今日は、JGA(日本観光通訳協会) http://www.jga21c.or.jp/ の研修会に初めて参加しました。
ゲストはJGA事務局長のNさん。もともと大手旅行会社に30年以上勤務され、57歳で資格を取得し、産業通訳・翻訳家を経て、現在に至る方です。
中心は、旅行会社勤務の頃の話で、「通訳案内士とCS」がテーマでした。
CSというと、普通、Customers’ Satisfaction (顧客満足度)とか Customers’ Service(顧客サービス)などの略称として使われることが多いのですが、Nさんは、もう一つ Complain Solution (クレーム処理)を挙げたのです。
パッケージツアーに関する苦情の要因として大きく分けて
1、パンフレットの表示(デメリットが最後に書かれたり、小さく読みにくく書かれたりする)
2、手配・斡旋(空港出迎えやホテルのチェックインなどの際の行き違い)
3、通訳案内士に関して
の3つがあるそうです。
その通訳案内士に関する苦情は、
1、L(language=言語)語学力
2、K(knowledge=知識) 説明不足で、同じ内容ばかり繰り返す
3、H(hospitarity=心配り)
の3つあるのですが、最後のホスピタリティに関する苦情が一番多く、内容も深刻だといいます。
Nさんの経験では、Aさんは、語学力と知識経験は非の打ち所がないほど、申し分がないのに、顧客から苦情が多い。どうしてなのか調べてみたら、やはり、最後の「心配り」がほとんどなく、アジア系の観光客が多いとあからさまに舌打ちしたり、相手は日本語が分からないだろうと見下して、「今日はこんなひどい」とか言ってしまったりするというのです。
Nさんは、Aさんに改めてもらうように説得したのですが、Aさんは「お客さんに迎合するのは嫌だ」と言うので、仕方なく辞めてもらったそうです。ただ、よくよく調べてみると、Aさんは、朝4時から起きて準備をして、夜9時まで働き、休みを取らず二週間も続けて働いてもらったこともあったそうで、雇用者側の責任もなきにしもあらずです。
Aさんとは逆にBさんは、語学力、知識経験には劣るものの、最後の気配りだけはよかったので、顧客からの苦情はこなかったそうです。Nさんは、「通訳ガイドは、相手の言葉を右から左に伝える単なる通訳とは違って、幅広い自分の知識が必要だ」と、通訳ガイドを持ち上げるような発言をしていましたが、通訳ガイドといっても、結局は接客業なんですね。
この仕事では、お客さんに色んな人がいたり、、事故や事件などアクシデントに遭わないとも限らない。ある程度「楽観的で小さいことにクヨクヨ気にしないことが大切」と話しておりました。
私はまだ、仕事ははじめていませんが、色々と参考になりました。