話題の映画「グッド・シェパード」(ロバート・デ・ニーロ監督、マット・デイモン主演)を見てきました。新聞の映画評もほぼ好意的で、ちょっと、「見逃せないなあ」と思ったからです。
最近、映画は一人で見ることが多かったのですが、大野さんが同行してくれました。でも、彼女は待ち合わせに20分も遅刻してくれました。駅で待っていると、隣りに座っていたギャルにも遅れて友達がやってきました。
「遅れちゃった、ゴメ~ン~」
その言葉に対する、待っていたギャルの反応があまりにも可笑しかったので、私は椅子から転げ落ちそうになってしまいました。
「とんでも茄っ子!」
こうして、言葉にしてしまうと、その時のニュアンスが伝わらないのですが、絶妙のタイミングで、その発音が田舎言葉丸出しで、お里が知れてしまうような言葉遣いに笑いが止まりませんでした。
映画の話でした。
とても、複雑でした。ハリウッド映画らしからぬ暗さが全編に漂っていました。
まだ、見ていない人は粗筋を少し明かしてしまうので読まないでください。
主人公のエドワード・ウイルソン(マット・デイモン)は、イエール大学の学生時代から秘密結社の「スカル・アンド・ボーンズ」にスカウトされ、これがきっかけで、秘密諜報局の仕事に携わることになります。この組織は後に、CIAへと発展し、1962年のキューバ危機での彼の対応がこの物語の最大の山場になります。
脚本は「フォーレスト・ガンプ」や「ミュンヘン」のエリック・ロス。物語は、エドワードが学生時代から諜報局で仕事をするようになる1940年代と、この映画の現代である1960年代を行ったり来たりするので、途中で話がついていけなくなるところがあります。
もう一つ、ついていけなかったのは、何の理由かよく分からないのに、やたらと人が殺されてしまうことです。「情報を漏らした」とか「情報を知った」とかいう理由なのでしょうが、ちょっと、やり過ぎです。
ドイツ軍の将校を取り調べる際の通訳だった女性も殺されます。何でなのかさっぱり分からなかったのですが、耳に障害を持って、補聴器を付けていたのが、実は、その補聴器が録音機であることが分かったからでした。私は、そのことが分からなかったのですが、後で、大野さんに聞いて、「なるほど」と思いました。
もう一つ、エドワードの息子がコンゴ人の女性と結婚することになりましたが、その女性は、結婚式の直前に飛行機から落とされて殺害されます。この下手人は、私は、二人の結婚に反対するエドワードが差し向けたものだと思ったのですが、大野さんは、「私はKGBの方だと思う」と言うのです。
「あー、そういう見方があるのか」と納得しました。一人で見ていては分からなかったので、二人で見てよかったと思いました。(これではまるで小学生の感想文ですね!)