小馬鹿にするな!メガ銀行!

新宿 やる気茶屋

東京にお住まいの北浦先輩がいつになく不機嫌です。

「渓流斎さんや、最近の銀行はあまりにも酷くなえかえ?あまりにも客を小馬鹿にしている。貴人はブログとやらをやってるそうやさかい、是非とも書いてくんなまし」と口角泡を飛ばして語るのです。

以下は北浦先輩の証言です。

北浦先輩は、今年9月末をもって40年間勤めていた金属加工会社を定年退職されました。今は、友人の伝手を頼って、速記のテープ起こしの仕事をしておりますが、世の中甘くない。給与は、月額20万円ながら、以前働いていた会社の給与から算段された厚生年金と健康保険と区民税と介護保険とやらが15万円もあって、差し引きの手取り額が僅か5万円にしかならないと嘆いておりました。

然し、先輩が憤慨したのはそのことではありません。退職金が2000万円余出ましたので、普通預金に入れたままでは、どうも間抜けな感じがして、定期預金にしようと思ったそうです。

2000万円なんて、相当高額ですが、考えてみれば、日本人の平均寿命を頑張って80歳まで生きるとしたら、残り20年。ということは、年間僅か100万円にしかならないんですね。

若い私は定年までまだまだありますが、こんな金額では、どう暮らしていけというんじゃい!と、同情するどころか、情け無くなりました。

あ、失礼致しました。北浦先輩の話でした。先輩は、新宿で用事があったので、渋谷支店に口座のあるメガ銀行の新宿支店に行ってみました。北浦先輩は、1000万円の現金を持って行き、定期預金にしてもらうように言いました。何か、2年前に銀行の口車に乗せられて、貯金をはたいてブラジルレアル主体の投資信託を購入したところ、為替差損や銀行手数料を差し引くと、今では120万円も損失が出て、懲りたそうです。もう、いくら、金利が0.001%でも、元本が保証されるものにしようと思ったらしいです。

受け付けで対応したのは、70歳近い老婆だったそうです。その老婆が言うには、大口定期となると、口座のある渋谷支店でしか扱うことができないというのです。しかも、悪いことに、先輩は銀行カードは持っていても、判子は持っていませんでした。

老婆は、奥に入って何か相談しているようで、散々待たされるので、北浦先輩は、もう諦めて帰ろうとしました。そしたら、老婆は、慇懃無礼にも、「それでは現金を一旦、普通口座にお預けになったら如何ですか」「ATMは現金は、一回の入金は200万円までですから、5回ぐらいかかりますけど」などといけしゃあしゃあと言うではありませんか。

「それならいいです」と帰ろうとした先輩を、老婆は「もう少しお待ち下さい」と制止した後、また奥に相談に行き、やっと、「それでは、窓口で1000万円をお預かり致します」と勿体ぶって話したそうです。

いやあ、それだけ聞きまして、メガバンクともあろうものが、手際の悪さに呆れてしまいました。

最後のとどめは、メガバンクに1000万円も預けたというのに、犯罪者のような扱い方で、名前を書かされ、有難う御座いましたの一言もなし。勿論、粗品もなし。笑ってしまったのは、店を出るときに、老婆が先輩を追いかけてきて、「先程は御迷惑をお掛けしました」と言いながら、キャバレーの喧伝で使うような小さいポケットティッシュをくれたという話です。

マイナス金利で業績が芳しくないと言われるメガバンクも、ここまで堕ちたか、と思いました。まあ、ちょっと振り込むだけで、216円もの手数料を取って生きてる銀行ですからね。

北浦先輩も「あの狂言廻しのような、全く要領を得ない老婆は、一体何だったのだろう?あんな老婆を養うために、手数料を払っていたとは!」と不思議がっておりました。