電子機器は信用できない

 

最近、メールを送ったのに「届いていない」とい先方から言われることが度重なり、「やっぱり、電子機器は信用できないなあ」と思いました。

 

一つは、まあ、大事な文書を添付して送り、「送信済み」欄にも入っていたので、安心していたら、2,3日経ってから、先方から「届いていません」との連絡。「えっ?」と驚いてしまいました。こちらは確かに送ったので、もう少しで、送った、送らないで、口喧嘩になるところでした。

 

もう一つは、携帯メールで四人の友人に同報で送ったのですが、ある一人の友人だけが「届いていない」と自信を持っていうのです。他の三人にはちゃんと届いているのにです。

 

おかしいですよね。

 

その一人の友人だけが、こちらの朗報を無視しているか、歓迎しないかだとこちらが考えてしまい、少し「人間不信」に陥ってしまいました。

 

そもそも、電子機器がいけないのです。

 

あーあー、こんな時代に生まれ来なければよかった。

 

今のアメリカの学生さんは、教授の講義をノートパソコンで取るそうですね。講義もネット配信やDVDか何かで、自分の部屋で居ながらにしてねっころがったりして見ているというのです。

 

本当ですかね。へー、と思ってしまいました。うらやましくは思えませんね。

国会に行ってきました

 

 

今日は、語学仲間の友人の麦田さんのお導きで、国会を見学してきました。

麦田さんは、国会でもう16年も衛視http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%9B%E8%A6%96

の仕事をされている方です。

雨の日も風の日も雪の日も外で立ち尽くしていなければならないので、大変なお仕事だと思います。

議事堂内では、国会議員の先生方とおしくらまんじゅうをすることもあるそうです。

テレビで何度か拝見したことがあります。

肉体労働なので、空いた時間は、剣道や柔道などの武道で体を鍛えているそうです。

このほか、意外と知られていないのですが、衛視の仕事の一つに、国会に見学に来た人を案内することがあります。

事前に申し込めば、誰でも簡単に応じてくれるのですね。

今回、私はたった一人でしたので、何かVIPになった気分でした。

参議院の定員は242人、衆議院の定員は480人。そんな基礎的な知識すら忘れていたところ、麦田さんは、国会内部のことを、すらすらと説明してくれました。

おまけに、食堂にまで連れて行ってくださって、お昼をご馳走になってしまいました。

麦田さんは、得意の英語を生かして、英語で外人観光客を国会内で案内することもあるそうです。

私が案内を受けている最中に、小学生の社会科見学の団体を見かけました。私も子供の頃、見学した覚えがあります。会社の新人研修の頃と、仕事で国会に来たことがあるので、これで4回目です。18年ぶりぐらいなので、すっかり忘れていて、色々と面白かったです。

天皇陛下の「お席」は、参議院にしかないんですね。衆議院にはありません。

色々と勉強になりました。

流行を追うことをやめること

「平成の絵師」山口晃さんの描く世界には、鎌倉時代の人や江戸時代の人や、昭和初期の人らが同じ平面に何ら抵抗感なく一緒に登場したりします。

本人にその理由を聞くと、「自分は別に鎌倉時代や江戸時代の人を書いているつもりはない。全部、現代人として書いている。例えば、今、街中を歩いていても、昭和40年代風のお化粧をしているオバサンがいたりする。若い時の流行で終わってしまっているんですよね」と、答えてくれたことがあります。

このことは、前にもこのブログで書いたことがあるかもしれませんが、最近、山口さんの言っていることは、ありえることで、「突飛じゃないなあ」と痛感させられることを二つ経験しました。

 

まず、一つは風景です。私がよく行く散歩コースです。そこでは、新都心の超高層ビルが見え、同時に、昭和三十年代か四十年代に建てられた古い瓦葺の民家や平成の初めに建設されたマンションや2階建ても見えるのです。

これこそ、玉石混交です。鎌倉時代から昭和初期まで同席する山口さんの描く世界には及びませんが、現実でもこうして、ありえるのです。

 

もう一つは、若い多感な時代で、流行を追うことを終わってしまう、という例です。

バンド仲間の白川君のことです。音楽談義をしていたら、「アンプログド」を知らないというのです。「え?」と思いました。エリック・クラプトンがMTVで世界中にヒットさせて一世を風靡した「音楽ジャンル」です。今、CDを見たら、1992年とありました。もう16年も昔ですから、「アンプラグド」と言えば、アンプを通さず、アコースティックの演奏する音楽のことだと定着しています。

 

それを白川君は知らないというのです。

彼が今でも聴く音楽は、ビートルズの他にディープ・パープルとマウンテンだと言います。彼が流行に敏感だった高校時代に聴いた音楽です。でも、そこで終わってしまっているんですね。今でも彼のアイドルは天地真理なんですから(笑)

