フランス暴動 

公開日時: 2005年11月7日 @ 21:49

パリ郊外の街でアフリカ系の若者(モーリタリアとチュニジア)が警官に追われて発電所で感電死した事件がきっかけで、フランス全土に暴動が広がっているニュースには心痛めています。

事件は10月27日に起き、11日経った今では、フランスの国内の274都市に暴動が拡大し、4700台の車が放火されたそうです。学校や保育所、介護施設にも放火され、395人が逮捕されました。(ロイター、AP、AFP)

サルコジ内務大臣が、暴徒をSCUM(クズ)呼ばわりしたことが火に油を注いだようです。暴動はフランスだけでなく、ベルギーやオーストリアにも広がっています。

若者たちが石や火炎瓶を投げる光景は1960年代には、日常茶飯事見かけたものです。矛盾した社会の体制を変えようと、若者たちは「甘い」革命を夢見たようです。今でも彼らはフランス語で「ソワソン ユイッター」(68年世代)と言われています。

しかし、今回の暴動は、事態はもっと深刻で根が深いようです。60年代の白人インテリとは違い、アフリカ系、イスラム系の移民の若者が今回の中心です。

どこのメディアも、この暴動の背景は、高い失業率と差別があると指摘しています。フランスには西ヨーロッパ最大の500万人のイスラム系の人が住んでいます。

一方の、我が、日本国では、働く意欲を失ったニートと呼ばれる若者が増えています。恐らく、日本の歴史上初めて出現した若者群でしょう。

いずれにせよ、政治が解決してくれそうな問題にはみえません。

群れで行動する象は、一頭でも集団から脱落すると、その象が回復するまで辛抱強く待っています。

人間は象の知恵を借りるべきかもしれません。