ボブ・ディランとノーベル事務局を嗤う

ミラノにて

いやはや、嗤ってしまいまする。

ミュージシャンのボブ・ディランさん(75)にノーベル文学賞を授与すると発表したスウェーデン・アカデミーが、今後ディランさん本人への連絡を断念すると明らかにしたというニュースのことです。

とんだ大失態といいますか、権威であるはずのスウェーデン・アカデミーなるものが、とてもつもなく小さい時代遅れの家内制手工業的家族経営で、まるで何の力も権威もないことを暴露してしまったかのようです。

ディランさんが文学賞を受けるつもりがあるのかどうかさえ不明で、事務局は、12月10日にストックホルムで主催する授賞式に出席してくれることを願っているのみ、なんだそうです。

あれっ?ですよね。

そもそも、こういう賞は、相手が受賞するかどうか確認した上で、発表するもんですよね? 相手が拒否した場合、別の候補にするか、そのまま、拒否したことを発表するか、ですが、ノーベル文学賞の場合、かつて、あの哲学者のジャン=ポール・サルトルが受賞を拒否したことで話題になったくらいですから、代替者は決めず、そのまま発表するのが慣習なのでしょう。

じゃ、こういうドタバタはあり得る話だったんですね。

ま、ディランもディランで、全く大人気ないのがディランらしい。いらなきゃ、いらないよ、と断ればいいのに、それさえしないで、逃げ回っている。コンサートを開いても、意固地のように、ノーベル文学賞について、一言も喋らないという徹底ぶりですからね。

戦争嫌いで、英国MBE勲章を返却したジョン・レノンのことですから、彼なら正々堂々と拒否したかもしれません。

そこが、「サー」の称号を賜ったポール・マッカートニー卿とは違うところです。