世界一のパン、世界一のパン職人 第6刷

絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

恐らく日本で、いや世界で一番値が張るパンを食しました。

美味いといえば、美味い。漢字で書けば、旨い、という書き方の方が近いかもしれません。

普通の食パンのように見える「パン・ドゥミ」は、まず、パンそのものが、「原色」のような匂いです。(詩的ですねえ~♪)発酵した小麦そのものの香りがします。

味は、これまで一度も食べたことがないパンの味。何か、ブレンドされていて、カラス麦のようなものも混合されている感じです。

とにかく、バターもジャムも何も付けなくても、主食ではなくて、おかずのように食べられます(笑)。

1斤1188円也!!そんじょそこらのスパーで安い食パンを見つければ220円ぐらいでも買えますから、何と5倍もの値段です!!

ちょっと高過ぎるんじゃないですか?-というのはまだ早いです。

絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

何しろ、パン作りに懸ける手間暇が半端じゃないのです。

下拵えに数時間、第一次発酵に掛ける時間は低温で10数時間、その後、捏ねたり、成型にしたりして、再び発酵させて、原型をつくり、特殊の石窯か何かで焼き上げているそうです。まあ、最低でも1~2日かけて手作業でつくるようですから、工場で、流れ作業で大量生産される大衆向きのパンと比べられること自体、次元が違うといった感じです。

えっ?どこのパン屋さんか、ですって?

うーん、このブログでは宣伝料をもらっていなので、アクセス数が莫大で、人気の渓流斎ブログに書く必要はないのですが(爆笑)、熱心な皆さんに「話のタネ」としてお教えしませう。

パン屋さんの名前は、「シニフィアンシニフィエ」と言います。これでピンと来た方は、学生時代に言語学を齧った方でしょう。そう、スイスの言語学者フェルディナン・ド・ソシュールの有名な造語です。懐かしいですね、記号論は。私も、共時的、通時的、ラング、パロールなんていう難解な専門用語に悩まされたものです。(この話は、またいつかしたいです)

ソシュールによりますと、言語とは記号=シーニュの体系であり、シニフィエとは、その記号の表す概念のこと。またの名を所記。シニフィアンとは、言語記号の表現すること。またの名を能記、と呼びます。

まあ、こんな説明で分かった方は、大したもんです。天才です。もし分からなければ、これから言語学を学んでみようという気がしませんか?(笑)このあと、構造主義に進み、ロラン・バルト、レヴィ=ストロース、チョムスキーを読破してみませんか?

さて、このパン屋さんのご主人志賀さんは、ソシュールが大好きなのか、フランスで修行されたのかどうか分かりませんが、パン作りに関しましては一家言の持ち主で、確固たる哲学を持ち、パン職人の間では神様扱いだそうです(推測)。もしかしたら、世界一のパン職人かもしれません。本も沢山出しておられるようです。

お店は、何と、皆さんよくご存知のガルーダ博士こと山本さんのお住まいのご近所なのです。

デパートにも支店を出されているようですが、遠くて行けない、すぐにでも食べてみたいと思う方は、ネット通販もやっております。(高くて腰を抜かすぜえ=笑)

どこですかって?

そこまで、ご興味を持って、是非一生に一度、口にしてみたいと思われるのなら、自分で調べてみてくださいな。

渓流斎ブログはコマーシャルじゃありませんからね(笑)。と言いつつ、もし、挑戦された方は、コメントください。「なあんだ、渓流斎はどうかしてる。どんな味覚持っとるんや」でも構いません(笑)。