帯広市長選

中札内村

驚きましたね。帯広市長選。全国紙に結果だけ載っていたのですが、結果は現職の砂川敏文市長=無現、自民推薦、公明支持=が、前・十勝毎日新聞社東京支社次長の目黒精一氏=無新、民主推薦、社民支持=と婦人団体役員の杉野智美氏=無新、共産推薦=を破って三選を果たしました。

砂川氏の獲得票は 3万3、317票(45・8%)

目黒氏は       3万2,316票(44・5%)

杉野氏は          6,503票(8・9%)

砂川氏と目黒氏の差はわずか1、001票だったのです!

大接戦だったのですね。砂川氏も薄氷の勝利どころではありません。紙一重でした。昨晩は全国13の市長選がありましたが、これほどの大接戦はありませんでした。

このブログも最近、帯広十勝の方も見てくださっているので、あまりいい加減なことは書けませんが、目黒氏陣営に鈴木宗男氏が肩入れしたのでしょうね。目黒氏は、十勝毎日新聞の出身ですから、「勝っても負けても大変」と勝毎の某幹部は嘆いていましたが、本当に大変だったでしょうね。もし、目黒氏が当選しようものなら「勝毎と目黒氏との不正関係を暴く」と公言する地元マスコミもいたぐらいですから、しばらくは熾火がくすぶり続けるでしょう。

それにしても都会と違って地方の場合、1票の重みが全然違います。私は、単なるディレッタントで、政治に関心がないタイプでしたが、久々に注目してしまいました。

中川昭一氏と鈴木宗男氏

昨日の鈴木宗男さんに続いて、今日は中川昭一農水相に会いました。

お会いしたと言っても、彼を囲んで20人ぐらい同席していたので、私の顔と名前が一致しているとは思えませんでしたが…。

よく知られていることですが、鈴木宗男さんは、中川昭一氏の父親の中川一郎氏の秘書を長らく務めていました。昭和58年に一郎氏が、不可解な死を遂げてから、「後継者」を巡って、息子の昭一氏と凄まじい闘争を繰り広げたことは、今でも語り継がれています。

結局、宗男さんが帯広から隣の釧路に選挙区を「鞍替え」することで、二人は両立しました。

その後の「宗男バッシング」や、昭一氏の閣僚歴については飛ばします。

ここでは、間近に見た二人の違いについて書きたいと思います。

まさに、「月とスッポン」「水と油」「表と裏」。どちらがどっち、という意味で例を挙げたのではなく、二人はまさに容姿から育ちから性格に至るまで正反対であることを伝えたかったのです。

昭一氏の父親は、十勝の広尾町の出身ですが、昭一氏は東京生まれの東京育ちで、麻布から東大法学部ー興銀ー国会議員とエリートコースを絵に描いたように渡り歩いた人です。

方や、宗男氏は、足寄町出身で、拓大出身。父親の協(かのう)さんが、彼の学費を捻出するために、一番良い馬を売った話は、有名です。

宗男さんは、人間的な、あまりにも人間的な人です。極めて俗人的な人で、辛酸を嘗めて、地べたから這い上がってきた感じがします。義理人情に厚い人です。57歳にもなれば、達観したり、諦めたり、普通はするのですが、彼に限って、まだまだ、ギラギラとした野心を持っています。「もうそこまで、でしゃばらなくてもいいんじゃないか」と端から見て思うのですが、彼は疲れを知りません。全国を飛び歩いています。そして、憎めないところがあります。

昭一さんは、とっつきにくい感じの人です。本当に信頼する人しか心を打ち明けないタイプで、いつも鎧兜をかぶっています。相手に隙を見せることはありません。理路整然とした話し方をしますが、結局、面白くないのです。事務的というか、心を打ったり、琴線に触れるような言葉を発することはありません。人はそれを都会的エレガンスと呼ぶかもしれませんが、冷たい感じがします。それに、地元の人の一部は、昭一さんのことを快く思っていません。「選挙の時にだけやってくる東京の人」と捉えています。

ここまで、書いて、自分でも、もう詰まらなくなりました。

私という人間は、どうも政治的人間には興味をもてないようです。

足寄

鈴木宗男さんと松山千春さんの出身地、足寄に行ってきました。

寒い日でした。その寒さは、肌を突き刺すほど、痛みを伴いました。

夜、鈴木宗男さんと帯広市内の居酒屋で会う機会がありました。
28日に会う、と以前書いたのでその報告をしなけばなりません。

彼は自信満々でした。
何しろ、9月の総選挙で、44万票も獲得したのですから。
近著『闇権力の執行人』の中で、その醜態を暴露された外務省の松田邦紀ロシア課長や2億円の機密費を流用した杉山晋輔中東アフリカ局参事官らから、名誉毀損なり、何らかのアクションがありましたか?と聞いたところ、鈴木氏は、「何もありませんよ。すべて事実で、正直に書いたのですから。むしろ、向こうから何か言ってくることを待っているくらいですよ。もっと、暴露してあげますから」と胸を張っていました。