 

電車に乗ると、様々な世代の人と乗り合わせます。皆、現代人の格好をしていますが、心の中は、昭和初期だったり、1970年代だったりしているんだなあ、と思うと、感慨深くなってしまいました。

てごわい中国

 

今日は久しぶりに赤羽でバンド遊びをしました。四国からわざわざT君もヴォーカルとして参加してくれて盛り上がりました。

 

先日、北京に旅行に行ったS君が話していましたが、中国では、道路では、一番偉いのが自動車、次はバイクで歩行者は最後。だから、車は、道を歩行者が横断しようとしても絶対止まらないそうです。それに、あまり、保険もきかないので、もし、中国で交通事故にでも遭おうものなら、「やられ損」だとか。

 

北京の万里の長城は、日本の南北の長さの2倍の6000キロもあるというのです。

 

とんでもない国なんですね。

 

今回の中国製冷凍ギョーザの毒入り事件をみても、日本の流通品にはないメタミドホスが検出されながら、製造元の天洋食品(河北省石家荘)は、同社には何ら問題がなく、むしろ「我々は最大の被害者だ」とのたまっていらしゃるようですが、日本の警察当局は「中国からほとんど情報提供がない」と言うではありませんか!これでは、中国側はすべても情報を公開して、ガラス張りにしなければ、日本人としてはあくまでも信用できません。

 

昔から日本は手ごわい中国を相手にしてきました。

 

今でも変わらないのですね。

「ラスト、コーション」を見て

 

「ブロークバック・マウンテン」でアカデミー賞監督賞を受賞したアン・リー(李安)監督の作品映画「ラスト、コーション」をやっと見てきました。「朝の9時15分からの上映だったら大丈夫です」というので、無理に早起きして出かけたのです。非常に期待してみたのですが、途中でちょっとがっかりしてしまいました。

トニー・レオン扮する親日諜報機関の幹部を暗殺する計画が、別所哲也に似た俳優が扮する香港の大学の演劇部の学生を主体にした若者たちだった、という辺りから、ちょっと「話に無理があるなあ」と思ってしまいました。これが、例えば、最初から国民党なり、共産党なり大きな組織がバックにあって、学生たちを手先に使って計画したものであったならば、筋として納得できたのに、惜しいことをしたと思います。

ヒロインのモデル出身の新人タン・ウェイは、林寛子に似て、確かに綺麗ではありますが、服は脱がない方が魅力的でした。

「中国全土に激震が走った」というベッドシーン(そのために、中国でも日本でも満員御礼が続いているのです!)は、アクロバティックな器械体操みたいで、残念なことに(笑)私はあまりエロスを感じませんでした。もう少し穏やかに育めないものかなあと嘆息してしまいました。

総合70点。

よかったのは、1940年代の上海がCGを使ったのでしょうが、よく描かれていたということでしょうか。

 

ただ、「中国映画」のせいか、日本に対する敵意丸出しです。お座敷小唄か、端唄か知りませんが、日本人の軍人の宴会で、芸者が三味線で歌っているのを聴いたトニー・レオンに「調子ぱずれで聴くに堪えない」と、まるで日本の歌が劣等文化の如き言わせしめるぐらいですから、国粋主義者でなくてもカチンときますね。

 

タイトルもどうにかならないもんですかねえ。ラストと言えば、日本人なら誰でも「last 」(最後)だと思うじゃないですか。しかし、実は「lust」。肉欲のことです。中国語名は「色・戒」ですから、これなら少しは意味が分かります。

 

原題をそのままカタカナにして、タイトルにするのは、映画もしくは配給会社の怠慢だと思います。

「フリーペーパーの衝撃」

公開日;2008年2月24日

 朝日新聞の稲垣太郎氏の書いた「フリーペーパーの衝撃」(集英社新書)には、本当に驚かされました。腰を抜かされたと言っていいのかもしれません。大変な時代になってきているんですね。

 

 フリーペーパーとは、ただで配られるか、首都圏では駅の構内に設置されたラックに無造作に置かれている新聞や雑誌のことです。「ただほど高いものはない」と昔から言われてきましたが、フリーペーパーと言っても今では馬鹿にできなくなりました。有料誌より高価な紙に印刷されたり、有名な俳優やタレントもどしどし出てくるし(恐らく高額のインタビュー料をもらっているのかもしれません)、一流の作家も執筆したりしているのですから。

 

 今や、全国で千二百紙誌も発行され、年間で約三億部も出ているというのです。

 

フリーペーパーの収入は広告のみに依存しているため、広告主の「御意見」に左右され、言論機関としての公平性や客観性がないとも言われています。テレビの民放と同じです。車がスポンサーのドラマに、絶対に交通事故のシーンは出てきません。もし、あったら脚本の段階で書き直しを命じられます。

 

それと同じです。

 

フリーペーパーがジャーナリズムかどうかについては、意見の分かれる所でしょう。

しかし、有料紙誌が絶対的にスポンサーに左右されない純粋なジャーナリズムかといえば、そうでもないのです!

