稀勢の里逆転優勝から見る角界の歴史社会哲学的驚天動地流考察論考

中国 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 昨日の大相撲大阪場所の千秋楽。19年ぶりの日本人横綱稀勢の里(30)が怪我を押して、照ノ富士を優勝決定戦で下して逆転優勝し、日本中を感動の渦に巻き込みました。

 会場では、どよめきと歓声で地鳴りが起きたとか。

 凄いですね。スポーツは、筋書のないドラマですから、誰もこんな展開が待ち受けているとは想像できなかったことでしょう。ご案内の通り、稀勢の里は十三日目に横綱日馬富士戦で左肩を負傷して救急車で搬送され、一時は休場までささやかれたというのに、稀勢の里は「自分の力以上のものが出た」と言いますからね。

 久しぶりの名勝負を見せてもらいました。

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 しかし、捻くれ者の渓流斎ですから、素直にこのまま万歳と喜んでいいものやら、と魔がさしてきてしまいました(苦笑)。

 まず、あれほど騒がれた八百長問題は一体どこに消えてしまったのでしょうか?

 今場所は、あまりにも出来過ぎたドラマなので、それさえ疑われる余地がないことを不思議に感じてしまいます。

 それに、あの八百長問題では急先鋒だった「週刊ポスト」でさえ、鳴りを潜めてしまっています。

 やはり、すべて真剣勝負、ガチンコ勝負だった、ということで一件落着しても問題ないということなのでしょうね。

 何しろ、休場が危ぶまれる大怪我をするぐらいですからね。

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 相撲は日本古来の伝統格技で、神にささげる神事とまで言われています。

 しかし、興行ですから、それにまつわる興行師、地元名士と呼ばれる裏社会の人たちが業界を支えているという事実を見落としがちです。

 関取のパトロンのことをタニマチと言いますが、大阪の地名の谷町から来たという説が有力だということはよく知られています。

 2017年2月18日の渓流斎ブログ「角岡伸彦著『ピストルと荊冠』は深く考えさせられました」でご紹介した部落解放同盟大阪府連合飛鳥支部長であり、広域暴力団山口組系柳川組傘下の金田組組員でもあった小西邦彦氏があの昭和の大横綱と言われた千代の富士のタニマチで、会合に出る約束を破った千代の富士を殴りつけたというエピソードが、同書の中に出てきます。

 山口組三代目の田岡組長と出羽の海一門、二所の関部屋一門のタニマチであったことも知られています。

 最近では、政治家への献金が発覚して不遇で亡くなった実業家や女占い師さんがタニマチとして有名だったらしいですね。

 タニマチになれなくても、懸賞金を出す富裕層も多くおります。あれは、相撲担当記者さんから聞いた話では、1本5万円で、力士本人には3万円の金額が懐に入るそうです。

 まあ、それがどうしたということで、こんな細かいことをゴチャゴチャ考えなくて、何も知らないで、ただただ、ハラハラドキドキしながら楽しんでいればいいかもしれませんね。
 
 日本的な、あまりにも日本的な世界で、世界中見渡しても他に何処にもない世界ですから、個人的には、この伝統は未来永劫続いてほしいと思っています。