ブルー・オーシャンで明るい未来?

勝間和代です。

と、書いて後が続かなくなりました(笑)。

皆さんも、新聞を一紙だけでなく、いや井川さんのようにゼロ紙ではなく、毎日6紙ぐらい、週刊誌を3誌ぐらい3カ月ぐら読み続けて、その違いを批判していけば、池上さんぐらい立派なジャーナリストになれます。

少なくとも世の中の動きについて行けます(笑)。

「森友学園」への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で、大阪地検が佐川宣寿・前国税庁長官(60)らの虚偽公文書作成容疑について、あえて不起訴処分にしたのは、佐川さんがエリート中のエリートの「キャリア」だったからなんでしょうね。

今や大作家として名を成した元外務省分析官の佐藤優さんが逮捕されて、牢屋にまで入れられたのは、彼が「ノンキャリア」だったからなんでしょう。

新聞を読んでもそんなことは何処にも書かれていないでしょうが、何が書かれているか、よりも、何が書かれなかったか、の方が重要なんですよ、井川さん。

で、私は今、複数の本を併走して読んでいるので、頭が佃煮か福神漬け状態です(笑)。今日は、堀江貴文・落合陽一「10年後の仕事図鑑」(SBクリエイティブ、2018年4月13日初版)を少しだけ取り上げます。まだ、読み始めたばかりだからです。「著」と書かなかったのは、今を代表するホリエモンと新進気鋭の学者の二人が対談したものを、ライター長谷川君がまとめたものらしいからです。(あとがきに書いてありました)

内容は、AI(人工知能)の導入によって、「なくなる仕事」や逆に「生まれる仕事」、「お金の未来」、「幸福と社会」などについてです。

二人の「著作」を読むのは生まれて初めてです。後ろの「参考文献」を見てみると、一冊も読んだことがない!(二人の著作が7割ぐらいのせいか)

道理で、考え方も発想もまるで違うのか、と納得しました。

この中で、「ブルー・オーシャン(青い海)」(競争相手のいない未開拓の市場)という概念を初めて知りました。

これは、欧州経営大学院のW・チャン・キム教授とレネ・モボルニュ教授が、「ブルー・オーシャン戦略」という共著の中で提唱したビジネス用語で、翻訳版が2005年に出ているそうです。もう13年も前ですか。。。不明を恥じるしかありませんね。

ブルー・オーシャンの対義語がレッド・オーシャン(赤い海)で、血で血を洗う競争の激しい領域のことなんだそうです。

本書では、ブルー・オーシャンのことを「競合の多い分野ではなく、他人と違うことをやっていくということを基本にする考え方」と注釈で説明していました。

なあんだ。これまで、自分が少年の頃から、自ら進んで取ってきたやり方じゃありませんか。右へ行けと言われれば、左に行くし、左に行けと言われれば、右に行くというやり方。。。しかし、その成れの果てが、今の自分の姿ですからねえ(笑)。

「北斗の拳」のケンシロウに「お前はもう死んでいる」と言われた私ですから、10年後、20年後の仕事がどうなっても、「アッシには関わりがねえことでござんす」と答えるしかありませんが、どうも最近、AI、AIと騒ぎ過ぎのような気がします。

この本には出てきませんでしたが(多分)、産業革命で機械化されて失業者が多く出た時に、「ラッダイト運動」というのが起きました。19世紀初めの英国です。織物工場で、機械の打ち壊し事件が多発したのです。

別にAIが導入されなくても、過去にはそういう事件があったということです。技術の進歩と時代の流れは致し方ないということでしょう。別に偉い学者さんから言われるまでもありません。蒸気機関車はなくなったし、昭和40年代ぐらいまでいたバスの車掌さんもワンマン化でなくなったし、デパートのエレベーターガールもいなくなったし、三業地帯もほとんどなくなったし、料亭政治が減って、大塚や赤坂の料亭の多くは廃業しましたし、最近では受付嬢もAIロボットに変わりつつあります。

物事の本筋や本道や本質は、100年前も500年、1000年前も変わっていないと思っております。

でも、私自身は未来については悲観してません。むしろ、切り開き、努力すれば、明るい未来がやって来ると楽観してます。