左翼崩壊と右翼伸長戦略は、「昭和解体」にすべて書いてあった

Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

2017年6月11日。何故、今のような一強独裁の密告社会になってしまったのかと言いますと、第一に、選挙制度の小選挙区制にあったことは以前にも「国民の声」として書きました。

 1選挙区に1人しか当選しませんから、例えば有権者1万人の選挙区に10人が立候補し、その平均の1000票獲得しても当選しませんが、1位の候補者が1001票獲得して、2位以下が(1000票以下で)合計8999票となっても当選できるというシステムなのです。

 圧倒的多数の有権者が1位候補を支持しなくても、1位候補は当選し、逆に不支持票は死に票となります。これでは果たして、正確な民意を反映できるものなのか実に疑わしい。

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 もう一つは、2014年の内閣人事局の創設によって、官邸が官僚の人事権を全て握って、気に食わない官邸の意向に沿わない人間は好き放題に閑職に飛ばすことができるようになったことです。

 これで、独裁者は、権力の一極集中に大成功し、賢明なる官僚諸兄姉諸君は、面従腹背で、黒いものでも白と言い、独裁者の意のまま動くことになりました。

 その前に、「昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実」(講談社)を書いた牧久氏は、この著書の中で、戦後日本政治体制だったいわゆる「55年体制」の崩壊の直接の原因は、30年前の国鉄分割・民営化にあったと見事に喝破しております。

 単なる一(いち)国有企業の解体が、日本の針路を決定する政治体制にまでどうして影響を与えるのか俄かに信じがたい話です。
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 話を単純化しますと、30年前の「55年体制」には、国鉄(日本国有鉄道)利権を手離そうとしない政治家と経営陣と労働組合との派閥闘争がそのまま日本の政治を反映したというわけです。

 労働組合には、大きく分けて、国労(国鉄労働組合)と動労(国鉄動力車労働組合)があり、国労の背後に総評(日本労働組合総評議会)があり、総評の支持政党に日本社会党があったわけです。国労職員がそのまま、社会党から立候補して国会議員になっていたケースがあったわけです。

 動労の中央本部執行委員長だった有名な松崎明(2010年死去)は、元日本共産党員で、革マル(革命的マルクス主義者)派に籍を置いていた事実がありました。

 つまり、国鉄解体とは、イコール国労、動労の解体であり、イコール総評の崩壊であり、労組が支持していた社会党や共産党など左派勢力の崩壊となったというわけです。

 国鉄分割を総指揮した当時の中曽根康弘首相は、かなりの政治的野心と意図で、あらゆる戦略を使って国鉄解体に全ての意力を注ぎ込み、その最大の目的は左翼勢力の解体と壊滅にあったことを自分の著書の中で触れています。牧氏の著作(496ページ 終章 国鉄落城)からの孫引きですが、大変重要な箇所なので、引用させて頂きます。

 「ダブル選挙の圧勝と国鉄の分割・民営化によって、国鉄労組が分解して、総評が分解した。自民党を中心とする保守が都市に自信を回復し、ウイングを左に伸ばして、社会党の生存基盤を奪った。五五年体制の崩壊の兆しというのは、やはり国労の崩壊じゃないですか。国労が崩壊すれば総評も崩壊するということを、明確に意識してやったのです」(「天地有情」)

 なるほど、今の日本の左翼勢力の体たらくと極右勢力の幅広い拡大と「一強多弱」政治の原点は、30年前の国鉄解体にあったことが、この本を読むと手に取るように分かりますねえ。

江戸本所両国、迷い人のお知らせを致します

回向院

先日、江戸本所両国は回向院のことを書きましたので、是非とも一度は実際に行かなければならないですよ、との天からのお触れがありましたので、行って参りました。

回向院

皆様ご案内の通り、回向院は、明暦の大火で亡くなった10万人にも及ぶ被災者(無縁仏)を弔うために、四代将軍家綱の命で建立されました。

当時の江戸市中の人口100万人(当時の世界一)のうちの10万人(一説には10万8000人)が亡くなったというわけですから、とてつもない甚大な被害だったわけです。

岩瀬醒の墓

墓苑には、明暦の大火以外にも、安政の大地震の被災者や大正の関東大震災の被災者、それに先の大戦で、米軍による市民への無差別爆撃(東京大空襲)で亡くなった方々も葬られておりました。

他に著名人としては、浮世絵師の鳥居清長や戯作者の山東京伝、鼠小僧次郎吉らの墓もあります。戯作者山東京伝の本名は岩瀬醒。山東は、芝の愛宕山の東、京伝は京橋南伝馬町生まれから取ったそうです。
知らなかったでしょ?(笑)

鼠小僧次郎吉の俗名は?

