霊感商法で、現職の神奈川県警の警視宅が家宅捜査されましたね。取り締まるべき警察官が、グルだったとは驚きです。
この種の事件、つまり、人の不安につけこむ事件は、なくなりませんね。手を換え品を換え、消えては現れ、消えては現れます。マルチ商法も、自分は騙されないぞと思っても、なくなりません。今は、和牛商法ですが、以前は健康食品、養殖エビ、山林なんてのもありました。
霊感商法の話でした。
「これが効く」と言われても、証明できないところがミソです。「鰯の頭も信心から」という諺があるように、昔からこの手の「職業」はあったのでしょう。実際、それで、不安が軽減されて、運をつかんだ人も偶然にもいたことでしょう。
今回の「詐欺」の主役とされているのが有限会社「神世界」(しんせかい)と呼ばれているヒーリングサロンなのですが、「魂を昇らせるのに70万円」「特別祈願料で50万円」「御礼祈願料で40万円」…なるものが請求されるようです。サロンでは「警察の人がいるから安心」とセールストークに使っていたらしいのですが、こればかりは、嘘ではなく、本当だったので、笑えないほど悪質です。
神世界被害対策弁護団が昨日、記者会見してその実態を明らかにしたのですが、へったくそな字で「楽」とか何とか書かれた書などもありましたが、これも何十万円とかで売りつけられたのでしょう。そんなもん効き目があるわけないのに、不安に駆られて切羽詰った人が「警察のお墨付き」とか言われれば、コロリと騙されてしまうのかもしれません。
ワイドショーのキャスターが、「ある神社が御札を100万円で売ったら、これも霊感商法になるんでしょうかね」とコメンテイターに聞いたら、そのコメンテイターは「それはなりません」と答えていましたが、私なんか「そうかなあ。大して『神世界』と変わりがないじゃないか」と思ってしまいました。
よく、霊が見えるとか言う人がいますが、私の知っている範囲では、その人は決して、金銭を請求したりしませんでした。ですから、多額な金品を請求する人がいたら、その人が有名無名問わず、既成宗教だろうが、新興宗教だろうが、サロンだろうが、霊媒師だろうが、「商売」だと考えて間違いない、と断言します。