旧友再会

高校時代からの親友であるK君に久しぶりに会いました。

4月に東京に戻ってきてすぐにでも会いたかったのですが、お互いの日程が都合つかず3ヶ月経ってやっと会えたわけです。彼は、病気を抱えて、自宅療養中の身ですが、いつもこちらの方から人生上の難問を突きつけて、黙って聞いてもらうことが多いのです。

しかし、今回ばかしは、私自身の問題が重過ぎて、深刻すぎて、彼にも話すことができませんでした。35年の付き合いですから「阿吽」の呼吸でわかるでしょう。

昔読んだシャーロック・ホームズの一節を思い出しました。ホームズと友人のワトソンが同じ部屋にいたシーンです。こう書いてありました。

Old friends do not talk.

古い友人同士はあまり話をしないものだ。

まだ辞めない福井氏

福井さんがまだ恋々と権力にしがみついて、自己主張を繰り返している姿は、非常にみっともないというべきでしょう。

「辞めなくてもいい」と言っている連中も、自分に火の粉がふりかかってくるのを避けたい魂胆がある、と勘ぐりたくなります。

福井さんが辞めるべきだという意見の中で理論的に最も説得力があったのが、東京新聞のインタビューで登場したファンド・マネジャーの今田栄司氏の発言です。

彼によると、

1、村上ファンドのような私募型ファンドに参加できるのは、企業のオーナーか一部上場企業の社長などのVIPに限られ、一種の「秘密クラブ」になっている。

2、ファンドには裏保証として「10%の利回りは保証しまう」などと口約束で、元本割れしないようにこっそりと保証を約束している。(だから、福井氏の言う、若い人の志に賛同したなどいう奇麗事は詭弁にすぎない)

3、福井氏が2月に村上ファンドを売り抜けたのは、事前に村上逮捕の情報を知っていた節がある。これは究極のインサイダーではないか。

以上の3点だけでも、素人がみても大変説得力があります。

通貨の番人は日本だけに通用するのではありません。これだけ、グローバリズムの波が押し寄せている中、国際的にも非常に恥ずかしい話です。

コエンザイムQ10

 

最近よく耳にするのが「コエンザイムQ10」と呼ばれるものです。健康食品に含まれる成分だそうです。

 

この成分を入れた健康食品が売れに売れて、圧倒的なシェアを持つカネカという会社の株がここ2年で3倍近く跳ね上がったという記事も目にしました。(老婆心ながら今更買っても駄目でしょう)

 

しかし、内閣府の食品安全委員会は、「安全性を判断する科学的なデータが少ない」という理由で、コエンザイムの一日の摂取量の上限設定を見送ることにしました。

 

コエンザイムは、「美容や老化予防に効果がある」と喧伝されてきましたが、要するに、まだ効果があるかどうか分からないと言っているわけです。

 

胃の不快感などの軽い副作用も報告されているようです。

 

この手の話は本当によく分かりませんね。「効果があった」といえば、そういう人がいるかもしれません。しかし、数年ではなく、10年、20年の長期間、摂取続ける「人体実験」をしない限り、その本当の効果なんて分からないのでしょうね。

 

そのうち、コエンザイムなんてすっかり忘れ去られるのではないでしょうか。

夕張市倒産

怖れていたことが現実に起こったという感じです。

北海道の夕張市の後藤健二市長が6月20日に「財政再建団体の移行」を表明したニュースです。要するに夕張市の財政が破綻して倒産したのです。負債は約600億円。村上ファンドが運用していた最盛期の基金4444億円と比べれば、微々たるものですが…。

かつて「炭都」として栄えた夕張市には24の炭鉱があり、人口12万人を擁したそうです。それが、現在、人口わずか1万3千人。これでは、歳入が先細るばかりです。「過疎」に歯止めをかけようと、観光開発に膨大な投資(約11億円)を行った結果、ツケが膨らみ、地方交付税の大幅削減も原因で、この有様です。

皮肉を言えば、小泉「地方切捨て」政策が実を結んだということでしょう。

私は、2004年3月に吉永小百合さんが主演した「北の零年」のロケで夕張市に行ったことがあります。市内の中心地が、まさに「映画の街」になっており、「カサブランカ」や「ローマの休日」などの往年の名画の看板がそのまま「書割」となっていました。全く部外者の人間で財政のことが知らなかったので、「夕張国際映画祭も有名だし、素晴らしい街だなあ」という印象しかありませんでした。