中村次郎吉という実在人物だったんすよ。ですから、幕末の河竹黙阿弥が脚色して作り上げた人物とはちと違っていたようですが、歴史上の人物であったことは確かです。

江戸東京博物館

本当は、両国駅前の江戸東京博物館で開催中の「坂本龍馬 没後150年 特別展」を見に行くのが今回の小旅行の目的でした。(実際は、徘徊迷い人)

お目当ては、暗殺される5日前の慶応3(1867)年11月10日に福井藩の重臣中根雪江に宛てて書かれた龍馬の手紙。
その1カほど月前に将軍徳川慶喜が大政奉還したことから、新政府の財政担当として福井藩士三岡八郎(維新後の由利公正=五箇条の御誓文を起草)が適任なので、一日も早く三岡が京都に来て仕事ができるよう、藩内の手続きを進めてほしいと要請したものでした。

坂本龍馬展

異様とも言える凄い混雑で、龍馬が暗殺された時、持っていたとされる佩用刀「吉行」や暗殺現場に掛けていた血染掛軸「梅椿図」など、遥か遠くから垣間見るのがやっとでした。

特別展だけの入場料1350円は高いのでは?

すみだ北斎美術館

この後、昨年開館したばかりで、いつか行ってみたいと思っていた「すみだ北斎美術館」に行ってみました。

こう見えても、自慢ではありませんが、私は大の方向音痴なので、この美術館を探すのが大変でした。とにかく、方向音痴で、全く逆の隅田川の方まで行ってしまいましたから(笑)。

この美術館は、江戸東京博物館の半券があれば割引が効くというので、お願いしたら、割引券では、「複製」の狭い常設展だけしか見られないというのです。仕方がないので観覧料1000円也で企画展「てくてく東海道」までも見させてもらいました。残念なことに土地がないせいか、美術館にしては細いペンシルビルで、階段がなくて、四階までエレベーターでしか行けませんでした。

誰でも知っているジャポニスムを代表する「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」は葛飾北斎、齢七〇を過ぎた作品だったとは改めて驚かされました。しかも、北斎は満八十九歳で亡くなる直前、「あと十年、いや五年でもいいから長生きできれば、もっとうまく絵を描けるのに…」と言い残したとか。

悪いですが、文化国粋主義者みたいですけど、北斎は比類なき世界一の絵師ですなあ。

嫌になりますが、ここも混雑で、見にくかった。

吉良邸正門跡

せっかく、両国まで来ましたので、周辺の観光資源を、迷い人になりながら、全て回ってみました。(笑)

忠臣蔵 吉良邸跡

この赤穂浪士による討ち入りで殺害された吉良家の家臣小林平八郎(実際は上杉家の家臣で応援部隊)は、葛飾北斎の曽祖父だったとか。

芥川龍之介文学碑

勝海舟生誕の地

勝海舟生誕の地

芥川龍之介生育の地(生誕の地は、築地の聖路加病院の近く) JR両国駅東口からすぐ近くでした。芥川は、築地の牛乳屋さん(明治時代は冷蔵庫がないので、都心の近くに牛舎があったのです)新原敏三の長男として生まれましたが、母親フクが精神的な病を患い、母方の兄である幕臣の家系の芥川道章の養子となります。地元の両国小学校~府立三中(都立両国高校)と進み、無試験で第一高等学校に入学し、東京帝国大学で学びます。
小説家として一本立ちする決心ができたのは、師の夏目漱石の太鼓判もあったからでしょう。

漱石は、朝日新聞社の文芸欄を創設して、小説記者として活躍します。その師の姿を見てきた芥川も大阪毎日新聞社の社外社員となって、毎日に寄稿しました。

誠恐謹言

読売不買運動には反対します

大宮公園

読売新聞の不買運動がネット上で広がっています。

何故なんでしょうか?