 

 海外では多くの先進国で「新聞は無料で読むもの」という常識が定着しているらしく、日刊無料紙が五十二カ国、総発行部数四千二百万部もあるというのです。

 その代表的名な無料紙に1995年にストックホルムで創刊された「メトロ」があります。その「メトロ」を創案したスウェーデン人ジャーナリストのアンデション氏は「有料紙も無料紙も同じものを売っています。記者は読者が読むための記事を提供し、その引き換えに読者から読むために費やす時間をもらう。その読者から得た時間を広告主に売っているに過ぎないのです」という自論を展開しています。

 今や若者は、ネットでただでニュースを読んでいます。記者が靴の底を減らして足で稼いでせっせと記事にしているのに、居ながらにして、高みの見物をするのが当たり前の時代になってきたのです。

 ネットでできるのですから、当然、紙媒体でもできるはずです。それが、フリーペーパーなのです。

 そのうち、有料紙誌というものは、どんどん衰退していくことでしょう。

 「え?昔の人は、お金を出して新聞を読んでいたの?」と驚かれる時代がくるのかもしれません。

レコチャのランチグルメ

 

このブログの熱心な読者な方は覚えていらっしゃるかと思いますが、昨年、「中華料理のミシュラン版」をやることになったと書きました。それが、年末か年始にネットで配信される、とも書きましたが、先日、やっと、ネットに載りましたので、ここにご紹介致します。随分、遅かったですね。まあ、色々と内部事情もあったようです。

 

「Record China(レコードチャイナ)」という中国関係のニュースに特化して、日本語で配信しているサイトです。ヤフーにも結構、中国関連ニュースとしてアップされているので、知る人ぞ知る通信社だと思います。

タイトルは、「レコチャのランチグルメ」。全5回配信で、私は第3回を担当しました。東京・西麻布にある「メゾン・ド・ウメモト上海」という店です。本場のミシュランでは、一つ星を獲得しました。

 

読んで頂ければ分かりますが、グルメ批評というより、紹介か、ヒントに近いですね。ほとんど貶していません。

味の記憶というのは、プルーストやバルザックなど文学作品になるくらいなのに、私の場合、「記憶の法則」で、あんなに美味しかったのに、もう3割くらいしか感覚的に残っていないんですね。そういう意味でも記録しておいてよかったと思います。

 

ちゃんと「渓流斎」の筆名で投稿しておりますので、ご興味のある方は覗いてみてください。私の記事は、スクロールしてずっと下の方に出てきます。ついでに、レコードチャイナのサイトも見てくださいね。そこんとこよろひく

 

http://www.recordchina.co.jp/group/g15040.html

 

日本新聞協会「データブック」

 帯広の拙宅にも遊びに来たことがある及川君の薦めもあり、日本新聞協会が発行する「データブック」を買い求めました。

50ページ足らずの統計資料集なのですが、これがなかなか含蓄があって面白い!

例えば、2006年、国内での日刊紙の発行部数は、約5231万部あるのですが、10年前の1996年には、5355万部もあったのです。この10年間で実に、124万部も減っているのです。地方紙が5紙も6紙もつぶれていることになります。

内訳を見てみると、一般紙が4698万部から4706万部に増えているのに対し、スポーツ紙が658万部から525万部と100万部以上減っているのです。原因はスポーツ紙にあったのですね。

そういえば、電車に乗っても、特に若い人が車内でスポーツ紙を読んでいるのを見かけなくなりました。大抵は、携帯でメールをやっているか、ゲームをやっています。

総広告費も載っています。新聞広告が2006年の時点で、9986億円と初めて1兆円の大台を割り込みました。新聞業界が危機感を持っているのは、これが原因です。

テレビは2兆円。地上デジタル化で、首都圏、地方テレビ局を問わず、パイの分捕り合戦になるというのが、O君の見立てです。

2004年に、インターネット広告が1814億円に対し、ラジオが1795億円になり、初めて逆転したことが分かります。2006年は、インターネット広告は3630億円に対し、ラジオは1774億円と格差が広がっています。広告が益々ネットにシフトしているのです。

このデータブックはわずか500円。安い買い物でした。

惜しい人、ヒース・ジャレット

 アン・リー監督の話題の映画「ラスト、コーション」を見に行こうとしました。

 

が、平日の昼間にせっかく並んだのに、映画館の窓口で「満員が予想されますので」という理由で入場を断られてしまいました。確かに、日本アカデミー賞会員会則には、日曜日と祝日は入場できない。満員が予想される場合は、入場をお断りすることがあります…などと銘記されています。

