誰も知らない鳥取県

IT’s展での故片岡みい子画伯の作品

昨晩は、東京・銀座の渋谷画廊で開幕した「IT’s展」のオープニングパーティーに行ってきました。

2月に亡くなった片岡みい子画伯の遺作展ともなりました。ちょうど去年の今頃、同展の定例会が開催され、まだ片岡さんもお元気で、雑談したり、写真を撮ったりしたものでした。

どういうわけか、昨年も雨で今年も雨。到着するやいなや、バス観光協会長さんがプラスチックカップに、ビールを山盛り注いで下さりました。

私はと言えば、荷物と傘を何処に置こうか、思案しているまま、ぼんやりしてカップを傾けて床にビールを零してしまいました。それを見た市瀬支配人から「なんばしょっとね!」と怒られてしまいました。コワ~

会場では、以前に片岡さんから紹介して頂いた米澤画伯と再会することが楽しみでした。立派な経歴と職歴の持ち主ですが、いつも世間を超越した仙人のような格好をして、考え方も超然としているので、お話を聞いているだけでも楽しい方です。

昨日は、米澤画伯の出身地鳥取県のお話でした。県の人口は60万人足らずで、何と日本一少ない!東京の街を歩く人でも鳥取県人を見つけることは極めて稀なわけです(笑)。何しろ、東京の世田谷区民より少ないのですから。それでいて、東京都より面積が広い!

鳥取県には四つしか市がありません。鳥取、米子、倉吉、境港です。高校も少ないので、県大会で4回勝てば甲子園に行けるそうです。

最近は、野球よりも相撲に力を入れているそうで、高校の監督、部長がモンゴルにまでスカウトに行くそうです。その代表が大関照ノ富士。県内は、ちゃんこ屋さんが溢れ、店主は相撲部の監督さんや部長さんだったりしているとか。(笑)

大変失礼ながら、鳥取県と言っても、山陰地方にあることは分かっていても、地理的に島根県との区別がつきません。恐らく、全国一知名度が低い県かもしれません。

そこで、危機感を抱いた歴代の県知事さんが、全国に鳥取県を売り込もうと考えました。

それが、漫画です。

「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげるや、、「名探偵コナン」の青山剛昌、「孤独のグルメ」の谷口ジローらが県出身ということで、今や大々的に観光資源として売り出し中です。数年前から、米子空港を「米子鬼太郎空港」に、鳥取空港を「鳥取砂丘コナン空港」にそれぞれ名称を変えたそうですね。

歴史的にもあまり英雄がおらず、知られていませんが、古代は因幡と伯耆の国で、中世、近世は代々池田家が治めていました。

今、上野の国立博物館近くに「黒門」がありますが、これは丸の内にあった池田藩上屋敷の門を移築したものです。

都内に現存する江戸時代の門として、本郷東大の「赤門」(加賀前田藩)と並ぶ国の重要文化財ですが、鳥取県人でさえ、あまり知られていないそうです(笑)。

鳥取の池田藩主は、兵庫県の姫路城藩主池田輝政の次男忠継が治めた岡山の池田藩と国替えして藩主となったそうで、血筋は同じ。同族です。そう言えば、新橋に県物産店として岡山県と鳥取県が合同になっていたので、不思議だなあと思っていましたが、ちゃんと歴史的背景があったわけですねえ。