と、一応惚けてみせます(笑)。

安倍首相の酒飲みゴルフ仲間の刎頚の友が理事長を務める加計学園に130億円余の便宜供与を与えて獣医学部大学の新設を「総理のご意向」で決めたのではないか、という疑惑がある最中に、その不正を告発した前川文科省前事務次官の人間性を冒涜するような下半身のスキャンダルに問題をすり替えた手口が、多くの読者の反感を買ったからでした。

外務省の機密漏洩事件を男女の問題にすり替えた西山事件を思い起こさせます。

昨日は一日中、この読売不買運動の投稿を読んで、笑ってしまいました。可笑しいわけではなく、ここまで言ってしまえるなんて、日本もまだ捨てたもんじゃない、といった感想に近いものでした。

勿論、知性のひとかけらもない暴論、暴言や事実誤認も散見されましたが、言論封鎖されたり、言論の自由を奪われるよりも遥かに健全でしょう。

投稿そのものに著作権があるかもしれないので、そのまま引用せず、換骨奪胎で我田引水しますとー。

●読売はゴミ。読まずに廃棄すべし。

●読売は、ナベツネ(渡辺恒雄主筆)の意見広告紙

●ナベツネは首相の靖国参拝は許さない。1000万人の読売読者を使って阻止すると言う。ナベツネは元共産党員だからな。

●そもそも、読売を買収した正力松太郎は警察官僚で、記者に多くの警察官を採用したから、「オイ、コラ」体質が抜けないんだよ。

●正力はCIAのエージェントだったからな。

…うーん、まあ、よく御存知だこと。

●官邸からのリークを確かめもせずに記事にする読売新聞の責任は大きい。

…確かに、読売は「前川前事務次官が、売春の温床になっている新宿・歌舞伎町の出会い系バーに出入りしていた」とウラも取らずに官邸リークのまんま報じ、週刊文春が、そのお相手となった女性に直接インタビューして、「不純な関係は一切なかった」と否定していたのにも関わらず、今度は原口隆則社会部長の署名入り記事で「次官時代の不適切な行動は、メディアが報道すべき公共の関心事である」と反論し、火に油を注いだ格好になってしまいました。

かわいそうに。原口という人は、直接知らないのですが、あれは本心で書いたのかなあ、と思わず同情してしまいました。「無理矢理書かされた」とか、「出世したいから進んで忖度して書いた」という説がネットで飛び交ってます。

記事では「私たちは、これからも政権・行政の監視という報道機関の役割を果たしていく」と締め括っていますが、時の権力者から「読売を熟読しなさい」と太鼓判を押された御用新聞に政権監視能力が一切ないことは明々白々でしょう。

ブラックジョークにしてもほどがある(笑)。恥知らずですね。天下の読売もここまで地に堕ちたのか。だから販促活動のドル箱の職業野球読売巨人軍が球団設立以来最悪の13連敗を記録するんですよ。

読売新聞は、もともと尾崎紅葉の「金色夜叉」で部数を伸ばした小新聞で、東京だけの小さなローカル新聞でした。

大正になって潰れかかっていたところを、虎ノ門事件で警察官僚(警視庁警務部長)を懲戒免官された正力松太郎が、東京市長の後藤新平から大金を借用して買収したのでした。

そして、何と言っても「販売の神様」務台光雄がいたからこそ部数が拡大したわけで、大阪進出が1952年、九州が62年、名古屋が74年で、つい最近、やっと全国紙になった新聞社なのです。

その間、「インテリが書いてヤクザが売る」と噂される凄まじい販売店争奪戦争が勃発し、小説になったり、映画化されたりしたものです。

とはいえ、私は読売不買運動には反対です。御用新聞だろうが、広報宣撫機関紙だろうが、存在意義があるからです。

キューバのカストロと同年齢のナベツネさんが存命中は、このままの状況が続くことでしょうが、その後は変わるかもしれませんからね。

読売頑張れ!もっと顰蹙を買って、御用新聞の存在意義を示せ!

「政治少年死す」を読み考えたこと

東京・新富町

ノーベル賞作家大江健三郎(82)が56年前の1961年に雑誌「文學界」2月号に発表して以来、右翼団体からの抗議で一度も書籍化されることがなかった中編小説「政治少年死す」が、来年7月から刊行開始する「作家デビュー60周年記念 大江健三郎全小説」全十五巻(講談社)の中に初めて収録される、ということで話題になっております。 

 「政治少年死す」は、1960年の浅沼稲次郎社会党委員長の刺殺事件(東京・日比谷公会堂)の被疑者で、勾留中に自殺した右翼団体「日本愛国党」の山口ニ矢少年をモデルにした小説「セヴンティーン」の続編です。

浅沼事件は、たまたまテレビでも放送され、刺殺の瞬間をとらえた毎日新聞のカメラマンは、確か、最後の残り一本のフラッシュかフィルムでギリギリ撮影したものだと回顧していました。この有名な写真は、ピューリツァ賞を受賞したと思います。間違っていたら訂正しますけど(笑)。