しかし、田舎から1時間半もかけて都心に出てきたのに、門前払いされると、侮辱されたような怒りを感じますね。

日本アカデミー賞会員の威光なんて、そんなものなのかもしれません。黄門様の印籠というわけにはいきませんでした。

 

仕方がないので、アン・リー監督が2005年にアカデミー賞監督賞を受賞した「ブロークバック・マウンテン」のDVDを借りて見ました。

 

話題作とは知っていたのですが、テーマが私の趣味趣向に合わないので、見ていなかったのです。

 

しかし、想像していたより、結構、重いテーマで奥深い内容でしたね。羊飼いのシーンが、本当に綺麗で雄大で、うまく撮れていました。

先日買った私の秘密兵器のDVD機器で見たのですが、字幕なしでは、残念ながら意味が取れませんでした。仕方がないので、英語の字幕を出して見たのですが、呆れたことに、それでも分からないのです。え?これで、通訳の国家試験に合格したの?と自分を恥じてしまうくらいです。

 

例えば、 We pasture the woollies. なんて出てきました。これで、羊を放牧するという意味です。辞書を引かないと分かりませんでした。羊のことをsheepなんて、簡単に言わないんですね。まだまだですね…。

 

特に映画の場合、スラングが多いので、要注意です。例えば、犬のことを dog なんて言わないんです。canineとか気取った言い方をするんです。

さて、この「ブロークバック・マウンテン」のヒーローの一人、ヒース・レジャーが先月22日、28歳の若さでニューヨークで亡くなりましたね。薬物の過剰摂取による事故死のようです。この映画で、夫婦役で共演した女優のミッシェル・ウイリアムズと婚約し、マチルダちゃんをもうけたのですが、籍を入れずに別れたようです。豪州パース出身で、葬儀は地元で、親族のみで十人ぐらいで執り行うと、ヒースの父親のキム氏が明らかにした、と昨日のAPニュースで読みました。

本当に味のある俳優さんでした。

惜しい人を亡くしました。

「大市」をご存知なら通です

調布先生から電話がありました。5年ぶりに携帯を買い換えたので、その「試し電話」でした。「声が大きくなって、よく聞こえるでしょう?」と、日頃の大先生ぶりは何処へやら。まるで子供のようなはしゃぎぶりでした。

調布先生とは、先日、老舗鰻屋にご一緒致しました。「本郷三丁目まで来い」と言うので、出かけてみると、「それでは行きましょう」と、最終目的はそこからまた丸の内線に乗った「東高円寺」。

「小満津」というこれまた知る人ぞ知る老舗の鰻屋で、もともと、京橋にあったのが、店を閉じてしまい、そのお孫さんが東高円寺に再興して20年ほど経つというのです。

何やら、歌舞伎役者の十三世片岡仁左衛門が贔屓にしていたらしく、部屋には揮毫書が飾ってありましたね。

お味は、秘伝のタレを使っているらしく、甘くもなく辛くもなく、私には丁度よい塩梅でした。お銚子1本と焼き鳥2本と竹重で、ちょうどお一人五千円というお値段は、まあ手頃かなあと思いました。

しかし、調布先生は「鰻が今ひとつでしたね。日本橋高島屋の特別食堂にある『野田岩』の方が鰻はいいと思いますよ」と、流石に私の知る現役最高のグルメだけに、品評が鋭い。

「それより、異国の超高級ランチを食べたそうですが、そんなもんお食べになるなら、絶対に京都の『大市』にすべきですよ」とおっしゃるじゃあ、ありませんか。異国の超高級ランチとは、私が昨日書いた「厲家菜(れいかさい)」のことだと思われます。

このブログの熱心な読者なら、ご存知かと思いますが、調布先生は、「ブログ亡国論」者で、普段から「ブログなんて○○の落書きですよ」とおっしゃる方です。私は、先生に超高級ランチの話をしていないので、このブログをご覧になったのでしょう(笑)

それが可笑しくて、今日は、ブログを休もうかなあ、と思ったのですが、書くことにしたのです(笑)こんなこと書いたら、先生に怒られるでしょうねえ、きっと。

さて、その「大市」ですが、私は知らなかったのですが、グルメを自認している人間が知らなければ、もうそんな看板は下ろした方がいいという老舗の「すっぽん屋」さんでした。創業が元禄年間だということですから、創業330年にもなるそうです。大石内蔵助も知っていたのかもしれません。下長者町通にあります。

何しろ、色んな文学作品にもこの店は登場するらしく、志賀直哉の「暗夜行路」や川端康成の「古都」、開高健「新しい天体」などにも出てくるらしいのですが、確か読んだのに記憶にないですねえ。

コースで2万3千円とありました。

いつか、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、挑戦してみますか。