佐山君への手紙

私の友人、佐山康彦君(仮名)は営業マンです。
仕事では、得意先から解約の通知が毎日のように押し寄せ、家庭でも妻と娘からすっかり見放され、家庭内別居状態です。
何もかも、すべてうまくいかず、人生のどん底の悲哀に浸りきっている時、彼はHさんから手紙をもらいました。

先日、私もそのHさんの手紙を、彼からちょっとみせてもらいました。

そこにはこう書かれていました。

「今日という日、一日を生き切ればいいのです。
結果は追わなくていいのです。
自分自身を認めてあげればいいのです。
周りを価値観の基準にするから悩むのです。
もう、社会だの、先生だの、親だのと、誰かのせいにできないでしょう?

会社があなたに何をしてくれましたか?
仕事は自分自身が納得するまでやりきればいいのです。

要するに、自分自身を幸せにするしかないのです。

せっかく生まれてきたのですから、人生を楽しむべきなのです。

佐山さんは、健康に恵まれ、大病して後遺症を抱えているわけではないでしょう?
矢沢永吉さんのように莫大な借金を抱えたわけでもないでしょう?

ないものねだりなのです。

自分自身にあるものを見つめてください。

佐山さんには才能があるのです。

それを信じて生きてください。

もし、佐山さんの悩みが今の「仕事」と「家庭」なら、その二つともなくなったら、悩みは解決しますか?

それをもう一度考えてください。

その二つともなくなっても、つまり、今の仕事と家庭を変えたとしても、また同じことの繰り返しでしょう。

要するに、人間は自分自身を幸せにする以外に責任を持たなくていいのです。

以上、多少、生意気なことを書いてしまいました。

この手紙を何回か、繰り返し読んでくだされば、少しはわたしの言いたいことを理解してくれるのではないでしょうか。

寒い季節がやってきました。お体を大切にしてください。」