私は、皆さんと同じように、若き頃、「セヴンティーン」は読んだことがあります。そして、また、皆さんと同じように、その続編「政治少年死す」も読んでみたいと思っていましたが、当時はその願いは叶いませんでした。

それが、今のようなネット全盛時代となると、今では、この小説がネット上にアップされていることを発見して驚きました。全集に収録されなくても、簡単にこの小説が読めてしまうんですね。本当にびっくりですよ。

私も早速、ダウンロードしました。56年目にして読めるとは、非常に感慨深いものがありました。

大江健三郎は、ノーベル文学賞を受賞した方ですから、当然ながら、50年に1人出るか出ないかの大天才です。この小説も25歳の時の作品ですから驚愕します。私も、彼の「個人的体験」「万延元年のフットボール」「新しい人よ目覚めよ」…代表作はかなり読みました。

しかし、実際にお目にかかったりしたりすると、大変がっかりしたこともあり、一気に彼に対する敬意も覚めてしまったことがありました。ここでは理由は書きませんけど(笑)。

それは置いといても、やはり、彼の文才には尋常ならざるものがあります。今の25歳は書けないでしょう。

というのも、「セヴンティーン」にしろ、その続編の「政治少年死す」にしろ、浅沼刺殺事件が起きて、一年も経たないで、同時代として発表しております。フィクションの体裁を取っておりますが、ほぼノンフィクションに近いのです。

当時、日本でも公開されて大ヒットしたアラン・ドロン主演の映画「太陽がいっぱい」と思しき映画も出てきて、非常にタイムリーで、舞台も、原爆投下からまだ15年しか経っていない広島だったり、後に「ヒロシマ・ノート」を書く大江本人と思われる若い作家まで登場してこの右翼少年からナイフで恐喝されたりして、微苦笑を禁じ得ませんでした。(誹謗中傷する意図は全くありませんよ!)

「教育勅語拝読」「御真影」「左翼どもが」…などとまるで今のネトウの先駆者のような言辞を少年の口を借りて披歴して、とても56年も昔の作品とは思えませんでした。

1960年代初めは、深沢七郎の「風流夢譚」事件(中央公論社嶋中社長宅刺殺事件)などもあり、右翼によるテロが横行して、市民に恐怖を与えていた時代でした。

(「風流夢譚」は発禁本となったので、私は仕方ないので国会図書館まで足を運んで読みました。私は、右翼でも、左翼でもなく、単なる負け組ですが、正直言って、酷い残酷な作品で、これなら右翼でなくとも怒るのは無理もないなあ、と思いました。ただし、刺殺事件などのテロを起こすことは言語道断で許しがたいですが)

東京・銀座シックス

今は、安倍菅独裁政権によって、忖度社会となり、言論の自由まで脅かされている時代となってしまいました。

右翼テロ全盛期の1960年代初期に発表できなかった作品が、今、発表できるなんて何か面妖な、不思議な気がします。

この小説にご興味のある方は検索してみてください。そのうち削除されるかもしれませんから。

民間議員が怒っている!

紫陽花

【京都三条河原の落書】

●祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる自公も久しからず

●文科省は再調査しません

●安倍様の耳はロバの耳

●加計学園を認可したのは「国家戦略特区諮問会議」であって、総理の意向が働くわけがない。腹わたが煮えくりかえる。民間議員の竹中平蔵様も怒っている

●あったものをないというわけにはいかない

●印象操作で事実をねじ曲げないでくださいよ

●わが広報紙読売巨人軍は永遠の不滅です。42年ぶり球団ワーストの11連敗

●加計そば、一丁

忖度社会 VS 印象操作

目黒不動尊

ーあれっ? 渓流斎先生、休筆したんじゃないんすか?

いやあ、どうも最近の忖度社会には妙に気になっちまってねえ。「物言えば、唇寒し」では駄目でしょう。

ー眼精疲労ではなかったのでは?

