悲惨なスキーバス事故のことなど

 Hakkoduatei

 15日に起きたスキーバス事故は、死亡者の15人のうち乗員2人を除く全員が将来のある若き大学生だったということで大きなニュースになりました。中には今春からの就職先も決まった卒業旅行の学生もいたらしく、親御さんや兄弟親戚、友人、先生らは嘆き悲しんでいることでしょう。犠牲者の中には私の出身大学生もいたので、とても他人事には思えませんでした。

 でも、何か既視感(デジャビュ)がありました。以前も、格安バスツアーで死亡事故が何件かありましたが、共通しているのは、睡眠も十分に取れない運転手の過酷な日程と、杜撰な管理体制でしょう。今回もハンドルを握っていたのは65歳のベテランながら、マイクロバス(9メートル)の経験はあっても、大型バス(12メートル)の経験はほとんどなし。しかも、バス会社から正確なルートも示されなかったというではありませんか。先月契約社員になったばかりというのですから、初めて運転するコースだったのではないでしょうか。

 ツアーを企画した会社は法定水準の27万円を大幅に下回る19万円で落札させて、丸投げしたらしいですね。暖冬でスキー客のキャンセルが相次いだ不運な背景もありましたが、それにしても、職業倫理に反します。

 今、並行して大きなニュースとなっている、「Coco壱番カレー」の廃棄処分したヒレカツなどが、廃棄業者から卸に転売されて、スーパーに並んでいたという事件も、明らかに倫理観欠如の「人災」ですね。礼儀正しい真面目な日本人はどこに行ってしまったのでしょうか。新市場主義経済の拝金主義に呑みこまれてしまったのでしょうね。

 消費者もやはり、「格安」「激安」の裏には何かある、と睨んだ方がいいですね。私も、携帯auのポイントが欲しくて、気軽にアンケートに応えていましたが、考えてみれば、個人情報が流出して、見たくもない不必要な宣伝メールが押し寄せてくることでしょう。後悔してます。

 あ、今日はこんな話をするつもりではありませんでした。諸行無常、私の住む街の風景がどんどん変わっていくということを書くつもりでした。日本の全国、どこもそうでしょう。ウチの場合、本屋さんが4件も潰れて、豆腐屋さんになったり、マンションになったりしました。古い金物屋さんや、名門高校の前にある文房具店を兼ねた本屋さんも潰れてしまいました。小中学校の運動会などの行事の撮影を任されていた地元老舗のカメラ屋さんも、スマホの影響で潰れてしまい、今は介護施設になっていました。

 安くて旨い中華料理屋さんは、いつの間にか、歯医者さんに様変わりしていました。そう言えば、私の住む街は、やけに歯医者と理容・美容院ばかり目立ってあります。

 勿論、どこもそうでしょうが、コンビニばかり増えています。

 何か、浦島太郎さんの気持ちが分かるような気がします。