豊中市の元国有地と金融リテラシー

バチカン市国

昨日、毎日新聞の名物政治コラムを読んでいたら、国有地がお話にならないくらい破格的安価で売却された今話題沸騰の森友学園瑞穂の國小學院の敷地がもともと何であったかについて触れていて、昭和42年の時点の登記簿では「池沼(ちしょう)」だったことを書いていました。

大阪府豊中市は、その後市内は急速に宅地化して、その沼池も間も無く埋め立てられて、住宅地か何かになっていたのでしょう。

そこで思い出しました。

バチカン市国

渓流斎の叔父さんがこの豊中市に住んでおりまして、私めは大阪で万国博覧会が開催された年の夏休みに1週間ぐらい泊まらせてもらったことがありました。

昭和45年、1970年のことですから、もう47年も昔です。そんな遠い昔の記憶を辿り寄せてみると、その叔父さんの自宅の近くに確かに沼池があったのです。

我々は、叔父さんの自宅からその池沼を迂回して最寄り駅に行き、そこから、モノレールに乗り換えて万博会場に行ったことを覚えています。私は、当時最先端の(笑)コダックのインスタントカメラを片手に大興奮で、「月の石」を見たり、当時珍らしかった「歩く歩道」に乗ったりしたものでした。

こんな体験をした人は、今では50歳は軽く過ぎているんでしょうね。御愁傷様でした(笑)。

ということで、半世紀近く経って、あの豊中市が脚光を浴びて「へー」と思ってしまったわけです。
嗚呼ローマ

ところで、話は変わって、最近、年を取ったせいか、学生時代の友人らは疎遠となり、殆ど滅多に電話がかかってこなくなりました。

その一方で、急激に増えたのが、売り込みやセールスです。昨日なんか、口座のある銀行から2件もありましたからね!

庶民ですから大した金額じゃないんですよ。なけなしの、という表現がありますが、無い袖は振れない金額です(笑)。

それなのに、「いい投資があります」だの、「効率的な運用は如何ですか」だの煩い、煩い。

私は、東洋経済とダイヤモンドと週刊現代の「騙されるな」シリーズと山崎元先生の本を読んで勉強してますから(爆笑)、単に銀行証券金融機関は、手数料を荒稼ぎしたいがために商売としてやってるだけだといことを知っております。はい。

だから、奴らは阿漕ですね。実に不埒ですね。羊の皮を被った狼です!

何と言っても、奴らは軍資金をただ同然で仕入れて、高額な利息を取る脱法スレスレの商売をしているわけですから。

とにかく、アホノミクス(浜矩子教授命名)とバズーカ黒田のおかげで、マイナス金利ですからねえ。どうにかならないもんですかね?

皆さんは大金持ちだから、今の金利を知らないでしょうが、現在銀行の定期預金の金利をご存知ですか?僅か、0.01%でっせ、銭形の親分。

1000万円預けても、年間たったの1000円。いや、国税、地方税とで搾取されますから、手取りたったの800円程度。今、1000万円も1年間預けて、銀座でロクなランチも食べられないようでは、大いに笑ってつかわさい。

その一方、法定貸出金利は18%ですからね。100万円で18万円も取られます。森脇将光の世界です(笑)。やはり、氷貸しが一番ですよ。

過日、ネットの無料メールを使っていたら、無料ですから、うるさい広告が入ります。その広告はプロ野球チームも持つ会社の系列の広告で、貸出金利が年率17.8%なぞと法定金利を意識して設定していたので微苦笑を禁じ得ませんでした。

こんなこと、最高貸出金利が18%だという金融リテラシーがなければ、可笑しみが分からなかったことでした。

金融リテラシーは、あらまほしけれ。

決めた未来が実現するとは

 バーボン・ストリート Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 図書館本は忘れた頃にやってくる。(渓流斎の格言)

 「本は借りるものではなく、買うものである」という著名評論家の言いつけに逆らって図書館に予約すると、大抵の本は借りたい人が殺到してまして、かなり長い行列の順番待ちです。

 ということで、「こんなの予約したのかなあ」という本がどさーとやってきます。

 先日は、4冊もいっぺんに来ましたから、異常事態宣言です(笑)。恐らく、1年半か2年半前は読みたくてしょうがなかったんでしょうが、2年も経てば熱が醒めてしまい、「案外買わなくてよかった」なんていう本もありますので、いくら著名評論家が言うことでもたまには外れることもあるのです。

それにいくら数多くの蔵書を自宅の本棚に並べて自慢しても、あの世には持っていけませんからね(笑)。

 バーボン・ストリート Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 そこで、前置きが長くなりましたが、本田健著「決めた未来しか実現しない」(サンマーク出版)という自己啓発本のような本を今読んでいます。