「夕張メロン」も全国的に有名ですが、もともと、メロンの産地ではなく、炭鉱が下火になった後の街を全国的にどう売り出したらいいか、「苦肉の策で生まれた」と聞いています。これだけ「企業努力」しても、この有様です。私の愛する北海道が苦しんでいるのを見ると本当に忍びないです。

地方の過疎市町の倒産は、これから、もっともっと増えるでしょう。

財務省によると、2006年度末の国の借金の残高は約827兆円。地方の借金は約170兆円。合わせて約1000兆円にも上ります。孫の代になっても返せないでしょう。

これだけ借金があるというのに。お偉い政治屋どもが大きな顔で貧しい外国に円借款したり、金庫の番人が、密かに利殖行為を遂行したりする事実は全く理解できません。

まさに「日本沈没」です。

その頃、「今生きている人は誰もいないからいい」という話なんでしょうかね。

藤原正彦さん

「国家の品格」がベストセラーになった藤原正彦さん(62)の本職は数学者で、いわずれた知れた作家の新田次郎、藤原てい夫妻の息子さんです。

その藤原さんが、毎日新聞のインタビューですごいことをおっしゃていたので、そのまま引用します。

「東大、大学院時代は脳細胞を破壊するときいて、一切酒は飲まなかった。女性とのデートもゼロ、新聞も週刊誌も読まずに数学のことばかり考えていた」

な、な、な、何という発言でしょうか。

自慢じゃありませんが、私は学生時代は脳細胞が破壊されるほど酒を、しかも安い酒を呷るように飲み、女性とのデートは人並みで、新聞も週刊誌もむさぼるように読んだものです。

その結果が、今、如実に現れている、ということでしょうか?

送別会

今晩は、三橋さんの送別会を銀座の佐賀昇で挙行しました。集まったのは、冨山さん、浅野さん、堀内さん、佐藤さん、重城さん、井坂さん、私の計8人。

会社のこと、仕事のこと、将来のこと等、実りのある話し合いができました。

うーん、こういう話を部外者や門外漢の方に懇切丁寧に話すことは本当に大変です。コンフィデンシャルな話も多いからです。

いずれにせよ、誰がどう解釈しようが、極めて属人的で、俗人的な話でした。

失礼しました。

こういう話は恐らく詰まらないでしょうから次回は、気をつけます。

北海道仕様

日本でも有数の極寒地で3度も冬を越したせいか、すっかり体が北海道仕様になってしまいました。

暑いのに、寒くて、体温の調節がうまくできません。

今は、梅雨なので、とにかく、湿気が多くてムシムシしています。暑いので、寝るとき布団をかけないと、寒くて目が覚めてしまいます。それでいて、起きた時は、寝汗をびっしょりかいています。ドラム缶いっぱいくらいです。

何十年間も東京(近辺)の夏を経験してきたのに、慣れません。

その点、北海道の6月は本当にいい季節です。最高です。湿気がなく、からっとして、水も空気も美味しい若葉の季節です。冬の寒さをすべて帳消ししてくれます。北海道は、6月前後の春と初夏の素晴らしさがあるから、すべて許せるのです。美瑛を思い出します。かんの温泉も思い出します。ああー小樽も函館も思い出します。もちろん、知床も懐かしくて会いたくてしょうがありません。

満員の通勤電車に揺られて、街を歩いても人にぶつかり、こずかれ、排気ガスとドブの臭いのするスモッグだらけの銀座の空気を吸いながら、「ああ、北海道にまた行きたいなあ」と胸騒ぎがします。

福井総裁は辞任を

日銀・福井総裁の儲けの全容が判明しました。

運用益の総額は1473万円だそうです。1999年1月から2005年末に村上ファンドに1000万円を投資した結果の成績です。大手銀行に同じ1000万円を大口定期に預けた場合、99年1月時点の利率年0・40%を適用すると、利息は6年9ヶ月で計約27万円。