もう、そんなこと言ってられんでしょ。いずれにせよ、最近発売されている週刊誌の見出しだけでも読んでご覧なさい。

●加計学園問題 「規制緩和」〝偽装〟した「便宜供与疑惑」ー森友疑惑に続き「知らぬ、存ぜぬ」

●前川前文科次官が反乱した本当の理由(「サンデー毎日」6月18日号)

●安倍官邸に巣くう加計学園人脈 前川前事務次官に迫った和泉首相補佐官は「菅官房長官の市議時代からの友人」/首相の側近らは「加計」系列大学の客員教授に…(「週刊朝日」6月16日号)

●安倍政権に96億円カツアゲされた今治市 加計学園問題 貧乏自治体にお金を出させて、国は1円も出してくれない!?(「週刊SPA!」)

●加計学園スキャンダル 「前川の乱」に激怒して安倍が使った「秘密警察」(「週刊現代」)

●加計学園問題 「あったものを、なかったことにする」総理周辺の“見過ごせない発言”ー「いいとか悪いとかではなく『一強』だからできる」

●加計問題 内閣参与も特区推進を前川氏に要請(「週刊文春」)

●「安倍官邸」一強で日本が失ったもの▼恐怖人事「菅官房長官」の「前川個人攻撃」全発言録
▼証人喚問!? 「前川前次官」はキャリア試験4位の大資産家御曹司▼獣医学部新設で「加計学園」は本当に儲かるのか(「週刊新潮」6月8日号)

ーなあるほど。凄い忖度社会、秘密警察社会が到来した感じですね。

まあ、これら全ては、安倍首相に言わせれば「印象操作」になるらしいけど、やはり、本音を書けるのは週刊誌で、新聞は駄目だね。建前しか書かないから。

ーそれは、昔からそうだったんじゃないですか。ロッキード事件だって、フリーライターが月刊誌に田中金脈暴露記事を書いたら、新聞記者の連中は「そんなこと前から知ってた」と嘯いてましたからね。

それより気になるのは、安倍首相の広報機関紙に成り下がっってしまった讀賣新聞。記者たちには、隔靴掻痒、忸怩たる思いはないのかなあ。まあ、あそこの「週刊読売」はとうの昔に廃刊したから、もう本音が言えないメディアになったけど、このままでは本家本元の新聞も危ないね。元検察官で弁護士の郷原信郎氏は「読売新聞は死んだに等しい」とまで長い論文を書いているからね。ネットでも読めるよ。

ー官僚の事務次官と言えば、昔は泣く子も黙る最高権力者だったのに、文科省の前川さんを見てても、官邸に人事権から何から何まで権力が集中して、事務次官なんか子供扱いですね。

そりゃあ、霞ヶ関の官僚様は、日本で最も頭が賢い集団だから、自己保身には長けてますよ。何を聞かれても、偉そうに「ノーコメント」だからね。しかし、鶏が先か、卵が先かの問題になるけど、菅官房長官は、前川前事務次官のことを「天下り問題の責任を取らず、事務次官の職に恋々としがみついていた」と非難していたけど、あれは逆だね。
加計学園の認可を渋っている 前川氏を陥れるために、文科省の天下り問題を官邸がマスコミにリークして、前川失脚を図ったというのが専らの噂だよ。

ーなるほど、それならすっきり謎が解けましたね。2014年の内閣人事局の設置や国家戦略特区制度も、加計学園ありきの撒菱みたいなツユ払いだったわけですか。

そりゃそうだよ。悪いけど、文科省なんて霞ケ関では二流の役所。本丸は財務省や経産省なのに、あれだけ天下りがあるのに、なんにもリークされない!せめて、不正融資問題で揺れる商工中金の安達健祐社長が、経産省事務次官からの天下りだったことが話題になったぐらいでしょ?

ーごもっとも。先生も夜道には気をつけて。月の出ない日もありすから。

渓流斎、ついに断筆宣言?!

江戸城大手門口

【政治屋】
うまくいった。帝国議会で、やっと俺様一強多弱法案が通過したぞ!これからも縁故主義を徹底し、気にいらねえ奴は、どんどんしょっぴいてやる。讒謗律でも新聞紙条例でも国防保安法でも何でもいい。

とにかく、主義者や危険思想の持ち主、扇動家、弱い無名ブロガーはドンドン逮捕しろ!

【公安当局】

へー、八丁堀の旦那、分かりやんした。

あっしも、渓流斎とかいう野郎、むっかしから気に喰わなかったんでがんすよ。

あんの野郎、いつも調子の良いことばかしほざきやがって、ただじゃおけねえ。そう、思ってたところでがんすよ。

市中引き回し、獄門、遠島…何でも御座れ。

あやつの息を止めて、まずは金輪際、ブログなんぞで危険思想をばら撒かないよう断筆宣言させましょう。

お約束致します。

何の花かなあ?