 著者は大ベストセラー作家で、「よし、2年間で100万部のシリーズ本を出すぞ」と念じると本当に実現させてしまう神がかりのような作家です。

 手品でも何でもなく、もちろん、周到な準備と刻苦勉励が背景にありますが、そう世界に宣言すると、読者、出版社、印刷会社、ブロガー、本屋さんの店員と不思議なほどの繋がりが生まれ、シンクロニシティ(一見偶然のようで、実は人生を変えてしまうような出来事)で、うまい具合に歯車が回って、本当に実現してしまうというのです。

 (その本は、ベストセラーになった「20代にしておきたい17のこと」など「17のことシリーズ」7冊)

 著者は「自分が実現したいという未来が引き寄せられるように、現実が動いた」というような表現をしておりますが、これに対して、「うっそーだーい。できるわけないじゃん」と反発している貴方は失格。まず、無理でしょう(笑)。

 バーボン・ストリート Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 人は「自分には才能がないから」「忙しくて時間がないから」「不安定な生活になりたくないから」などと様々な理由をこしらえて、実際に夢を実現しようという端緒さえつかまず、一歩さえ足を動かしていないのではないか、と著者は言います。

 実は、私自身、こういう本は嫌いじゃないんですよね。正直、わざわざ買おうとは思いませんが…。オイオイ(笑)。

 人を不快にさせたり、気分を害したりするような「毒本」は、どうも時間の無駄です。

 人生、何をしても同じだったら、気分よく穏やかに過ごし、年を取っても、いつまでも、明日や未来に希望や夢を持って生きたいものです。

 年を取ると、ヒトは、それまで苦渋や辛酸を舐めさせられ、自分の思い通りにいかないことばかり体験してきておりますから、疑い深く、他人も未来も信用できなくなります。そういうことは、至極当たり前のことですから、せめて、「清涼剤」か「一服」、もしくはフィクション(笑)として、たまにはこういう本を読むことをお勧めします。(あっ?!これは罠かしら?)

でも、思想信条が現実化するとは怖い話。

今は安倍政権に反感を持つ謎のX氏は、戦前教育を受け、教育勅語を丸暗記し、今でも歴代天皇の名前をスラスラ暗唱でき、イッパシの軍国主義少年でした!

角岡伸彦著「ピストルと荊冠」は深く深く考えさせられました

哈爾賓駅前 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
 
 京都にお住まいの京洛先生からの「是非とも読むべき必読書ですよ」というお勧めで、角岡伸彦著「ピストルと荊冠」(講談社・2012年10月17日初版)を読了しました。

 元神戸新聞記者でノンフィクション作家の手によるもので、大変深く取材されて読みやすいのですが、とてつもない内容でした。

 部落解放同盟大阪府連合飛鳥支部長であり、広域暴力団山口組系柳川組傘下の金田組(金田三俊組長=別称サンズイさん)組員でもあった小西邦彦(1933~2007)という人物の評伝です。

 1970年代から2006年までの長きに渡って、同和対策の旗手として、時には強面の暴力団の印籠と名声をチラつかせて、行政(大阪市役所)と金づる(三和銀行)を利用して、不動産転がしと金貸し業と口利き、就職斡旋などで、一説には100億円をも「個人資産」として動かして、毎晩のように大阪一の繁華街北野新地で豪遊するなど、月に1000万円も散財し、その一方で、老人ホームを建てたり、障害を持った長男が生まれたことから、施設をつくったりする慈善運動家の一面も併せ持つ複雑怪奇な人物です。

 最後は、大阪の西中島駐車場の売り上げを横領したとして、逮捕(業務上横領と詐欺罪)され、一審で懲役6年の実刑判決を受け(いわゆる飛鳥会事件)、二審に控訴準備中に入院を余儀なくされ、74歳で病死。

 旧校庭 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 私は、1986年から90年にかけて、仕事で大阪に住んでいたことがありましたが、恥ずかしながら、この小西邦彦さんなる人物は全く知りませんでした。まあ、知っていたら、やばいのかもしれませんけど…。

 この本で、一番驚いたことは、この方はかなり手広く不動産業をやっていたようですが、1985年に山口組の4代目竹中正久組長が、大阪府吹田市江坂の愛人が住むマンションで、ヒットマンによって暗殺されますが、このマンションの持ち主(名義)が何と、この小西さんだったんですね。その後、山口組内での内部抗争(中野会系による宅見勝若頭暗殺事件)の余波で、彼自身も命を狙われたりします。

 いずれにせよ、行政にしても大手銀行にしても、持ちつ持たれつの関係で、小西邦彦組員は部落解放同盟の一支部長ながら、スキャンダルもみ消しから、立ち退き処理、地上げなど何でもこなす心強い「紛争解決屋」(トラブルバスター)になっていたわけです。
 旧校門 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 例によって、換骨奪胎で引用です。

