アッキード事件、欧米人の方が教育勅語に詳しい?

中国 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 日本に住んで、日々、何気なく生活していますと、世間で起きていることが極めてドメスティックなことで、異国の方とは関係がないので、外国人には興味がないだろうなあ、と思い過ごしがちです。

 でも、そんなことはないんですね。

 先週、「月末の金曜日は午後3時で帰っていいよ」(まあ、そんなことできるのは大企業だけだろうけどね)という「プレミアム・フライデー」(プレ金)なるものが初めて導入されました。

 霞ヶ関の官庁にお勤めの人まで、率先垂範して、非常にワザとらしく早めに仕事を済ませて、ビアホールに行ったり、ヨガ教室に行ったりする様子がテレビのヒマダネで取り上げられたりしていました。私なんか、見ていて白けて鳥肌が立ってきましたけどね(笑)。

 そしたら、翌日たまたまフランスの「フランス2」テレビのニュースを見ていたら、このワザとらしいプレ金が取り上げられていたので、吃驚。でも、このフランス人が取材編集したニュースでは、日本人の働き方について、昨今、大手広告会社での過労による自殺事件まで取り上げて、変革が求めれている背景があるとまで解説していたので、これまた吃驚仰天でした。

 へえ、あの独立独歩のフランス人が、遠く離れた極東の地で起きたことまで丁寧に扱っているんだなあと感心したものです。

 同時に、グローバリズムとは、当たり前のことながら、「ヒト、モノ、カネ」だけでなく、情報が瞬時に伝わるんだなあ、と今さらながら感心した次第です。(何を今さら!と「失業中」さんの声が聞こえてきました!)

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 今、日本で最も注目され、この渓流斎ブログでも、世間があまり注目していない早い段階から取り上げてきた(笑)森友学園問題ですが、今では、アッキード事件の別名もあるらしく、英国の高級紙ガーディアンは、何と既に2月24日付の時点で、ジャスティン・マッカリー東京特派員が記事を書いていたんですね。

 この方、かなりの日本通、いや、アジア通で、お隣の韓国の政変や金正男氏暗殺事件まできめ細かくフォローしており、これまた当たり前のことながら、読む限り、かなり優秀な記者です。

 Shinzo Abe and wife under pressure over ties to ultra-nationalist school ←The Guardian Fri 24 Feb 2017はこちら

ご覧の通り、マッカリー記者は、森友学園の籠池理事長が開校しようとしている「瑞穂の國小學院」のことを、ウルトラ・ナショナリスト・スクールとまで言っておりますね。

 そして、本文の中では、籠池理事長が運営する塚本幼稚園で教育勅語を暗唱する教育方針まで取り上げて、欧米人では教育勅語と言っても何のことか分からないだろうという配慮で、リンクを貼って、教育勅語がどういった内容なのか詳しく説明した文書まで添付されているのです。

 教育勅語のこと英語で、The Imperial Rescript on Education というのですね。

 皆さんもこの英文を読まれれば分かりますが、教育勅語を起草した井上毅(いのうえ・こわし)の名前まで出てくるんですからね!

 今の日本人でさえ、井上毅と言われて、すぐ分かる人は少ないでしょう。

 こうなれば、もうドメスティックなんて言ってられません。

 そこら辺のボンクラな日本人よりも、欧米人の方が遥かに教育勅語(日本語よりも英訳の方が分かりやすかったりして)のことも、井上毅のことも詳しかったりするわけです。

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 ということで、最近、こうしてiPadで、何か文字を読んでいると「読書」の仕方がすっかり変わってしまったことに気づかされました。

 特に、美術や音楽や映画など芸術関係の本を読んでいると、その登場人物の画像やプロフィールなどを知りたくなって、検索して、取り上げられた絵画や彫刻の画像や、音楽を実際に聴いてみたりしてしまうのです。

 例えば、ビートルズ(「アンナ」)やローリング・ストーンズ(「ユー・ベター・ムーブ・オン」)が好んでカバーした曲を歌ったアーサー・アレクサンダーという黒人歌手がいますが、昔なら、「そうなのか」で終わっていたのに、今では簡単にその歌手の経歴から画像まで見られ、オリジナルの原曲まで聴くことができるんですからね。

 百聞は一見に如かず、どころか、百読は一見、一聴に如かずということなのかもしれません。

 まさに、革命的ですねえ。私も、紆余曲折がありましたが、幸せな時代までよく生き延びたものです(笑)。