鈴木氏によると、これまで、鈴木氏批判的だったいわゆるリベラル派の人間が、最近、「宗男派」に鞍替えしてきたと言います。「『噂の真相』の岡留さんや、ジャーナリストの魚住昭さんや宮崎学さんらが、私の味方になってくれますよ」と言うのです。

やはり、勝てば官軍なんですね。

鈴木氏の出身地は、足寄の大誉地という所です。足寄の街中からまた離れた山奥です。彼の新党『大地』の名前は、松山千春さんが考えたそうですが、大と地の間に「誉」を入れると自分の出身地になる、と一人で悦に入ってました。

居酒屋の隣の座敷では、20代くらいの若い人が宴会をしていて、鈴木氏を見ると、大声で「宗男だ。宗男だ」と大はしゃぎで、一緒に携帯で写真撮影をしてもらうために群がってきました。

鈴木氏は「もう、自民党や民主党の時代じゃないよ。大地の時代だよ」と、若い人にアピールすることを忘れませんでした。

さすが、政治家だ、と感心してしまいました。

鈴木宗男 『闇権力の執行人』(講談社)

2002年に鈴木宗男代議士が、斡旋収賄容疑で逮捕された時、ほとんどブラウン管の中の異次元の人の世界で、他人事のように、眺めていたものですが、北海道に住んでみると、全く、他人事ではありえず、大都会と強者中心の市場原理が苛立つほど、身近に感じる今日このごろです。

変な書き出しですが、今日、彼の新著『闇権力の執行人』を買って、読み始めてみると、その観念を強くしたのでした。

3年前のあの「事件」で、テレビの前の観衆(そう、お客さんといってもいいのです。今では、もうすっかり、鈴木宗男事件など忘れ、今は、姉歯や、内河や小嶋の偽装建築問題に心を奪われております)が、印象に残っているのは、演出されたテレビの画像で流された鈴木宗男の悪相と、ムネオハウスと、ムルワカとか呼ばれた異様に背の高いアフリカ人、田中真紀子の常軌を逸した我侭、それぐらいです。

いずれにせよ、「鈴木宗男=悪」という単純構造が刷り込みされたことは確かです。当時、東京近辺に住んでいた私もその一人でした。

それが、事件の渦中の一人であった外務省の元主任分析官の佐藤優氏の『国家の罠ー外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)を読んで、目からウロコが落ちるように初めて真相を知らされたような気分に陥ってからは、これまでの単眼的思考を改めなければならないという自覚に迫られました。

佐藤氏の著作を読んだ後だったので、鈴木氏のこの本も、「なるほど」と思わされるものがあり、次のページをめくるのがもったいないほど、今、のめりこんでいます。ここまで、実名と写真を掲載してしまって大丈夫なのだろうかと心配してしまうほどです。

これまで、政治家が企業にたかる話は五万と聞いたことがありますが、外務省の官僚がここまで、一人の政治家(鈴木宗男氏のこと)にたかりまくっていたとは、俄かに信じられません。

この本は出版されたばかり(奥付は2006年1月1日 第1刷発行)なので、「名誉毀損」問題を含めて、今後の展開が注目されそうです。

鈴木宗男氏は「真実を書いたまで」とつっぱねるでしょうが、槍玉に上がっている外務省官僚は立つ瀬がないですね。ロシア課長の松田邦紀という男については、こいつがどんな人格の持ち主なのか、税金を払っている日本国民は全員知るべきでしょう。知らないというのは、怠慢に他なりません。彼がどんな悪行を犯して、ロシア課長のポジションにおさまっているのか、普通の企業に勤めている一般人にはとても想像つかないはずです。(これも鈴木氏の一方的な開陳なので、心してかからなければならないのですが、もし鈴木氏の陳述が事実なら、松田は刑罰に値する最悪の人間です)

12月28日には、たまたま鈴木宗男氏と会う機会があるので、この本を巡って、色々と聞いてみたいと思います。

その時また。

小泉さんのファンの方へ

小泉純一郎という人が脚光を浴びるのは、あと残り10ヶ月なので、本人に向かって言いたいのですが、小泉さんという人は、人の言うことを聞かない、聴く耳を持たない人なので、何を言ってもはじまりません。