 ●飛鳥会事件の舞台となった西中島駐車場の売り上げは一日平均60万円。1年間で2億2000万円。諸経費を差し引いて、7500万円が小西の懐に入った。このうち、金田組には組長は亡くなった後も、年間2400万円上納せざるを得なかったが、それでも、年間5000万円余が小西の懐に入った。

 ●2006年5月8日、72歳の小西は、30代の愛人のマンションで、逮捕された。逮捕されるまでの18年間に駐車場の収益から少なくとも18億円を着服。掠め取った金のほとんどは、小西本人と家族が散財した。妻と二人の娘の1カ月のカード請求額が300万円から500万円に上った。妻は980万円もするカルチェの指輪を購入していた。大学生だった二女には650万円のベンツがプレゼントされた。

 ●健康保険証を違法で発行したとして逮捕された部落解放会館の館長は、小西の口利きで館長になった高校卒の市役所職員だった。本来なら、市幹部の課長級である館長には、高卒者はなかなかなれなかった。2006年の時点で、大坂市役所の全職員4万5000人中、課長級は1200人しかいない。3%前後の狭き門である。また、課長級以上で退職した場合、当時は天下り先を紹介された。

 ●検察の冒頭陳述は、警察の取り調べを参考に作成されている。小西はなぜ、部落解放運動に参加したのか、その動機について「暴力団構成員よりも金儲けがしやすく、絶大な権力が手に入るなどと考えて」という文章が入った供述調書にサインした。しかし、ありえない話だ。それでもなぜサインしたのか?それは、障害を持った息子を逮捕するぞという警察の脅しに乗ってしまったからだった。

 著者は「あとがき」の中で、「小西と同じ立場の部落出身者である私は、基本的に出身者の不祥事は取材・執筆したくなかった。いってみれば、”身内の恥”である。できれば目を背けたかった」と告白しております。

 それでも、この著書を世に送り出したことについては、「私は活字で小西邦彦の銅像を建てたつもりである。…小西は死んだ。だがその存在を私たちの記憶から消去してはならない。人間の欲深さと奥深さを再認識するためにも、この面妖な銅像を凝視する必要があるのではないか」とまで書いております。

 私もこの意見に賛同しまして、渓流斎ブログに記すことにしました。行政と銀行と暴力団との密接な関係。警察と検察の脅迫まがいの「作文」の実態などは、非常に、非常に勉強になりました。

安藤昇という人とその時代

東京・銀座 みゆき通りと並木通り交差点(1949年3月頃、安藤昇が封切洋画「哀愁」を見に出掛けた際〔恐らく銀座「並木座」だったのではないか?〕、台湾人の蔡とすれ違い口論となり、蔡によって、ジャックナイフで左?を切られ、新橋・十仁病院で30針を縫う大怪我を負った現場の現在)

名古屋にお住まいの海老普羅江先生からのお勧めで、大下英治著「激闘! 闇の帝王安藤昇」(さくら舎)を読了しました。講釈師、見てきたような…で、どこまでフィクションで、どこまでがノンフィクションか分かりませんでしたが、戦後闇市から昭和30年代にかけて、生命を賭けて、東京・渋谷のシマを守りきった当時愚連隊と呼ばれた若者たちの生態が解剖学のようにピンセットで分け入ったような描写で、生き生きと活写されておりました。

銀座・天国
この本のハイライトは、1958年の横井英樹銃撃事件でしょう。(現場は、東京・銀座8丁目の天麩羅「天国」裏手の第2千成ビル「東洋郵船」、実行犯は、千葉一弘後の住吉会相談役)この事件のお陰で、安藤昇は前橋刑務所に収監され、その間に、「東興業」、いわゆる安藤組の社長代行を務めていた花形敬が東声会により刺殺されます。花形敬は、力道山より強かったと言われるほど伝説の武闘派で、ジャーナリストの本田靖春が「疵」というタイトルで評伝を書いた人物です。

銀座8丁目10番ビル

その後、安藤組は、渋谷の縄張り争いで、錦政会(後の稲川会)三本杉一家と対立し、安藤組大幹部の西原健吾が東京・外苑前のレストラン外苑で、三本杉一家の中原隆によって、銃殺されます。この二つの事件がきっかけで、安藤昇は組の解散を決意し、昭和39年(1964年)12月9日、渋谷区千駄ヶ谷の区民会館で解散式を行うのです。

安藤昇はこの時、まだ38歳。この翌年、映画俳優に華麗なる転身を遂げるわけです。

東京・銀座 みゆき通りと並木通り交差点

私は、映画俳優の安藤昇しか知りませんでしたので、この本では色々と教えられました。以下、引用しますとー。

●安藤家は、小田原の北条早雲の侍大将安藤式部の末裔と言われ、安藤昇は大正15年5月24日、東京新宿の東大久保天神下生まれ。父親の栄次郎は早稲田大学商学部を出て、古河財閥のゴム会社に入社以来、実直な勤め人だった。

