究極の悩みは人間関係

ある業界のS氏に「あなたは、人間関係が下手だねえ」とはっきり言われてしまいました。

私は、組織に所属しながら、人にゴマすることもできないものですから、そのおかげで、鬱々と日の当たらない窓際を歩いているものですから、そのあまりにもの世渡りの下手さぶりに彼は愛想を尽かしたのでしょう。

「あなたはオカシイよ。世間知らずで、生き方がヌルいよ」。そこまで言われたのですが、彼の言わんとすることはよく分かります。プロ野球・楽天の野村監督が「どうでもいいと思っている人間にはブツブツ言わない」と言っておりましたが、彼にもそれに近いものがあります。彼が私のことをどうでもいいと思っているのなら、相手にしないで、無視することでしょうから。

1時間近く「説教」を浴びましたが、「心配」の裏返しだと勝手に解釈しました。こんなことを私が言ったら、彼は怒ると思いますが…。

さて、どういうタイミングかなのか知りませんが、今日は偶々、電車の中で、五木寛之著「人間の関係」(ポプラ社)を読み終わったばかりでした。

五木寛之という功なり名を遂げた大作家が、あからさまに自らの欝経験や、人間関係について告白しております。驚くほど率直です。

少し換骨奪胎しますが、こんなことを書いています。

●誰かを信用して、たとえ裏切られたとしても、それをうらんだりすることはない。一生懸命相手を愛し、尽くしたことで、自分が何かを得たのだ、と思うしかないのではないか。

●ホンネを人に見せるというのは、やはり甘えだろうと思います。人は死ぬまで、いや、死んでのちも正しく理解されるものではないのです。

●人に大きな恩を与えることは、実に危険なことだ。恩返しをしないで恩知らずと言われることを恐れるあまり、恩を受けた人は恩人がこの世からいなくなることを望むようになるからだ。(セネカ)

引用はこれぐらいにしましょう。

人は有名だろうが、無名だろうが、男だろうが、女だろうが、老いも若きも、特に、人間関係で悩みながら、生きていくものだと、痛感いたしました。