根津
五木寛之氏と帯津良一氏との対談「健康問答」(平凡社)は、「我意を得たり」と言った感じで、非常に面白く読んでいます。今年75歳になるのに大盛な作家活動を続ける五木氏の質問に日本のホリスティック医学の権威である帯津氏が答える形式になっていますが、「健康問題」に関して造詣の深い両者ですから、面白くないわけがありません。
「水はたくさん飲まなければいけないのか」「牛乳を飲むのはいいことか悪いことか」「高血圧の人は、必ず降圧剤を飲むべきか」-といった50の質問は、具体的で微に入り細に穿った感じで、大変参考になります。帯津氏は、医者で専門家ですから、その知識の深さは当然ですが、五木氏の知識も半端じゃありません。彼のエッセイを読んでも、彼には「偏頭痛」など持病があり、かなり、医学書には目を通しているせいかもしれません。
一々個別に書いてしまうと、著作権侵害になってしまうので、書けませんが、全体的に言えば、「極端なことは駄目、程ほどがいい」というのが結論ではないでしょうか。「水を沢山飲まなければならないのか」という事に関しても、結局、「無闇やたらに水を飲めばいいというわけではなく、体の欲求に応じて、喉が渇いたら飲めばよい」ということでした。
要するに、人それぞれ体質があるように、これがすべてという健康法はないのです。ある人に効果があっても、ある人には逆効果という事態が発生することもあるのです。
「牛乳を飲んだらいいのかどうか」についても、さっぱり分からなくなってしまったのですが、「無理して飲まなくていい。好きな人は適量飲んでも問題ない」というのですから、とても分かりやすい。
いい本を見つけました。