●安藤昇が、横井英樹襲撃事件の後、逃走している間、匿っていた人の一人が、当時、東映ニューフェイスとして売り出し中の女優山口洋子。後に銀座のクラブ「姫」のママとして名を馳せ、同時に、五木ひろしの「よこはま・たそがれ」、中条きよしの「うそ」などの作詞を手掛け、昭和60年に「老梅」「演歌の虫」で直木賞を受賞した。2014年、77歳で死去。

⚫︎女性にもてた安藤昇は、8回結婚し、7回離婚した。

●安藤組の大幹部志賀日出也(解散後、住吉会幹部)の父親は、戦後最大の高利貸しと謳われた森脇将光(石川達三「金環蝕」の中でもモデルとして登場。映画化の際、宇野重吉が演じた。これは必見!)の番頭をしていた。志賀の妻細木弘恵は、渋谷円山町のバー「娘茶屋」のママ細木ミツの長女。四女が六星占術で有名な細木数子氏。彼女は、新宿をシマにする小金井一家堀尾昌志総長の姐御として知られた。

●安藤昇は2015年12月16日に肺炎のため死去、享年89。16年2月28日に青山葬儀所で「お別れの会」が営まれ、発起人は、佐藤純彌、降旗康男、中島貞夫、梅宮辰夫、村上弘明、吉田達、三田佳子、岩城滉一、堀田真三、梶間俊一の各氏。

以上、歴史上の人物などについては、本文に沿って敬称略としました。

安藤昇は、海軍予科練に入り、特攻隊の一人に選ばれましたが、終戦で事無きを得ます。終戦後の米軍占領下の大混乱の時期に、国家も警察も機能せず、暴力装置に頼らなければ、生き抜けなかった時代背景がありました。

安藤組は、薬物売買や刺青を禁止したりして、他の暴力団とは一線を画す方針を取りました。

それでも安藤組解散後、多くの組員は既成組織に入り、幹部の一人三本菅啓二氏は、稲川会系の「大行社」の2代目会長となります。大行社は、住吉会系の「日本青年社」と並ぶ日本の右翼団体です。15年に山口組の分裂の余波で、三本菅会長が交代したらしいですが、この本にはそこまで触れられておりませんでした。

「日本のスパイ王 陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実」

哈爾賓 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

京都にお住まいの京洛先生が、ニヤニヤと涎を垂らしながら、「渓流斎さんに、ピッタリの本がありますよ」と、ある本を推薦してくれました。

斎藤充功著「日本のスパイ王 陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実」(学研)でした。

この方は、陸士26期。戦時中に、あの秘密諜報防諜機関、陸軍中野学校の創設者の一人(この他は、兵務局付岩畔豪雄中佐と兵務局兵務課福本亀治憲兵中佐)で、初代校長を務め、最後は満洲ハルビン特務機関長(実際は関東軍情報部長)となり、ソ連軍侵攻により逮捕され、ウラジーミル監獄で獄死した人でした。

先の大戦の特務機関といえば、軍人なら、影佐禎昭(陸士26期=谷垣禎一元自民党幹事長の祖父)、岩畔豪雄(いわくろ・ひでお)、田中隆吉、土肥原賢二、それに民間人なら里見甫、児玉誉士夫、許斐氏利辺りが皆様もすぐ頭に思い浮かぶことでしょうが、もし、この秋草俊を御存知の方は余程の通か物知りです。

 旧哈爾賓学院 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

何しろ、諜報専門の特務機関に携わるぐらいですから、超極秘の機密情報です。世間に存在を知られること自体が憚られます。

ですから、本来なら誰にも知られることなく、謎のままに終わっているはずでした。

この本では、秋草俊の亡くなった年齢が満54歳なのに、55歳と明記したり、1926年4月を昭和元年と書いたり(実際は大正15年)、ポーランドをホーランドと誤記したりして、基本的な誤記や平仄が合わない事実関係などが目立ち、本書全体の信頼性を欠くことになりかねないのですが、よくぞここまで調べ尽くしたものだと感心します。

平仄が合わないのは、編集者と校正担当のせいでもあるので、最近の出版社の編集者の能力が劣化しているせいかもしれませんが。

 哈爾濱・松花江 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

いやはや、それにしても内容は実に面白いですよ。

秋草俊の親戚や縁戚には、日本電電公社総裁や富士通社長、日興証券社長までいる華麗なる一族でした。

昭和20年8月9日に、ヤルタ会談の密約からソ連軍が日ソ中立条約を一方的に破棄して、満洲に攻め込みます。

この時、本来なら丸裸の満蒙開拓団の残された老人や婦女子の防波堤となって、最期まで守り抜くことが関東軍のお役目だったはずなのに、機密情報を逸早く聞きつけた関東軍は、自らと軍人軍属の家族を、高級将校は飛行機で、それ以外は列車で南下して逃亡させる様も描かれています。