そこで、せめて、彼に投票した、もしくは彼を支援する人に訴えたいと思います。

「構造改革」だの「民にできることは官から民へ」だの「地方にできることは地方に」だの、耳障りのいいことばかり述べて、大衆の支持を得ていますが、現実を見てください。

おかげで、弱者は切り捨てられています。地方は疲弊しています。人口も減少しています。ますます、一極集中、大都会に若者たちが吸い寄せられています。

この写真は、帯広駅の駅前通りの一等地にある商店です。
張り紙から悲痛な叫び声が聞こえてきます。
実直な商店主は、すでに70歳を過ぎているでしょう。2代目なら50歳代でしょう。こういう形で「店じまい」しなければならないとは、さぞかし無念だったことでしょう。

どこの地方都市でも同じ現象でしょうが、駐車場のない、というか、駐車料金が高い駅前の一等地の商店街は空洞化が進んでいます。無料の駐車場を備えた郊外の大型ショッピングセンターには人が大勢います。

帯広のメインストリートにあった文房具店も半年前に閉店しました。東京でいえば、銀座の鳩居堂か伊東屋のような老舗です。そこには「70年間のご愛顧に感謝致します」とありました。

このように、半世紀以上も地道に営んできた地元の商店が、ボコボコと倒産しているのです。これも、「小泉改革」のおかげ、と言っては言い過ぎでしょうか?

ハレー彗星を見るように、たまたまの巡りあわせで、地方都市に住み、50年や70年に一度しか起きない「商店の死」に立ち会い、それが、決して偶然ではない、という気が私自身しています。

このメッセージをしかと受け止めたいと思っています。

森林浴ツアー

今日は、小泉首相の靖国神社参拝という大ニュースがありましたが、どこのブログでも、やれ賛成だ、反対だ、とマスコミから仕入れた情報で、ヤイノヤイノと騒ぐでしょうから、またいずれ、ということにしました。

で、今日はローカルな話です。北海道十勝管内に上士幌町という所がありますが、今月の23日と24日の2日間、ストレスにさらされている東京のビジネスマンを対象に、免疫バランス回復効果を「森林浴」で実証するモニターツアーを開催する、というニュースが面白かったです。
同町は今年3月に、花粉症患者を対象に「スギ花粉リトリート(避難)ツアー」を実施したばかりでした。そうしたら、今度は都会人のための森林浴ツアーです。笑ってしまいました。

私は東京生まれで、東京で時間に追われたハードなビジネスマンの経験がありますから、ストレスは並大抵でないことは実感しています。森林浴とは、なかなか考えたものです。
研究者によりますと、森林浴は、免疫機能の回復とリラックス効果が高いといわれております。今回のモニターで、その効果が科学的に実証されれば素晴らしいことだと思います。

私は2年前に「帯広は人間の住む所ではない」と言われて、この帯広にやって来ました。確かに真冬の寒さは常軌を逸していますが、住めば都です。森林浴も手軽にできます。
そんなことを言った奴らに言い返したい。「東京は人間の住む所ではない」

団塊ジュニア 

今日は、エコノミストの吉崎達彦氏の講演を聴きました。

五日前に終わったばかりの衆議院選挙で、なぜ自民党が予想以上に圧勝したのか、という大変興味深い話でした。

吉崎氏によると、今回の投票率は67%で、普段は選挙に行かないような人たちで、今回、積極的に投票所に足を運んだ人が1000万人もいたそうです。この世代は、20代から30代の若い世代で、核となるのが「団塊ジュニア」世代。彼らは1971年から74年生まれで、学校を出て、ちょうど就職の時期に、バブルが崩壊して不況に突入し、正社員になれず、フリーターやニートに甘んじています。

別の見方をすれば、公務員になりたくてもなれなかった世代で、小泉首相の「郵政民営化」は、日頃の鬱憤を晴らす好材料となり、自民党に投票が集中した、というのです。

団塊ジュニアの世代は、偶然にも「少子化」を引っ張る急先鋒になっています。ホリエモン、藤原紀香、イチロー、ゴジラ松井らがこの世代を代表していますが、いずれも独身か結婚していても子供がいない…。

団塊ジュニアは、およそ800万人。かつては「Xジェネレーション」とも呼ばれ、流行の最先端を作っていた彼らも30代の半ばを迎えようとしています。

そんな中年の塊が「仕事がない」「結婚もできない」「子供も作れない」では、何かとてつもないことが未来に起こるのではないか、という危惧を抱いても大袈裟ではないでしょう。

勝利の杯に酔っている小泉さん。何とかしてくださいね。安定政権を作れたのも彼らのおかげなのですから。

あっ、忘れていました。

あのヨン様も団塊ジュニア世代ですね!

自民党、万歳!

