣き寝入りしたことでしょうが、結果的にゴーン容疑者は、彼らの生き血を吸って巨額の富を得ていたことになります。

元工場労働者の皆さんは快哉を叫んだことでしょう。

この事件について、もう少し情報が欲しくなったため、今日発売の「週刊文春」を買ってみました。「強欲ゴーンVS日産『離婚訴訟費用まで』」という見出しにつられてしまったからです。でも、見出し以上の情報はありませんでしたね。嗚呼、買って損したなあ(苦笑)。

◇「おカネに関して、カルロスは正しいことをしたことがない」

悔しいので、同誌に書かれていたことで、「へー」と思ったことを少し並べてみますと、3年前にDV(家庭内暴力)によって離婚した糟糠の妻だったリタさんは、2週間前に「黙らないと賠償命令を500万ドル(約50億円)に上げるぞ」とゴーン容疑者らから恫喝されたそうです。リタさんは、文春砲にゴーン容疑者の家庭内暴力の酷さや、金に対する汚さを暴露していましたからね。

ゴーン容疑者は、2年前には仏ベルサイユ宮殿で、一回り若い米国人キャロルさんと超豪華な「再婚式」を挙げ、2人が住むニューヨークの豪邸は、日産の経費から落としている疑いもあるようです。

ゴーン容疑者の豪邸は、このほか、パリやベイルートやリオデジャネイロなどにもあることは昨日書いた通り。日本の自宅は、プールやジャグジーを完備した家賃推定460万円の港区の高級マンションだったらしいのですが、写真に写っていたマンションは、どう見ても「六本木ヒルズ」に見えました(笑)。

◇馬鹿らしく、空しい

嗚呼、何だかこんなことばかり書いていて、自分でも馬鹿らしく、そして、何よりも空しくなってきました。

それにしても、今朝方入ってきたニュースですが、仏ルノーが取締役を開いて、同社会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン容疑者の解任を見送ったらしいのですが、解せないですね。ルノーの「子会社」に当たる日産を私物化したわけですから、そのうち背任容疑も問われることでしょう。

フランス人の考えることはよく分かりませんね。また、空しくなってきました。

日産ゴーン会長逮捕で得する人、損する人

昨晩の日産自動車のカルロス・ゴーンCarlos Ghosn会長(64)の逮捕事件には驚きましたね。驚天動地といってもいいかもしれません。

これで、ますます、グローバル主義が衰退、いや後退して、保護主義が強まっていくのではないかと思います。何で今頃になって発覚したのか? 一体、誰の差し金か?ー自分なりに整理してみました。

◇50億円の過少申告

ゴーン会長の容疑は、2011年3月期から15年3月期の5年分の役員報酬について、実際には総額約99億9800万円だったのに、有価証券報告書に約50億円も少なく見せ掛けて虚偽申告したというものです。それを指示したグレゴリー・ケリー代表取締役(62)も共犯として逮捕されました。

だから、何だと聞かれれば、虚偽記載すると10年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられ、代表者が違反した場合、法人に対して7億円以下の罰金が科せられるという両罰規定があるそうです。(20日付朝刊では東京新聞だけが書いてくれました)

ただ、追徴課税など税金はどうなるのかと思いましたが、新聞はどこも書いてくれませんでした。

この容疑は、単なる「氷山の一角」に過ぎず、ゴーン会長は、レバノン(ベイルート)やブラジル・リオやパリなどの自宅もオランダの子会社を通じて購入して、約20億円の費用を社側に負担させ、会社や株主のためでなく、要するに私腹を肥やすことしかしなかったというわけです。

◇強欲なコストカッター

1999年、「コストカッター」として仏ルノーから乗り込んで、日産のトップに就任して19年。その間、年俸と役員報酬を含めて巨額の収入を得ていたのに、虚偽工作までするとは、強欲以外の何でもありませんね。

仏ルノーは日産の株式を43%、日産もルノーの株式15%を保有し合い、ルノーにはフランス政府が15%も出資していますから、国際問題に発展するのではないかという識者もいますが、その根拠には内紛説があります。

昨年のルノー・日産は、三菱自動車を傘下にいれた三社連合で世界第2位の売り上げ(1060万台)を記録しました。でも、内訳は、日産581万台、ルノー376万台、三菱103万台で、日産がトップだったのです。

◇日産とルノーとの確執か

それでも、ルノーはいわば日産の「親会社」ですから、当然ながら、日産には自分たちの息のかかった欧米人の取締役を送り込んで意のままに経営権を行使しようとします。

その一方で、以下はあくまでも容疑ですが、ゴーン会長は、7月に日産が不正検査問題を起こした時でも、謝罪弁解会見には日本人首脳に押し付けて、自分は他人事のように休暇を取って親族(レバノンの名門上流階級ゴウスン一族か)と西日本の島に静養に行ったりしました。

前の都知事の舛添さんみたいに、私的な家族旅行費までも、会社に負担させたりしました。その額、数千万円。

何と言っても、日本人では考えられない巨額の役員報酬…等々、社内では色々とフラストレーションが溜まっていて、どうにかしてゴーン会長の失脚を狙って、あら捜ししていたフシがあるようです。

◇内部告発と司法取引

これらは、客観的証拠に過ぎませんが、何しろ、もう何カ月も前から社内で内部調査し、内部告発者は、東京地検とは司法取引までしたといいますからね。

西川・日産社長の記者会見で、「これはクーデターではないのか?」と質問した記者もいたらしいですが、急所を突いてますね。たとえ、社長が全面否定しても。

ゴーン氏逮捕の報道を受け、仏ルノー株が一時15%、日産株も一時7%も下落したのも投資家心理が働いたのでしょう。

今後どうなるのか気になりますが、ルノーとフランス政府は、黙っていないでしょう。

もしくは、ゴーンとケリー両氏の2人だけの個人的責任としてけりをつけるのでしょうか?

