渓流が滝となって Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
サッカーの日本代表岡崎慎司が所属するレスター・シティが、イングランド・プレミアリーグで、今季、奇跡的な初優勝を遂げました。(5月2日)。同胞日本人としては、我が事のように嬉しい限りです。
何事も賭け事が大好きな英国のブックメーカーは、レスター優勝のオッズを5001倍としたそうですね。おかげで、約16億円の支払いが余儀なくされているとか。ネッシーの怪物出現が501倍といいますから、ようやく2部リーグから這い上がってきたレスターの優勝はまずは、ネッシーの出現より、「ありえない」という観測だったことは、至極当然でしょう。嗚呼、僕も賭けておけばよかった。日本からは、できないのかなあ(笑)。
渓流がだんだん大きくなっていく Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
レスターの創立は1884年。日本の年号で言うと、明治17年ですよ。黒岩涙香の「萬朝報」さえまだ創刊されていません!(創刊は明治25年)。チーム創立132年目にしての初優勝。まさしく奇跡的な大番狂わせな優勝と言って間違いありません。
何しろ、レスターの選手年俸総額は約75億円でリーグ20チーム中17位ということです。リーグトップの名門チェルシーは約334億円と言いますから、桁違いの低さです(笑)。レスターの選手の中で、移籍金の最高が岡崎で約11億円と言われていますから、岡崎はチームの要だったのですね。こんな弱小チームが優勝するなんて、「判官贔屓」の日本人としてはたまらないんでしょうね。
やがて山紫水明の湖に Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
でも、私は、チームの戦術や勝因よりも、このチームのオーナーでタイ人の実業家ヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏の方が興味あります(笑)。
彼が6年前にレスターを買収したときの価額は4000万ポンド(約62億円)だったそうです。
レスター優勝のご褒美に選手にはそれぞれ500万円以上もする独ベンツBクラスの電気自動車をプレゼントしたそうです。太っ腹です。
このスリヴァダナプラナ氏、何をなさっている方かと思いましたら、タイの大手免税店「キングパワー」を経営されているようです。グループの年商は、68億バーツ(約207億円)、ご本人は3100億円の資産をお持ちとか。米フォーブス誌によると、タイの長者番付で第9位。サッカークラブを買うための100億円ぐらい、何でもないんですね。
タイ人の英国サーカークラブのオーナーといえば、元首相のタクシンさんが有名でした。マンチェスター・シティーのオーナーを2007~08年だけ務めました。不幸にも母国で汚職罪に問われ、今も海外在留を余儀なくされているようですが、彼はもともと、携帯電話サービスで莫大な利益を挙げた実業家でした。
タクシンさんは、華人系として有名ですが、スリヴァダナプラナさんも顔立ちから、恐らく華人系の方ではないでしょうか。言うまでもなく、華人系とは、華僑のことです。
タイにも大財閥があり、一昨年に日本の伊藤忠と資本提携したコングロマリットCP(チャロン・ポカパン)グループも華人系です。