ハルビンといえば、市郊外に悪名高き731石井細菌部隊があった所でした。

同書の中で、この石井四郎中将が、ソ連軍侵攻が間近に迫り、秋草俊特務機関長のもとを訪れて、一緒に帰国しましょうと説得する場面が出てきます。

それが、秋草俊は、自分には責任があるから居残りますと言って、断るんですね。

結果的にこれで、ソ連軍によって逮捕され、「スパイ王」として、夜も眠らせない厳しい取り調べを受け、病気のため、ウラジーミル監獄で獄中死することに繋がります。

秋草俊は、陸軍士官学校を出ただけで、陸軍大学校にまで進学していないのに、将官まで昇進しました。余程、優秀だったのでしょう。対ソ連の諜報防諜が専門で、東京外語大(当時は東京外国語学校)露語学科と、あのハルビン学院(当時はハルビン日露協会学校)でもロシア語を学んでいたので、相当、ロシア語には精通していたことでしょう。

近現代史にご興味のある方にはお勧めです。

【追記】

●2014年7月に、ハルビンに旅行に行った際、初めてだったのでウロウロしていたところ、「僕は2回目だから、ご一緒しましょう」と声を掛けてくれたのが、同じツアーのK氏でした。彼は、かつて日本人が経営していた百貨店「松浦洋行」に連れて行ってくれました。この本によると、この松浦洋行の近くに秋草俊がつくった対ソ謀略工作組織「白系露人事務局」があったというので、驚いてしまいました。

●秋草俊は、第4国境守備隊隊長(大佐)時代、首相を務めた近衛文麿の長男文隆の挙式に参加しています。1944年10月12日、哈爾濱神社でのこと。新婦は、浄土真宗本願寺派の執行長大谷光明の二女正子。
近衛文隆は、関東軍大尉で捕虜となり、ルビアンカ、レフォルドヴォ、ウラジーミル監獄など10年余りもたらい回しにされ、1956年10月29日、チェルンツィ村の収容所で、病死。享年41。

●宮川船夫ハルビン総領事(1890~1950)1911年、東京外国語学校露語科卒後、外務省入省。駐モスクワ大使館一等書記官などを経て、44年5月、ハルビン総領事。45年9月24日、NKVD(内務人民委員部)防諜機関スメルシュに逮捕され、ウオロシーロフ将官収容所に収容。50年3月29日、モスクワ市内のレフォルドヴォ監獄で心臓麻痺で死去、享年59。対ソ諜報活動に従事していた。

今更ながらのバルザック「ゴリオ爺さん」の読みどころ

伊太利亜フィレンツェ

バルザックの名作「ゴリオ爺さん」は、もう1週間以上前に読了しておりますが、渓流斎ブログでまとめていなかったので、敢えて収録します。

ラッキーだったのは、バルザックが「人間喜劇」として同名人物が他の作品にも登場するやり方で連作を書いたのが、この「ゴリオ爺さん」が最初でした。バルザックの小説の中で、「ゴリオ爺さん」を初めて読んだ人は大正解だったわけです。

若きウージェンヌ・ド・ラスティニャックは、この後、「従妹ベット」「アルシの代議士」に登場し、大臣を歴任し、勅撰貴族院議員伯爵まで登りつめます。

あの悪党ヴォートランことジャック・コランは、再び脱獄して、「浮かれ女盛衰記」「幻滅」に再登場。ボーセアン夫人は「捨てられた女」、ランジェ夫人は「ランジェ公爵夫人」、遺産を相続する若い娘ヴィクトリーヌ・タイユフェールは「赤い屋根」にそれぞれ再び読者にお目にかかることになっています。と、19世紀の読者の皆様向けに書いてみました(笑)。

バルザックの凄いところは、フランス・パリの貴族社交界を舞台に、徹底的に人間心理を分析したところです。人、モノ、カネを細密画のように描きました。侘び寂びを好む日本人はとてもついていけません。

本当に、グジャグジャ、ドロドロとした人間関係で、恬淡な日本人ならすぐに嫌になってしまいます。逆に、バルザックという男は、本当に人間が好きだったんだなあ、と思ってしまいます。人間だけに捉われず、花や風景や、せめて犬や猫に気を紛らわせていれば、もっと長生きできただろうに、と思ってしまいます。

もう一つ、あの社交界とやら、どうしてあれほど露骨に男女の不倫や縺れ合いや恋愛感情ばかりあるのだろうかと不思議に思ってしまいました。しかし、ゴリオ爺さんの2人の娘を見ただけでも、愛情があって結婚したわけでなく、お互いに財産やら爵位やら目当ての政略結婚が多かったことが分かります。

だから、結婚して初めて自由恋愛に目覚めるのかもしれません。人間は気まぐれで、絶えず人を裏切るので、それこそドタバタ喜劇(笑)が展開されるわけです。読んでいても、途中で嫌になります。

