五輪聖火リレーは何処へ行く?

五輪の聖火リレーが世界中で大混乱を起こしています。ロンドンに続き、昨日のパリでも3000人以上の警官が警備したのにも関わらず、逮捕者が多数出るなど大騒動が起きました。明後日はアメリカのサンフランシスコでのリレーが予定されていますが、またまた一波乱あることでしょう。まさに「グローバリズム」です。

聖火リレーが大混乱して新聞のフロントページを飾るほどの大問題になったのは、近代五輪史上初めてではないかと思います。(06年のトリノ冬季五輪では、反グローバリズムの活動家によって妨害されましたが)

私自身は、「平和の祭典」に政治や暴力を持ち込むことは反対です。しかし、一般庶民でさえ、オリンピックは、政治的プロパガンダであり、平和の祭典でも何でもないことを知っています。

いい例が、1936年のヒトラーのベルリン五輪であり、日本を含む西側がボイコットした1980年のモスクワ五輪です。いずれも、当時のことを知る人は少なくなってきていますが、私は28年前のモスクワ五輪ははっきり覚えています。その方面で仕事をしていましたからね。ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議する政治的処置でした。

マラソンの瀬古選手は参加していれば金メダルを獲得していたことでしょう。レスリングの高田選手は、「このオリンピックのために苦難を克服して一生懸命に練習を積み重ねてきたのだから、是非参加させてください」と涙で訴えていた姿も印象的でした。今でも忘れられません。しかし、当時の為政者とスポーツ界の幹部は米国に追随して、不参加を決定しました。

その時、「何だ、スポーツといっても、政治と切り離せないんだ」と確信めいたものを持ちました。今でもそうですが、スポーツの各種団体の多くは、お飾りでも、政治家が会長を務めていますからね。例えば、日本ラグビーフットボール協会会長は森喜朗元首相です。

しかし、今回のチベット問題に端を発する北京五輪ボイコット運動は、為政者側からというより、庶民や一般市民から高まってきていることが、これまでの政治的プロパガンダとは大きな違いだと思います。

今月26日には日本の長野でも聖火リレーが行われます。私はあくまでも暴力には反対ですが、日本でも何か起こりそうな気がしています。私は活動家ではないので、何もしませんが、平和に歌を歌うのが一番いいと思っています。

さて、奥林匹克さんという人を知っていますか?え?知らない?

失礼、人間ではありませんでした。これで、中国では「オリンピック」の当て字なのだそうです。中国の専門家に聞いたら、普段は、「奥運会」と書くそうです。