「アース」

 話題の映画「アース」を見てきました。すごーく期待していたので、ほんの少し、がっかりしましたね。いや、自分では何もできないくせに、ないものねだりに過ぎないのですが、正直、物足りなかったのです。だから、79点。

 

何が物足りなかったか、というと、ディズニー映画のように、「動物万歳!」の視点で撮られており、肉食動物が狩りをするにしても、襲ったところで、お仕舞いにしています。子供たちにあまり残酷なシーンは見せたくないという配慮なのかもしれませんが、自然の過酷さが伝わってきません。

 

でも、内容は本当に素晴らしいのですよ。北極から南極に至るまで、地球に棲む動植物が精一杯生き抜く姿勢が描かれています。ヒトは登場しません。主人公はホッキョクグマであったり、アフリカゾウであったり、鯨だったり、サイベリアのタンドラ(つまり、日本語ではシベリアのツンドラ)だったり、壮大な瀑布だったりします。

地球温暖化の影響で、北極の氷が解け、2030年までに、ホッキョクグマは絶滅すると警告しています。お腹を空かして体重が半分にまで落ちこんだホッキョクグマが、やっとセイウチの集団を見つけますが、狩りをする体力も残っておらず、結局、餓死してしまうところまで映されています。

 

映像は素晴らしいの一言で、誰もが「どうやって撮ったのだろう」と疑問を持つに違いありません。空から撮ったことは分かりますが、ヘリコプターなら、もっと映像がぶれるはずです。鳥が空を飛んで眺めているように、映像は「なめらか」なのです。

この地球は人間だけのものではない、ということをこの映画は伝えたかったのでしょうか?

深く考えさせられる映画でもあります。