伊太利亜フィレンツェ

以下は引用です。

ーパリでは評判がすべてで、権力を手に入れる鍵ですの。女たちが、あなたが才気のある人だと言えば、男たちも、あなたが逆のことをしない限り、それを鵜呑みにするものなのよ。…あなたは、世間というものがどういうものか、つまりお人好しとぺてん師の集まりだということが分かるでしょう。p139(ボーセアン子爵夫人)

ー天才の力には誰でも屈服する。…だから、買収というものがやたらと凡人たちの武器になる。…パリでは、正直者とは黙り込んで、仲間入りを断る人間のことさ。…世間ってものは、道学者連が何と言ったて、変わりっこない。人間は不完全なんだよ。人間は多かれ少なかれ、偽善者になることがあるが、そうすると頓馬な連中は、やれ真面目だ、不真面目だなどとぬかす。…君も、もし優秀な人間だと思ったら、頭をあげてまっすぐに進みたまえ。しかし、羨望とか中傷とか愚鈍とかと戦わなければなるまいな。186~189頁。(ヴォートランの長広舌)

ー「大事な用件があるだの、寝ているだのと言って、娘たちは来ないだろうとも。わしには分かっていたのじゃ。死ぬときになってみて、子どもとはどういうものか分かる。嗚呼、ウージェンヌさん、結婚しなさんなよ、子どもなんて持ちなさんな!」470~471頁。(臨終間際のゴリオ爺さん)

伊太利亜フィレンツェ

キーパースンであるデルフィーヌ・Nucingen男爵夫人(ゴリオ爺さんの次女で、銀行家の男爵と結婚。次第にラスティニャックに惹かれていく)は、平岡篤頼氏訳では、「ニュシンゲン」となっていますが、「ニュサンジャン」じゃないかなあ、と思ってしまいました。それとも、ドイツ系なのかしら?

本来の発音を、フランス語のネイティブの方に聞きたいぐらいですが、今はフランス人の知り合いが一人もいないので残念です。

??ちなみに、「ゴリオ爺さん」は、サマセット・モームが選ぶ「世界10大小説」の一つ(他に、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」、トルストイ「戦争と平和」など)

??51歳で亡くなったバルザックは、フランス中部トゥール出身。トゥールといえば、トゥール=ポアティエの戦いを思い起こします。732年のことですから、日本は奈良時代!フランク王国(メロヴィング朝)の宮宰カール・マルテルが、イスラム軍を撃退し、封建制度(騎士に封土し、忠誠を誓わせる)を確立する基盤をつくった世界史に残る戦いです。
カール・マルテルの子ピピン3世は751年、メロヴィング家の王を廃して、カロリング朝を開きます。

「スノーデン」は★★★★★

旧哈爾賓学院(中国) Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
 
 オリバー・ストーン監督の意欲作「スノーデン」を観てきました。

 最近、ロードショーを観ることができる機会が事情がありまして(笑)、異様に減ってしまい、観る作品は目を皿のようにして、映画評を読んだり、サイトを見たりして参考にしています。

 しかし、評論家の連中は、身銭を切ることなく只で観て、感想を言っているだけで、所詮は、それがどうした程度のことしか書いていないことが多いのです。ただで観て好き勝手なことを言っているだけですから、もっと謙虚になれ、と言いたいですが、大抵は馬耳東風です。

 で、この「スノーデン」に関しては、かなりの新聞と週刊誌の映画評に目を通しましたが、芳しいものではありませんでした。私が信頼する某新聞評も星が三つしかなかったので、観るのをやめようかと思ったぐらいです。

 しかし、身銭を切って観てよかった、というのが、正直な感想です。

 以下、内容に触れますので、これからご覧になる方はさようなら。

 長春市内住宅街(中国)Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 何で、日本の評論家連中の評判がよくないのか、そこには、米国覇権主義者、特に、米軍や国家安全保障局(NSA)にとって「不都合な真実」が暴かれているせいではないのか、と勘繰ってみましたが、それほど驚天動地するほどの真実は含まれていませんでした。

 これまで、報道されてきたことをドキュメンタリータッチで追跡した感じでした。

 もちろん、機密情報を暴いたエドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と恋人のリンゼイ(シャイリーン・ウッドリー)との深いプライベートな関係については知りませんでしたが、それは、映画として成り立たせるための方便の一つとして選んだのでしょう。

 ストーン監督が日本の大手マスコミの全てのインタビューに応じたような感じで、作品評よりも、有名監督のインタビュー記事ばかり目立って掲載されておりましたが、ストーン監督は、インタビュー記事の中で、「日本にとっても衝撃的な事実が明らかにされます」と語っておりました。

 それが、何なのか、注意して見てみましたら、スノーデン自身が日本の横田基地に勤務した経験があり、そこで、日本人の通信、通話から、SNS、個人メールに至るまで、いつか日本が米国の同盟国ではなくなることを想定して、盗撮、見聞、情報収集したことだったように思われます。

