巨大格差の果て

東京・銀座の天ぷら「阿部」 ランチかき揚げ丼 天下無敵

どなた様か分かりませんが、いつもコメント有難う御座います。執筆の力になりまする。

扨て、私がお勧めした昨晩のNHKスペシャル「マネー・ワールド」第3回「巨大格差 その果てに」は、御覧になりましたか?

凄い時代になりましたね。

番組は、あまりにも詰め込み過ぎて、よっぽど頭がいい人じゃないと全てを理解できないでしょうが、私が印象に残ったことを書きます。

今や、世界は資産トップ62人が、下位の36億人分の3兆円の富を独占支配しているそうです。

大貧困層の一人当たりの年収は5万円だとか。

この超巨大格差は、まだ、不労所得を謳歌していた貴族が支配していた19世紀並みなんだそうです。

番組では全く出てきませんでしたが、この辺りは、あのトマ・ピケティが「21世紀の資本論」で解き明かしていましたね。

1980年のレーガン政権あたりからの「規制緩和」政策で、ドンドン貧富の格差が広がる様子をグラフで解説されておりました。

メデイアで成功した米国人の大金持ちスタンリー・ハーバードさん(83)が、自家用ジェット機に乗り、政治家に献金して、自分たちの都合の良い法案を成立させるように、無言の圧力をかけ、週末は大型クルージングで優雅に暮らす姿を映してました。その大金持ちは、同じ川べりで、小型船でクルージングする人たちを見て、「彼らの方が幸福かもしれない」と呟くところが、実に印象的でした。

その一方で、普通のサラリーマンが、家賃を払えなくなって、仕方なく、テントで暮らす様も報じていました。

米国西海岸のシアトルです。あまりにも増える貧困者のために、市が土地を「テント・シティ」として開放していたのです。

大金持ちのハーバードさんは、「彼ら社会の落伍者たちは、努力が足りないからだ」と一刀両断にします。しかし、テント・シティでの生活を余儀なくされた市民は、特別な人に見えなく、いかにも普通で、善良そうで、ただ運がなかったかのようにも見受けられます。明日のあなたかもしれません。

シアトルには、テント・シティがある一方で、このまま格差が広がると、社会がとんでもない方向に行くと危機感を募らせた経営者もいました。

グラビィティ・ペイメントというクレジットカード会社のCEOダン・プライスさんです。彼は昨年、自らの年収100万ドル(1億円)を10分の1の10万ドル(1000万円)に引き下げで、従業員の最低賃金をこれまでの3万5000ドル(350万円)から7万ドル(700万円)と2倍に引き上げたのです。

その結果、社員のモチベーションがぐっと上がり、業績も1年で2倍になったそうです。従業員も、安心して結婚したり、出産したりして、大幅に消費活動が活発になり、地域経済の活性化にもつながるという良循環も生まれたのです。

勿論、良い話ばかりではありませんでしたが、かなり見応えのある番組でした。