【渓流斎】

最近、スマホ中毒で眼精疲労になってしまいました。

ススメ ススメ ヘイタイサン ススメ

木口小平ハ テキ ノ タマ ニ アタリマシタ ガ、シンデモ ラッパ ヲ クチ カラ ハナシマセンデシタ(尋常小学校修身書)。

渓流斎は寝ても覚めても、電車に乗っても、トイレに入ってもスマホを離しませんでした。

これじゃあ眼痛で夜も眠れない。

百薬の長の酒だって、呑み過ぎたら身体に悪い。賢者は「休肝日」を設けるものです。

て、ゆうことで、小生も「休刊日」ではなく「休眼日」を設けることにしやんした。

それゃあ、毎日毎日、小さな液晶画面ばかし見てたら、お目めさんも疲れますよ。

今、毎月400円払えば、週刊新潮、文春、現代、ポストを始め、月刊誌まで100冊ぐらい読めるネットサイトもあり、契約しようか、どうしようか悩みましたが、やめました。あの憎っき、ドコモですからね(笑)。それに、人智を超えているというか、自分の処理能力を超えてます。

100冊なんか読めるわけない。しかも、液晶画面で眼が痛くなる。それで人生が終わってしまう…(笑)。

…ちゅうことで、断筆はしませんが、たまには休筆させていただきます。

熱烈な読者諸兄姉の皆々様方にはご迷惑をおかけしますが、今後とも御指導、御鞭撻の程宜しゅうお頼み申し上げ仕りまする。

オレオレ詐欺師に重罰を!

明治18年創業 新橋「むさしや」

早速、京都方面から飛脚便がやって参りました。

「渓流斎さんとやら、酒卸の岡永も知らなかったのですか?! 自称探訪記者も失格ですね」

はあ、おっしゃる通りです。

「岡永とSECOMとの関係も有名ですよ。その昔、飯田亮セコム最高顧問にお会いして、色々お話を伺ったことがあります。彼は若気の至りで最初は色んな商売に手を出して、ご尊父から『馬鹿野郎、商いは儲かればいいというもんじゃない。商いは信用が第一だ。一度、信用を失うともう二度と取り返しがつかないんだぞ。この恥さらしが!』と散々怒られて、今の警備会社を始めたのですよ」

はあ、なるほど、そうだったのですか。

「酒卸とはいっても、口銭商売ですから、一つ一つ積み重ねて、地道の努力で販路を広げて、信用第一で商いを広げてきたわけです。今のIT長者とはわけが違いますよ」

なるほど、なるほど。

「セコムの飯田最高顧問も、当時お会いした頃は、青年実業家として日の出の勢いで業績を伸ばしていた頃でした。若くてバイタリティーに溢れていました。いわゆる太陽族世代ですからね。それが、今や八十半ばになるのですからね。時間が経つのは早いもですよ」

なあるほど。

三軒茶屋 教学院

先日会った友人の岩本君から、とんでもない話を聞きました。

いわゆるオレオレ詐欺です。最近の犯罪はさらに巧妙化して、老人をコロッと騙してしまうのです。

彼の70歳代後半の老母に、ゆうちょ銀行員を名乗る男から電話がかかってきました。「最近、カード犯罪が多発して、パスワードが盗まれている。オタクもパスワードを変更した方がいいですよ」と優しくアドバイスしてくれたそうです。

すっかり、慌てて動揺してしまった岩本君のご母堂は、これで完全に犯人の罠にはまってしまいます。

犯人は、「こちらで、操作してパスワードを変更しますから、言ってください」と誘導尋問をするのです。ご母堂は正直に答えてしまいました。

続いて犯人は「預貯金は、ウチのゆうちょ銀行だけではないでしょう?この際、他の銀行の方もパスワード変更の手続きをしますから、お伝えください。これは、貴方様だけの特別サービスで無料でさせていただきますから大丈夫です」と言うではありませんか。

すっかり、相手の親切心に感動したご母堂は、犯人に言われるまま、全部の銀行のパスワードを教えただけでなく、この後、犯人が自宅にまで派遣した銀行員の格好をした手下に銀行カード5枚も渡してしまったというのです。

これで、後で分かったのですが。その日のうちに合計500万円も降ろされてしまいました。

夜遅く帰宅した岩本君が話を聞いて、夜中なのに、全ての銀行に電話して、カードをストップしてもらいましたが、500万円は手遅れでした。

もちろん、警察に届けましたが、詐欺にあった金額が丸々返ってくるかどうか…まず、泣き寝入りになってしまいそうです。

オレオレ詐欺のニュースは度々目にも耳にもしますが、こんな身近で起きるとは思いませんでした。犯人集団は、恐らく、騙されやすい老人の自宅住所と電話番号のリストを持っているということなのでしょう。