私の名前は、サイモン・ゴールドバーグと言います。
私の国でも、日本の総選挙は大変話題になりました。

自民党が、地滑り的勝利で296議席を獲得したそうで、おめでとうございます。
ご同慶の至りです。
「刎頚の友」公明党の31議席を加算すると、衆議院では定数の3分の2の327議席となり、もう怖いものなしです。

生意気な参議院がいくら反対しようが、衆議院で3分の2もあれば、鬼に金棒です。どんな法案でも可決してみせます。

まず最初に小泉首相にやってほしいことは、郵政民営化です。
これは簡単です。反対派の急先鋒だった鴻池君も、賛成に回ってくれます。
これで、採算の合わない、人間も住んでいないど田舎の郵便局を閉鎖することができます。前からつぶしたくてしょうがなかったのです。どうもありがとう。何しろ、資本主義の原理ですからね。当然ですね。

そして、もちろん、郵貯・簡保の350兆円は、さっさと市場に開放してもらい、我々が合法的に戴きます。もう、十年も待ちましたからね。日本人には、これからも馬車馬のように働いてもらわないと困ります。

さらに、小泉君は来年9月で辞めたがっていますが、もう一年やってもらいます。
彼以外に他に適切な人はいますか?
いないでしょう?

万人が認めれば、「任期を過ぎた」のにやらざるをえなかった、という理由で、消費税も10%に上げてもらいます。
福祉税?
まさか!すべて軍事費に回してもらいます。

イラク派遣は、もう1年延期してもらいます。でも、その頃は、自衛隊という名前はないかもしれませんね。

憲法9条は改正されます。自衛隊は、自衛軍に変わります。もちろん、徴兵制も、「閣議の承認」の下、いつでも復活することができるようになります。

年金は、当分、今回一生懸命に働いてもらった議員さんの年金だけ手厚くしたいと思います。貧乏人は、台風やハリケーンで、この世から消えてもらえば、いいのです。まさに、適者生存です。改革の手を緩めるな、ですね。

万事、めでたし、めでたし、です。

おめでとう!日本国民!これから益々、いい世の中になっていきますよ。

我々も応援しています!

ホリエモンはおかしい

ワイドショーでは「正義の味方」になっているホリエモンことライブドアの堀江貴文社長が、現職の社長のまま、国会議員に立候補することについては、妙な違和感というか、盗人が検察官なるような嫌な感じがしていましたが、立正大学の桂敬一教授が、見事に喝破してくれました。(北海道新聞27日付夕刊)

桂教授は批判するべき点を2つ挙げています。

①ライブドア・ニュースはれっきとした言論報道機関。そのオーナーが実質的に政府与党の庇護の下で政治家になるなど好ましいわけがない。メディアは、特に国家権力からの独立を旨とすべきが、本来の考え方。

②金融・証券事業も手掛けるライブドアが、郵政民営化されたあかつきの郵貯・簡保の原資に関心を持たないわけがない。もし、堀江社長が、議員になって政策立案に加わり、先行して関係情報を入手できれば、インサイダー取引に類すると見られても仕方あるまい。

うまく、言葉で表現してくださったと思います。
桂教授の意見に大賛成です。

郵政民営化反対

東京近辺に住んでいた頃、田舎のことは全く眼中にありませんでした。
経済効率と便利さばかりを追求して、どん臭いことは大嫌いでした。

自然界はリヴァイアサン。弱肉強食だから、弱者は幕の外に退場しても致し方ないと信じていました。

しかし、今、こうして、年を重ねて、郊外どころか、過疎に近い田舎町に暮らしていると、自分の若い頃の浅薄さをすべて否定したい気持ちで一杯になるのです。

ということで、私は郵政事業に経済効率を持ち込むべきではないと考えています。
確かに、郵便貯金240兆円と簡易保険の120兆円は、喉から手が出るほど魅力的でしょう。
新生銀行のように、外国のファンドに安く譲ってあげたければ、時の権力者は正直に言うべきです。

しかし、利用者がほとんどいない離島や僻地などの採算が合わない郵便局は、民営化されれば、経済原理が働き、必ずつぶれます。

中部地方の片田舎に住む私の友人は、身体が不自由であるにも関わらず、歩いて30分以上掛かる郵便局に頼らざるを得ないので「実に身近な問題」と嘆いております。

かの「勝ち組」のIT長者は、「コンビニを利用すればいい」と放言されておられましたが、逆に言えば、コンビニも建たないような経済効率の悪い僻地に人間は住むな、ということなのでしょうか。

彼らにキリストの言葉を贈りたい。
「神よ、お許しください。彼らは自分が何をしているのかわからないのです」