でも、自動車はあくまでも商品なんですから、傷ついたブランドの信用を取り戻すのに時間がかかるのではないでしょうか。

こんなんで景気が低迷してほしくないですけどね…。

ある同時通訳者の悲喜こもごも

昨日の日曜日は、明治時代から続いていると言われる「仏友会」に2年ぶりに参加してきました。(東京・本郷)

仏友会とは、宗教とは関係なく、東京外国語大学でフランス語を専攻で学んだ同窓会のことです。何と、最高齢は、1956年卒業の中村さん。最年少は現役の大学4年生でしたから、年齢差は62歳もありました。

毎回、卒業生の中で活躍されている方を講師としてお呼びして、お話を伺い、その後は、この時季に相応しいお楽しみのボージョレヌーボーを味わうという、とっても粋な会です。

今回の講師は、同時通訳者の袖川裕美さんという同期の女性ですから、是が非でも参加するつもりでした。私の学生時代の複数の友人にも参加を呼びかけたのですが、残念ながらいずれも欠席の通知。流石に「冷たいなあ」と思いましたが、もうこの歳になると各々諸般の事情がありますからね。一人で参加しました。

そしたら、総勢67人も参加しました。同期のYさんが初参加で、卒業以来数十年ぶりの再会でした。

私はこの会には15年ぐらい前から参加しており、その経験の中での判断ですが、これだけの人数が参加したのは最大でしたし、講師の話の面白さも最高でした。

袖川さんは、2年前に「同時通訳はやめられない」(平凡社新書)を出版し、朝日新聞の「天声人語」にまで取り上げられました。

私も仕事の関係で多くの同時通訳の皆さんにはお世話になったので、その仕事の重圧と準備の大変さはよく知っています。また、私自身も時たま、通訳の仕事をしているので、よく分かりますが、逐次通訳と同時通訳のレベルは、まるで月とスッポンです。同時通訳が大学院レベルだとしたら、逐次通訳は小学生レベルです(笑)。

そのリスニング能力と、即時・瞬時に日本語に置き換える能力は、まさに神業です。先ほどご紹介した本の表紙帯に「もう…逃げ出したい!」とありますが、よーく分かります。

とにかく、話し言葉ですから、相手は何を言うのか分からないのです。政治や経済の話をしていて、急に、今流行りのアイドルや漫画の話をするかもしれません。日本人が誰も知らない細かい地名や人名や風習、歴史用語、もしかしたら、専門家しか分からない医学用語や科学用語が出てくるかもしれません。突拍子もないことや、矛盾したこと、勘違い、言い間違いも、それは、それは頻出します。

発音のナマリが激し過ぎて、聴き取れない場合もあるでしょう。逐語訳しても、さっぱり意味が通じない場合もあるでしょう。

恐らく、人工知能でもできないのではないでしょうか。

同時通訳の方も人間ですから集中力はそれほど続きません。テレビを見ていても、5分か10分ぐらいの頻度で通訳が交代している感じです。袖川さんによると、15分が限界だそうです。

◇45分間の「拷問」

それが、な、な、何と、彼女は45分間もたった一人で同時通訳をする羽目になったことがあったというのです。しかも、あの歴史に残る今年6月にシンガポールで行われた初の米朝首脳会談です。トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長のあの歴史的会談です。

それを、某テレビ局でたった一人で45分間も同時通訳する羽目になったというのです。まず、15分で限界を感じて意思表示し、30分でやめようとブースから出て行こうとしたら、ディレクターに必死に懇願されて止められ、とうとう最後までやり遂げたらしいのですが、頭の中が空になるほどシンドイ思いをしたそうです。

そりゃそうでしょうねえ。労働基準法違反じゃないでしょうか。

でも、本人は、局の方からもエージェントからも大変感謝されると、極度の疲労が喜びに変わったそうです。

◇至福のマクロン氏のウインク

このほか、フランスのマクロン氏が大統領になる前の2014年に、オランド大統領の経済相として来日した際、テレビ番組で通訳をしたのが彼女だったそうで、下準備に大変苦労したこぼれ話を披露してました。

インタビューが終わって、一堂が帰る際に、マクロン氏が振り返って、黒子であるはずの彼女に向かって、「お疲れさま」という意味でウインクしてくれた時は、それまでの疲れがいっぺんに吹き飛んだそうです。彼女は「一生の宝にしたい」と大袈裟な感想を漏らしてました。

とにかく、同時通訳という仕事は半端じゃない能力と百科事典のような豊富な知識、日々の研鑽が必要とされます。まさに、ジャーナリストです。外国語だけでなく、それ以上に日本語力も試されます。

それに、情報はすぐ古びてしまうので、毎日、いや毎分、毎秒、常に更新していかなければなりません。ですから、過去のキャリアが役立つというわけでもないのです。同時にスポーツ選手のような瞬発力も必要とされます。とにかく、何が起きるか分からないから、下準備が大変なのです。彼女は「準備は、5日間でも足りない」と言ってましたからね。

◇ロングマン辞書を制覇

その前提として、語彙力がありますが、彼女は、あのロングマンの辞書を、最初から最後まで辞書編纂を兼ねて全て読んだそうですから、まあ、それぐらいのことをしなければ、基礎体力はつかないことでしょう。(もちろん、彼女には留学や海外勤務経験、それに同時通訳で有名なアカデミーでの修行経験など積み重ねておりました)

感心したり、感服したり、大笑いしたりしながら、彼女の話を聴きました。参加して本当によかったでした。(幹事の皆様、大変ご苦労さまでした)