政治家の皆さんには、人権侵害するような変な法律を作る前に、こんな身近な、何年経っても減らないオレオレ詐欺の取り締まり強化と重罰化する法律改正に力を入れてほしいものです。

不逞の輩は、良心の呵責に駆られることなく、皆さんのすぐ隣で歩いているわけですから。

岡永を知らないなんて潜りですよ、渓流斎さん

水上勉記念館「若州一?滴文庫」 Copyright Par 京洛先生

 昨晩は久しぶりに酩酊してしまい、どうやって帰ったのか、覚えていません(笑)。お相手は、杉並区で出版社をやっている中学時代の同級生石田君。何か、彼だけは不思議と縁がつながっている友人で、何年ぶりかに会っても「おう、久しぶり」と言える仲なので有難い。

 場所は天下の東京駅近くの大衆居酒屋「加賀屋」。ここは、もう10年近くも昔に調布先生から教えてもらい、そこで雑誌編集者の小豆生田君とその後奥さんになった美人弁護士さんと初めてお会いした所でした。ここは、あの京セラ創業者の稲盛さんがちょくちょく顔を出すということで、「そう言えば、あれ以来行っていないなあ」ということで、石田君との待ち合わせをそこにしたのでした。

 いやあ、結論から先に言いますと、うるさかった(笑)。予約客で超満員でした。少し早めに行ったので、ギリギリ席を確保できた感じでした。あまりにも人が多いので、注文しても言葉が通じないのか、全然持って来ないし、他の人に頼むとすぐお代わりを持ってきてくれるので、コツを覚えたりしました。

 残念ながら、稲盛会長とお会いすることはできませんでした(笑)。 

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 それにしても、天下の中心、東京・八重洲周辺もすっかり面影がないほど変わってしまいました。石田君も「東京もとうとう新宿化してしまったね」と言ってましたが、その通りでした。昔はもっと節度がある大人の街だったのに、いかがわしい客引きがいたり、いやに多くのつるんだ連中が歩道を横並びで歩いてふさいだりして、嫌になりました。

 その前に、東京駅構内も歩きましたが、異様な人ごみで、向こうからぶつかってきても平気な男でなく女が増えましたね。大きなボストンバッグを抱えた外人も増え、足の踏み場もなくなってきました。

 さて、「加賀屋」でしこたま呑んだ後、日本酒評論家の石田氏が是非とも行きたいと言っていた「ふくべ」にもお連れすることにしました。この店は、とにかく、日本酒の種類では東京都内でも1,2位を争うぐらいの品揃えがある居酒屋として、通の間では有名です。店内には日本各地の地酒の小さな酒樽が飾ったりしていて雰囲気があります。ここも、久しぶりでしたが、昔と比べて、妙にOL風の女性客が増えた感じでした。

 私は、石田君に「どうだ、この店は雰囲気いいだろ?」と言って、彼から褒めてもらえるかと思ったら、彼は浮かない顔です。

 店内に50本ぐらい並ぶメニューの全国の酒の看板を見ながら、「Aクラスの酒は置いてないな」と言うのです。そして、「Bクラスならある」とスラスラ言うのです。

 読者の皆さんも興味があると思いますから、特別にそっと、石田先生の仰るそのBクラスの日本酒をお教えしませう。得しましたね(笑)。

「出羽桜」(山形)、「一ノ蔵」(宮城)、「浦霞」(宮城)、「開運」(静岡)、「菊姫」(石川)、「五橋」(山口)、「梅錦」(愛媛)

 看板には私も愛飲している有名な「菊正宗」や「桜正宗」や「久保田」などもありましたが、もはやBクラスではないそうです。それらはもう大量生産で、「水増し」したりして、かなり味が落ちてしまっているというのです。特に蔵元で、先代が亡くなって、代替えすると、新しい頭領にやる気や利発性(思慮深さ)、味覚の拘りがなければ、どんどん味が落ちてしまうというのです。

 その中に、昔は銘酒の中の銘酒と言われていた「剣菱」(広島)も入るそうです。残念ですね。奮起を期待したいです。

 日本酒評論家石田先生のお勧めの「Aクラス」は、この店になかったので、後日教えてもらうことにしました。

 そして、彼はこう呟くのです。「この品揃えからすると、岡永だな」

 何、それ?岡永って何?

