観光公害の行方

スペイン・コルドバ

インテリの皆さんは、賢いので物事を演繹的に敷衍したり、帰納的に思惟したり、弁証法思弁を繰り返されているようですが、私はインテリではないので、毎日、感覚的に、まさに野に放たれた犬のように生きております。

そのせいか、語弊や炎上を恐れずに率直に言わせてもらいますと、昨今の観光ブームとやらで、諸外国からの観光客による目に余るマナー逸脱は、愉快ではない感覚を肌身で感じております。

今の職場が東京、いや世界を代表する商業地・銀座なのですが、外国人観光客が地べたに座り込んで通行の邪魔になったり、平気でタバコの吸殻を道路に投げ捨てたり、度量を超えた大声で叫んでいるのを見るにつけ、気分が悪くなります。

今年8月に京都に旅行に行ったのですが、東京以上に外国人観光客が多かったので本当に吃驚してしまいました。特に、伏見稲荷大社は、世界的な「インスタ映え」のメッカになっているらしく、観光客の7割以上は、外国人でした。

ほんの一部でしょうが、心ない外国人観光客のマナーの悪さから、ついに「観光公害」なる造語も生まれました。

10月28日付京都新聞が「『観光公害』市民と摩擦 京都・やむを得ず外国人制限の店も」のタイトルで、その「惨状」をレポートしております。

この記事の中では、食器や灰皿を勝手に持ち帰ったり(窃盗では?)、ほとんど注文せずに長時間居座ったりする外国人観光客がいて、「売り上げが落ちた」と嘆く居酒屋の亭主も登場しております。

ごみや吸殻などのポイ捨てといったマナー違反のほか、「市民の足」だった市営バスが混雑して市民が乗れないケースなどもよく聞かされております。

 スペイン・コルドバ

観光客でさえこの有様ですから、今の安倍政権が躍起になって今国会成立を図っている「移民法」が制定されれば、今後どうなるんでしょうかねえ?住民とのトラブルは、日本人同士でさえ絶えないのに、ますます増えるのではないかと皮膚的感覚で危惧してしまいます。

それに格差社会が助長されるのではないかと心配もしております。