Paris, Garia
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何てこったぁ。
昨日は、あれほど長時間掛けて苦労して書いたのに…。しかも、電車の中で…。
老婆心にも程があるものですね。
折角、有識ある知性主義の皆々様を覚醒して差しあげようと思ったのに、この程度の反響では、休刊も考えざるを得ませんね…。疲れてきました。
渓流斎が、このブログに人生の何分の一もの時間を無駄に消費しているのか誰にも分からないと思われます。議員や都知事のように何の報償もありませんから、骨折り損の草臥儲けという古い格言を思い起こします(笑)。
◇勲章大国ニッポン
実らない愚痴不満はこの辺にして、日本人ほど勲章好きの民族は世界でもそう多くはないでしょう。
ソ連が最盛期だった頃の最高指導者たち、スターリンもフルシチョフもブレジネフも、ジャラジャラと胸に納まりきれないほどの勲章をぶら下げておりましたが、それでも、世界的によく知られて権威のある勲章と言えば、フランスのレジョンヌ・ドヌール章でしょう。
でも、この勲章を創設したのはナポレオンですから、まだ200年かそこらしか経っていません。
恐らく、世界で最も古い冠位や勲章は、大陸中国かもしれませんが、異民族が何度も交差支配する断続的な歴史を持つ国でしたから、「万世一系」で現代まで連綿と続いているのは、我が国日本ということになるでしょう。
1200年前の律令国家がつくった「正六位」だの「従五位」といった冠位を、いまだに、この21世紀という時代にですよ、地方の小学校の元校長先生や消防団団長さんらに米寿のお祝いに贈与したり、亡くなった後に授与したりしている事実を一体何人の国民の皆様がご存知でしょうか?
芸術の世界も然り。
一番偉い芸術家は、「人間国宝」(無形重要文化財保持者)と思いきや、上には上がありまして、人間国宝よりも、定員120人の終身会員制である「芸術院会員」の方が、格が上になります。
文学、美術工芸の世界だけでなく、能狂言、文楽、歌舞伎の世界も同じです。
さらに、芸術院会員よりも上がありまして、それが、「文化功労者」となります。功労賞ではありませんよ(笑)。功労者です。毎年、この中から「文化勲章」受章者が決まるわけです。
これらの格差は、年金に如実に現れます。
人間国宝=200万円
芸術院会員=250万円
文化功労者=350万円
文化勲章は、功労者としての年金があるだけで、授与されるのは勲章だけ。ですから、日本国では最高の栄誉となります。
ノーベル賞を受賞しますと、自動的に文化勲章が授与されますが、文学賞の大江健三郎さんが辞退したことは有名ですね。詳細は分かりませんが、思想的な側面があったようです。
文化勲章を辞退した芸術家の中に、私の大好きな陶芸家河井寛次郎を見つけました。
彼に関しては、大変な職人気質の人で、そんな栄誉や威光に自分には縁がない、といった理由で辞退されたようで、彼らしいなあ、と思いました。
権威を認めない反骨精神のような大上段にも構えていません。
ますます、河井寛次郎が好きになりました。作品は、自分では買えないので、見に行きたくなりました。確か、湯河原にありましたよね?
【補記】河井寛次郎さんの作品は、京都・東山五条の「記念館」か、東京・駒場の「民藝館」で拝謁できますね。