 まあ、そもそも、インターネット自体が米軍が開発したものですから、そんなことはお手の物であって、大して驚くべきことでもないと思って観ていましたが、後から考えると、やはりぞっとする話でしたね。

 長白山山麓松花江源流(中国)

Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 スノーデンが、香港の高級ホテルでドキュメンタリー作家のローラ・ポイトラスとガーディアン紙のコラムニスト、グレン・グリーンウォルドらにNSAの機密を暴露したのが2013年6月のこと。まだ3年ちょっと前のことなのに、もう随分昔のように思えてきてしまうのは、IT時代のせいかもしれませんね。

 オリバー・ストーン監督は、この映画について、モスクワでスノーデンと9回も会って取材して、スノーデンから見た事実を追ったもの、とインタビュー記事で明かしていました。

 だから、スノーデンが、CIA職員としてハワイ勤務の際、中国からのサイバー攻撃対策チームにいたことなども事実でしょう。でも、この事実を描いてしまえば、中国マーケットで売り出し(映画公開)にくいことは容易く想像できます。

 ストーン監督は、米国の権益と機密情報にかかわることから、大手ハリウッドからの出資やスタジオを借りることなど全て断られたそうですから、製作費を回収するのが大変でしょう。

 最近のハリウッド映画は、中国系アメリカ人の宇宙人技師が活躍して、米国と中国のロケットとのドッキングが成功する映画をつくったりして、かなり「世界最大」の中国マーケットを意識していますし、CIAなどからの全面協力の下で、CIAのヒーロー物映画の製作に熱心です。

 そういう意味で、70歳のストーン監督の今回の映画は、かなりの冒険であり、「これが長編映画の最後になるかもしれない」と感想を述べたことも納得できます。

 そのせいか日本の映画評論家と称する連中が、この映画を貶す理由も、何となく分かる気がします。いや、何か裏がありそうです!

米国は日本に朝貢を求めているのか?

 長白(白頭)山(中国)Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

2月10日にアメリカのトランプ大統領と会談する安倍首相が、「手土産」として、「51兆円のインフラ投資と70万人の雇用創出」を持っていくそうですね。

さすがに、首相側近も「そりゃあ、あんまりだあ。そんなことしたあ、朝貢になってしまうだあ」と叫んだとか。

確かに、的を射た発言です。

もしかしたら、なかなか出てこなかったアベノミクスの第3の矢とは、このことだったのかもしれません(笑)。
 ハバロフスクを流れるアムール Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

魏志倭人伝によれば、かつての朝貢といえば、生口でした。お金も大した産業も郷土産品もなかった時代で、貢ぐことができたのは、労働力しかなかったわけですから。

生口とは、いわば奴隷ですから、今では完璧なヒューマン・トラフィッキング、つまりは人身売買になってしまいますから違法です。いくら何でも南北戦争時代に戻るのはアナクロニズムですからね。

金で解決しようという魂胆なんでしょう。

それにしても、51兆円だなんて、政府開発援助(ODA)なのか、とすら思ってしまいますよ。

相手は世界一の軍事大国ですよ。世界一飛び抜けた経済大国ですよ。何で、非正規雇用と重税に喘ぐ日本の庶民が、メガバンクや政策投資銀行や公的年金まで差し出して、援助交際しなけりゃならないんでしょうかね?

あ、交際は余計な言葉でした(笑)。

黒龍江(中国・黒河にて)Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

アメリカが「錆びたドヤ街」となって、良心的な庶民の生活が脅かさるようになったのは、自由主義経済の当然の帰結です。

もうアメリカ人は、ミャンマー人やカンボジア人やバングラデシュ人並みの賃金では働けないでしょう?

経営者は当然、安い労働市場を求めて工場を海外に移転しますよ。

トランプさんは、日本でアメ車が売れないと怒りまくってますけど、関税ゼロだという事実すら知らないおめでたい人なんでしょう。

金持ちの日本人ならどうせ外車を買うなら、アメ車よりベンツやポルシェやフェラーリを選んでいるに過ぎないのです。それは、性能であり、燃費であり、デザインであり、費用対効果的価格なんでしょう。単なる見栄かもしれませんが(笑)。