 石田先生にせがんで聞くと、岡永とは、東京、いや日本を代表する明治から続く老舗の酒の卸会社なんだそうです。要するに酒の流通の総元締めみたいなもんです。

 知らなきゃ潜りなわけです(笑)。

 そして、この岡永の創業者は飯田一族で、会長は、あの警備保障会社のセコム社長の飯田さんと兄弟だというのです。えっ?何? それも知らなかった。

 そこで、翌日、二日酔いの頭で調べてみました。

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 そしたら、こんなサイトを発見しました。
 
 「実はあまり知られていない社長になった兄弟たち」http://the5seconds.com/brothers-president-984.html

 このサイトによりますと、飯田兄弟と言えば、業界ではかなり有名で、長男飯田博は酒卸問屋の「岡永」社長、次男保は居酒屋チェーン「天狗」で有名なテンアライド社長、三男勧はスーパーマーケット・オーケーストア社長、末弟亮はホームセキュリティのセコム社長(四男の方は事業家にならず)だというのです。

 へー、知りませんでしたね。岡永と天狗とOKストアーとセコムが兄弟だっとは!

 あの物識りの京洛先生もご存知でしたかねえ…(笑)。

 ま、非凡なる凡人(国木田独歩)は何の取り得もありませんから、長生きはするもんですね(笑)。パズルが解けたような気分で爽快です。

小選挙区制は独裁国家にする

亀戸「升本」

この度、帝国市議会選に立候補した仲里依紗男で御座います。

今節の森朋学園、家計学園問題等を見ましても、火のないところに煙は立たないのでありまして、安部心臓首相がいくら否定しても、縁故によるものであることは明々白々で御座います。

縁故とは「決められる政治」であり、決められる政治とは、まさに独裁政治であります。

21世紀の日本で、何故、独裁政権が誕生したのかと言いますと、その原因は20世紀末に細川衛熙政権が地味党の河野妖平総裁とタッグを組んで成立させた小選挙区制にあることは、選挙権のないお子様にでも分かる明々白々の事実なのであります。

先生御案内の通り、小選挙区制は1区に1人しか当選できません。わずか100票差で2位となっても落選し、死に票が累々と蓄積されるわけで御座います。

近頃の地味党政権を見ましても、得票数がわずか4割なのに8割もの議席を確保しているのが現状であります。

これが、小選挙区制の恐ろしさであります。

この仕掛け人は、今は「終わった人」地味党の小沢二郎幹事長でありました。彼は、自分の意のままに「決められる政治」をしたいがために、中選挙区制に固辞する政治家を「守旧派」と名指しで批判して、マスコミまで巻き込んで一大キャンペーンを張り、ついに地味党を飛び出して、細川連立政権を樹立することに成功したのです。

「政治改革」の美名の下で、小選挙区制に賛成したのは、朝日新聞はじめ全ての大手マスコミだけではありません。政治学者の佐々樹毅、山口一郎、それに田藁総一朗ら「リベラル」というお面を被った詐欺師集団もこれに同調して、こういう事態になったのです。

当時、小選挙区制に反対した政治を熟知した地味党、社外党の議員は、戦時中の大政翼賛会と「選挙」を戦った非推薦政治家と同じです。今なお、「リベラル」とかアホみたいな念仏を唱えて、反省もしていない山口一郎なんてのは姜尚大、藤原帰二らと同根です。彼らは「新体制運動」と呼んで東条英機独裁政権を生んだ近衛文麿(戦後自殺)とやったことは同じです。

アホなリベラルと違って、小選挙区制に断固として反対した政治家は、意外にも石原慎次郎と野仲広務ぐらいで、政治学者は佐伯思想という保守本流ばかりです。

帝国民ファーストなどといういかがわしい連中ではないのであります。

独裁安部政権は北朝鮮を批判していますが、今の日本は北朝鮮とまったく同じで、「誰が話を聞いてスパイしているか?」と戦々恐々としている時代なのであります。

もうすぐ「共謀罪」も成立しますから、さらに酷くなり、早晩、日本は密告社会になります。トントントンカラリンと隣組です。あっ?知らない?これまた、失礼いたしやんした!

渓流斎ブログとやらにも、さらに監視を強化して、反体制派の危険思想の取り締まりには、昨日打ち上げに成功したGPS衛星「みちびき」の精度を上げて参る所存で御座います。

以上、清き一票、宜しくお願い申し上げます。