何という違いでしょう。

しかし、こんなことばかり書いているのも馬鹿らしくなりました。

福井総裁は、「責任を取って」これらの儲けを慈善団体に寄付し、自身の報酬月額の3割を半年間返上してでも、総裁という椅子にしがみつきたい旨を表明しています。

よっぽど、日銀総裁の地位が居心地いいのでしょうね。

しかし、そのうちこのニュースもすぐ忘れ去られるでしょう。

それに私がどうのこうの言っても、何の影響もないでしょう。

だから、こちらも備忘録として残しておきます。

風説の流布

日本では、今のところ言論の自由は保障されているので、何を書いても自由のようですが、ブログでも不特定多数の人が目にする媒体であるという理由から、たとえば、「A社は新製品を開発した。必ず売れて業績が伸びるから株が上がる」といったことを書くと、たとえそれが事実であったならばインサイダー情報になるし、自分の持っている株を売り抜けしたいので適当なことを書いたとしたら、風説の流布になり、いずれにせよ、証取法違反に問われるようですね。

ということは、いわゆる経済評論家やアナリスト、ファイナンシャルプランナーなどと言われている連中が、「この株は今、買いです」と言ったりしても、罪を問われないのかしら。

面白いのは、そういう専門家がご託宣しても世の中がそういう動きになるとは限らず、むしろ素人の口コミの方が信頼されて伝播して世の中に影響を与えているという事実です。(村上ファンドのように、大衆、いや金持ちを煽って実際に行動すれば、確実に株価に影響を与えますが)

専門家に限って、「後講釈」が多いのです。「ほら、私が予言した通りになったでしょう」という専門家の言動がいかに多いことか。無知な素人が株に手を出して、成功する確率は3割だそうです。残りの7割は、大損して1年以内に退散するそうです。それはそうでしょう。誰か、カモがいて損をしてくれない限り、誰も儲からないからです。

その点、村上ファンドを買って大儲けした日銀の福井総裁は即刻辞任するべきですね。

要するに、賭場を張っている胴元が自分でルールを作って儲けているようなものだからです。

ところで、私のサッカーW杯の予想は見事はずれてしまいましたね。豪州に1-3で逆転負けしたのが誤算でした。クロアチアにだって、1-0で勝っていたはずです。-というのがまさに後講釈。23日のブラジル戦では、2点差以上付けて勝てば、日本は決勝トーナメントに進出できるようですが、まず無理ですね。

それでも、テレビに出てくるタレント連中は「まだまだ望みがある」と煽っています。番組を見てもらわなければならないからです。そもそも、豪州戦にしろ、クロアチア戦にしろ、午後3時キックオフというドイツでは30度を超える炎天下の試合を選んだのは、日本時間が午後10時というギリギリの視聴時間に合わせた、視聴率だけが欲しい日本のテレビ局の「作為」があったようです。ジーコ監督も批判してましたね。

日本のテレビが駄目にしたのです。所詮、民放テレビはとにかく「モノを買え、モノを買え」というスポンサーのコマーシャルがメインで、番組なんておまけみたいなものですから。道理でテレビが詰まらないはずです。

バカ、いえ、リテラシーの低い人しかテレビを見ません。

あ、これも風説の流布になりますか?

法改正の怪

公開日時: 2006年6月18日 @ 10:25

I 先輩が面白い話をしてくれました。

ーー今ほど、新たに法律が改正されている時代はない。恐らく明治維新以来の法律の大改正の時代なのではないか。大変革の時代の真っ最中で、我々はその流れの渦の真っ只中にいるから気づかないだけ。後になってすごい時代だったということに気づくだろう。それだけ、社会が昔のシステムでは動かなくなってしまった証拠です。どんどん法律を改正していかなければ、追いついていけないという…。民事訴訟法なんかもコロコロ変わっていますよ。

私のように、法律には全く門外漢で、はっきり言ってそれほど関心がなく、もっと正直に言えば、できれば、一生、法律のお世話にならないで生きて行きたいと都合よく考えている人間にとっては、本当に寝耳に水のような話でした。

しかし、言われた通り、最近の法改正の目まぐるしさったらありゃしませんね。最近では会社法の改正や改正教育基本法、医療制度改革などがあり、そういえばイラク特措法や周辺事態法などというのもありました。共謀罪をどうするか先の国会ではもめていましたし、労働契約法の見直しも検討されています。

有斐閣が発行する法律専門誌「ジュリスト」の編集部も、これほど、法律が改正される時代も創業以来なく、仕事が追いつかないと嘆いているそうです。

お上は一体、何が目的なんでしょうね?

そういうことは、普段の些事に紛れている小市民には全く分からず、気がついたら「いつか来た道」になっていないように、心してかからなければなりません。