アメ車は、総合的にいずれもドイツ車やイタリア車に劣っているから、自由主義経済の結果、売れないだけでしょう。

それなのに、もし、トランプ大統領が核ボタンをチラつかせながら、日本に朝貢を迫るのだとしたら、アメリカの威信は地に堕ちたり、ですよね。

いや、頭の賢い、「弱者」(札幌の雪祭先生)のトランプさんのことですから、そこまで脅しすかしたりはしないでしょう。

全て、安倍首相が、英語には言葉そのものがない「惻隠の情」で、可哀想なアメリカ庶民を慮ったのでしょう。

日本的なあまりにも日本的な…。

ゴリオ爺さん、嗚呼、偉大なるバルザック

伊太利亜フィレンツェ

世界的なベストセラーとなったトマ・ピケティの「21世紀の資本」の中で、オノレ・ド・バルザックの小説「ゴリオ爺さん」が、盛んに引用されていました。

単なる小説と馬鹿にする勿れ。

舞台は、バルザック本人がちょうど20歳の誕生日を迎えた1819年のパリです。 マダム・ヴォケーが営む賄い付き下宿で当時の最先端の様々な風俗が活写されます。1834年9月から翌35年1月にかけて執筆されました。時にバルザック35歳。

ちなみに、1819年はフランスでは、皇帝ナポレオンの失脚を経た王政復古(ルイ18世)の時代で、七月革命(1830年)も、二月革命(1848年)もまだ先の話。日本は文政2年。

何とも、古典の名作と言われるだけに、そんじょそこらの小説とは桁が違い違い過ぎます。フィクションとはいえ、恐ろしいほどの取材力で、当時実際にあった流行りのレストランや洋品店、下宿代、パン一斤の値段、銀食器の値段…など微に入り細に入り書き留められ、登場人物の心理描写といったら、あまりにもリアル。

伊太利亜フィレンツェ

なるほど、200年後の経済学者が惚れ込んで引用するはずです。

実は、私も、この小説をフィクションとしてではなく、経済書として読み始めております。

実は、と再び書きますが、無謀にも、いきなり、身の程知らずにも、最初は、原書から挑戦してみました。

しかしながら、とてもとても恥ずかしいことに、サッパリ理解できない。まるで外国語のようです。あ、そうでした、外国語でした(笑)。

1ページ読むのに1週間もかかり、それでも、薄ぼんやりとしか、意味がこのウスノロの頭の中に入ってきません。

遂に、諦めて、アンチョコを買うことにしました。アンチョコなんて、懐かしい言葉ですね。今でも使うのかしら?

伊太利亜フィレンツェ

それは、平岡篤頼早大教授訳の文庫版です。奥付を見ると、1972年4月30日、初版発行です。そして、2015年1月30日で41刷も売れておりますから、日本人も捨てたもんじゃないですね。

初版は、もう今から45年も昔なので、翻訳が少し古い感じがしますが、あの難解なフランス語をよくぞここまで日本語に置き換えたものぞと、感服しました。

正直言いますと、日本語で読んでも分かりにくい難解な部分もありますから、これを端から原書で読むなんて無謀だったんですね。

いずれにせよ、1日50杯もコーヒーを飲みながら、量産に次ぐ量産のライティング・マシーンと化しながらも、最期は力尽きて、借金まみれで僅か51年で生涯を終えてしまうこの大作家の作品を遅ればせながら、まるで同時代人になったつもりで、経済書として読んでいる今日この頃です。

本を読みながら、パリのラスパイユ通りに佇むバルザック像を思い出します。200年間近く、世界中の読者から未だに愛読される理由が、今更ながら分かったような気がします。

バルザックは、ヤバイ!

ポイント囲い込み運動

伊太利亜ヴェニス

山崎元著「お金に強くなる!」本では、競馬は娯楽としてやってもいいが、クレジットカードは使うな、と戒めておりました。

何でかあまり詳しい理由は書いてませんでしたが、一つは「いらない余計な買い物をしてしまうから」らしいのです。

けど、クレジットカードやプリペイドカードは、リボルビングなどという詐欺商法に引っかからなければ、現金だけ使うより、ポイントが貯まって還元されるので、その点だけは、いいのではないでしょうか?山崎先生?

伊太利亜ヴェニス

先日、もう何十年も会社の給料の振込み取引銀行にしていた田舎銀行のATMで、通帳がなくて、カードだけでお金を降ろしたら、紙切れにこの銀行には何とかクラブとかあって、私にもポイントが貯まっていることが初めて分かりました。

今まで、通常ならATMでも通帳を使って降ろしていたので、そんなポイントがあるなんて知らなかったのです。

早速、紙切れに書いてあった何とかクラブに電話して、ポイント還元の仕方を教えてもらい、iPadで事務手続きをしたところ、約1カ月後、今利用している通販のポイントに振り込まれていることが今朝、分かったのです。

長年のポイントが貯まっていて、約8000ポイント=8000円ですから、馬鹿にできませんよ、奥様(笑)。

さて、これで何を買おうかしら? iPadのキーボードにしようか、iPadの携帯用カバーにしようか? あっ!いずれも買ってしまったところでした。(笑)

本でも買おうかしら。

勿論、ポイントを発行する敵さんの真の狙いは、馬鹿な消費者を囲い込み、お金を使わせることだということは充分に分かってます。

ええ、騙されたと思って、8000ポイントを有効に使わせてもらいますよ、大統領。